POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 仕事から帰ってきた妻「あみ」とまたインフルエンザの話題になりました。このところ、2人の間の会話は「海外旅行」か「新型インフルエンザ」の話題に限られています。そして、この2つは関連しています。例年のように今年も海外に旅行に行きたい妻、それを妨げているのが新型インフルエンザなのです。新型インフルエンザに海外で感染するのは大きなリスクを伴います。その可能性は小さいのではないかと考えても、リスク要因ではあります。新型インフルエンザの免疫を獲得してしまえば、憂いなく出かけられるのですが、、、

妻「きょう、何気なく奥さん方2人の会話を耳にしたんだけど、いまインフルエンザに感染しても、新型か季節性かわからないの?」
私「なぜ?」
「その奥さんの娘さんが2人ともインフルエンザにかかったそうで、病院に行ったら、簡易検査でA型の陽性反応が出て、A型インフルエンザに感染しているからということで、タミフルをもらったそうなの。で、お医者さんに新型に感染したのですか、と聞いたら、そこまではわかりません、という返事だったそうよ。そこまで調べないの?」
「いまはもう調べないんだそうだよ。」
「それじゃ困るじゃない。感染したのが新型かどうかわからないと、新型の免疫を獲得したかわからないということじゃない。」
「その通りなんだけど、もうインフルエンザの感染者が多すぎて、全体ではやってないんだよ。」
「そんな!季節性インフルエンザと新型インフルエンザで症状の違いはないの?」
「ないね。インフルエンザだから発熱をするのは共通だしね。38℃以上の熱が出るし、咳は出るし、のどは痛いし、頭痛はするし、鼻水は出るし、というのは同じさ。吐き気や下痢、筋肉痛というのは必ずしも伴わないそうだけれどね。」
「それじゃ、どっちに罹ったのかわからないわね。」
「ただね、東北大学の先生がね、新型の流行でA香港型とAソ連型は、ほぼなくなるだろうという予測をしているんだよ。」
「ということは、、、どういうこと?」
「これからインフルエンザに感染すると、そのほとんどが新型インフルエンザだということだね。」
「100パーセント?」
「そこまでは言えないと思うけど、、、」



(参考) 国立感染症研究所感染症情報センターによると、新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)は、2009年第19~35週に44都道府県から、5,376件の分離・検出が報告されています。また、季節性インフルエンザウイルスの検出はAH1亜型(Aソ連型)55件、AH3亜型(A香港型)802件、B型101件の報告があります。新型インフルエンザウイルスはこの期間の分離・検出例全体の89%を占めていることになるようです。

「従来の季節性インフルエンザと比べて、新型インフルエンザは危険なんだ。サルを使った実験なんだけど、新型は感染する臓器が多く、その増殖率も大きかったそうだよ。」
「どういうこと?」
「季節性のインフルエンザウイルスは、上気道という咽頭や気管に留まって増殖することが多いんだそうだが、新型は、下気道の気管支まで達して増殖することが多かったそうなんだ。」
「毒性が強いということ?」
「肺には肺胞という酸素と二酸化炭素を交換する器官があるんだけれど、新型はその肺胞の機能を急速に奪ってしまうそうなんだ。つまり、呼吸困難にすぐなるんだ。」
「そのときにICUが必要になるのよね。」
「そう。集中治療室で人口呼吸器の装着が必要となるわけだよ。」
「大変よね。」
「呼吸困難な状態で、救命を図らなくてはならないんだ。」
「新型インフルエンザは怖いわね。」
「重篤化すると、お医者さんだけが頼みの綱なのに、毎日新聞の調査では医師不足に陥るのではないかと危惧している県が半分もあるんだよ。」
「そんなにあるの?」
「そう。東京都と他の21県。」
「ICUは不足しないの?ハイリスクの人たちの命綱になるんじゃないの。」
「足りるだろうとしているのが、5つの県だけ。ほとんどが集中治療室はすぐに一杯になってしまうとしているんだ。」
「どうするのよ。」
「どうするのと言われても。ピーク時に新型に感染したら、十分な治療は望めなさそうだね。」
「・・・」

「ピーク時をなんとか罹らずにやり過ごすか、またはピーク前に罹ってしまうしかないね。」
「やり過ごせる見込みは?」
「ピーク時というのは長いんだ。過去の例だと、A型のインフルエンザの場合、第48週頃から急激に感染者が増加するんだ。」
「第48週って?」
「11月の下旬だね。第50週で第1のピークが来るんだ。12月の初旬だね。」
「それで?」
「第2のピークが翌年の第4週。1月の終わり頃。このピークは第1のピークより格段に大きい。」
「いつまで続くの?」
「第13週くらいまで。3月の終わりまで。」
「そんなに長いの!」
「そう。」
「罹らずにやり過ごせないじゃないの。」
「来年に入ると、私たちのようにハイリスク群に属さない人たちもワクチン接種が受けられるようにはなっているだろうよ。」
「そんな!それじゃ遅いじゃないの。」
「まあね。」



