こちらも、金沢21世紀美術館で人気の常設インスタレーション、「タレルの部屋」。
光と空間を巧みに操り、人間の意識の奥に潜んでいた感覚を呼び覚ますことを可能にしたアーティスト、ジェームス・タレル。
タレルの部屋は、彼の作品“ブルー・プラネット・スカイ”を見ることができる、無料公開スペースです。
見上げる天井の中央には、外界へとつながる四角く切り取られた開口部があり、朝から夜まで、様々な時間帯にわたって変化する空の表情が、まるで美しい動画を見るように楽しむことができるのです。
訪れたこの日は雨。したがって変わりゆく青空の風景は見られませんでしたが、代わりにそこにあったのは、このように完全なモノトーンの世界。
色もなく、動きもない、一見静止したようにも見える空間の中、開口部の縁からは時折雨だれが滴り落ち、固定化した箱の中に、確かな時の流れを感じさせていました。