この日のお宿は前日のスイートとは打って変わって
いろいろ不都合も多いお部屋だったけれど
これもバリィさんのご利益がなくなった故と 観念して朝を迎える。
それでも朝の海岸は気持ちよく 貸し切り状態の海を楽しめる。
この日はさぬきうどんを食べて こんぴらさん参りをして
さくっと瀬戸大橋にて玉島に戻るという予定。
途中 近くの観音寺本山寺に立ち寄る。
昨日の失敗を悔いるように お遍路さんグッズを真剣に選ぶ夫。
そしてこんぴらさんはとにかく階段との勝負だ。
ちなみに漢字で書くと金刀比羅となる。
本宮まで785段 その先の奥社まで行くとさらに583段。計1368段。
本宮まででも相当なダメージだったけれど 夫曰く
「本宮までで帰ってきたなんて言ったら 絶対誰かに
へー 奥社まで行かなかったんですか?と馬鹿にされるに違いない」
だから行く…(というわけでもないだろうけれど)
今一つのお天気も手伝って 宮内はしっとりと神聖な霧のかかったような佇まいが続く。
こういうのは悪くないね。
本宮をお参りすると それまでの賑わいとは一線を引くように
奥社までの道がひっそりと待っている。
あまりこちらに向かう人はいない。
というか わたくしたちのまわりにはいなかった。
てくてくてくてく
非常に歩きにくい石段をひたすら黙々と昇っていく。
途中 わたくしたちに追いついたカップルが 途中に合ったお社を奥社と勘違いして
「ここで終わりだよ」「えーうそーまだあるんじゃないの?」ともめている
「まだ先があるみたいよ」
と声をかけて しばし一緒に上るが そのうちにどんどん差がついていく…。
あと少しだろう…というところで 上から元気のいい少年が駆け下りてくる。
「ねぇ あとどれくらいある?」という夫の問いに
「あと少しだよ!ここ曲がってちょっと行くとすぐ!」
「大変だった?」「ううん 全然!」と元気に通り過ぎていく。
(そうか あと少しなんだ)と。
その後ろからお父さんとお母さん。
「さっきまで 疲れた疲れたって大騒ぎだったんですよ」
(そして全然あと少しではなかった)
……だろうね。
やっとのことで奥社に着く。
写真を撮る元気もあまりないうえ せっかくだからと夫に記念撮影してもらったが
案の定ピンボケでがっかりのわたくし。
いえ でもとてもいい汗をかきました。
この後は善通寺に立ち寄り(陽も傾きはじめ 写真ほとんどなし)
バリィさんに守られたこの旅行。最後は苦行を経て 無事に終わることができました。
バリィさんはその後も数少ない夫婦の共通の話題として 時々活躍してくれています。
お・し・ま・い
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