「究極の選択になるけど、早めに罹っていた方が医師不足ではないし、重篤化してもICUに入れるし、その方がいいじゃないの。」
「それに抗インフルエンザウイルス薬のタミフルやリレンザがなくなってはいないからね。」
「なくなるの!」
「タミフルなどが不足するのではないかと危惧しているのは、東京都と他の7県だよ。」
「優也の学校でも、周辺に新型に罹っている人がいるみたい。よく聞くそうよ。」
「大学生は罹りやすい環境にあるからね。特にマンモス大学は、感染が広がりやすいからね。」
「でも、心配していないそうよ。罹ったら免疫を一生獲得するんだから、その方が行動を制約されなくなっていいって。」
「確かにね。新型のインフルエンザに怯えて暮らす生活はやめにしたいな。ワクチンをハイリスク群の人たちと争っても欲しいとは思わないし、たとえ接種できたとしても、獲得した免疫は自然感染と比べて、弱くて長持ちしないのだからね。」
「優也が家に持ち込んでくるかしら。」
「どうかな。我が家の人間は、家に帰ったら手洗いは十分するし、うがいもするし、マスクも人込みではかけるし、感染症に対する備えが習慣となっているからね。いまさら、その防備を緩めようとしても難しいんじゃない。」
「インフルエンザだけが感染症じゃないしね。」
「そう。いま東京、千葉、神奈川、埼玉といった東京首都圏で、はしかが流行っているんだ。まあ、誰も専門家ははっきりとは言わないけれど、インフルエンザとの闘いで目指すべきは感染拡大の防止よりも感染による死亡者を多く出さないことだと思うよ。自然感染でも新型に対する免疫を獲得した人が多ければ多いほど、それが壁になって、ハイリスク群の人たちをガードすることになるんだからね。」
「集団免疫の考え方ね。」
「会社を休むことになるから、経済活動に対する影響は大きいけれど、免疫獲得者が多ければ、翌年はその型は大流行しないしね。」
「それで、今年はローマに行けそうなの。」
「わからないね。」
「・・・」

 2009年5月16日配信の時事通信の記事からです。

 厚生労働省は5月16日未明、海外渡航歴のない神戸市の男子高校生が新型インフルエンザに感染している疑いがあると発表した。同市の環境保健研究所の遺伝子検査(PCR)で陽性とみられる反応が出た。国立感染症研究所に検体を運び、最終検査する。同日午後にも結果が判明する見通し。

 2009年9月7日配信の時事通信の記事からです。

 宮城県は9月7日、新型インフルエンザに感染した疑いのある90代の男性が6日、入院先の病院で死亡したと発表した。男性は呼吸器疾患の非結核性抗酸菌症の持病があり、死因は同症の悪化。感染ルートは不明という。県によると、男性は2007年12月、非結核性抗酸菌症と診断された。今年7月に入院し、8月30日に発熱、今月3日に簡易検査でA型陽性となり、6日夜に死亡した。
 新型インフルエンザに感染したか感染の疑いのある人の死亡は国内で11人目。


 日本国内に最初の新型インフルエンザの感染者が出てから、4か月が経とうとしています。状況の改善は一切見られません。感染者の爆発的増加の11月下旬に向けて時は冷酷に刻んでいます。

2009年9月7日配信の朝日新聞からです。

 スイスの製薬大手ノバルティスの日本法人は9月7日、新型インフルエンザワクチンの日本での臨床試験(治験)を来週から始めると明らかにした。国内の病院で、成人200人、小児120人の計320人の協力を得てワクチンを接種し、有効性と安全性を確かめ、厚生労働省の承認を受けるためのデータにする。結果が判明するのは12月ごろになる見込み。
 新型インフルワクチンに関しては国産分だけでは供給量が不十分なため、厚労省は輸入を検討中。同社などの輸入ワクチンは国産ワクチンと成分が違い、効果を高める免疫補助剤を使うなどしているため、国内で安全性などの確認が必要とされている。


                 (健人のパパ)

(追記)

 2009年11月18日配信の読売新聞からです。

 新型インフルエンザの感染が子供を中心に広がっている影響で、治療薬タミフルの小児用ドライシロップが品不足となり、生産も追いつかなくなっている。厚生労働省は、主に成人に処方されるカプセルから取り出したタミフルを転用できるとする文書を出しているが、子供が飲めるよう苦みを緩和させる作業が必要で、治療に追われる現場からは「調剤し直すのは大変」と困惑の声も上がっている。

 タミフルの製造販売を国内で唯一承認されている中外製薬(東京都中央区)などによると、来年3月までに、昨シーズンの2.8倍にあたる1,200万人分のタミフルを供給する計画を立て、9月から、甘みを加え子供も飲みやすくした顆粒(かりゅう)状のドライシロップ360万人分の生産に入った。

 だが、学校などで集団感染が広がった10月中旬頃からドライシロップの在庫がなくなり、11月上旬には全国的に供給が追いつかなくなった。「全国11支店の営業担当者が、医療機関などから『ドライシロップが足りない』と言われている。休日返上で生産しているが、間に合わない」(広報IR部)という。

 子供用のタミフル不足を受け、厚労省は6日、カプセル内の薬を取り出して、小児向けに小分けして処方する方法も認める文書を都道府県などに出した。ただ、そのままでは苦いため、アイスクリームやヨーグルトに混ぜて飲ませるなどの工夫をするよう指導している薬剤師会もある。

 仙台市の小児科医院の医師は「患者が増え続けるなか、カプセルから子供用の薬に作り直すのは手間がかかる」とこぼす。ドライシロップの在庫が17日で底をついた東京都文京区の薬局は、成人向けカプセルから出したタミフルに甘味のある粉を混ぜて処方し始めた。担当者は「手間がかかるし、薬の苦みが完全には消えないため、飲めない子もいるかもしれない」と話す。

 新型インフルにはリレンザも使われるが、粉末を専用器具で吸入しなければならず、厚労省などによると、小児への投与は難しいなどとして、タミフルのドライシロップを処方するケースが多いという。


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