この粋なスタイル、これこそベスパ。
優れたデザインは、自身そのものだけでなく、それを使いこなす人の姿までも美しく見せるのです。
その本質を知り尽くしているイタリアならではの、ワンアンドオンリーなスクーター、VESPA 946。
以前、ミラノの市内をぶらぶらと歩いていた時、お腹周りのふくよかなオッちゃんも、頭がツルツルのお兄さんも、ロン毛のラフなダンディも、街中の男性全てが半端ないお洒落さん。
皆、女性に見られること、女性を褒めること、女性を口説き落とすことを、普段の生活の中の一部としているので、たとえどんなハンデを持っていたとしても、自分独自のスタイルに変えてしまう、優れた美意識があるのです。
そんな、生まれつきお洒落人種たちが丹精込めてデザインを仕上げているのだから、カッコ悪い訳がありません。
彼らが全体のプロポーションを決める時、細部のディティールにこだわる時、その無意識下では、必ず人の姿が意識されている。
文化の違いと言ってしまえばそれまでなのですが、そんなイタリア人のデザインに、いつか追いつくことができるのでしょうか。