「たぶんもう来れんと思うわ」
帰り際にそう言いながら、ポンポンと石塔に触れたあの日の姿を、
昨日のことのように覚えています。
「いつでもお参りできるように、(父方の)お墓の場所を覚えておきたい。
伯父ちゃんに案内してもらおうかなぁ」
いつも誰かと一緒にお参りをしていて、当時、はっきりと場所を覚えていなかった私。
ある時何だか急に不安になって、そう言いました。
「わしが教えてやるわ。一緒に行く。」
心臓の調子を悪くし、山坂に不安を感じていたにもかかわらず、
そう言ってくれた父。
朝早くから家を出て、案内をしてくれました。
父が自分の両親の眠るお墓参りをしたのは、その日が本当に最後となりました。
あれからもう10年近く経ったのですね。
今年もあの日の姿を思い出しながら、細くて急な坂道を登りました。
当時元気だった伯父も、今は眠っている場所。
ゆっくりと心の中でお話をしてきました。
父方でも母方でも。
父があの日したように、お墓参りの帰り際には必ずポンポンと石塔に触ります。
「また来るね」と言いながら。
まだまだ当分そう言わせてくださいね。
また、会いに行きます。
「また来るね」の言葉、しっかり届いていると思います。
ありがとうございます。
思いが届いて、喜んでくれていると嬉しいです。
父が眠っている場所は、急な坂道をズンズン上っていかなくてはなりませんが、幸いにも自宅から歩いていけるところにあります。
最低でも1年間は月命日には会いに行こうと、毎月お参りをしました。
1年を過ぎたけれど今も続けています。
もしかしたら「また、来たんか~」と言っているかもしれません。
まぁ、いつも見守ってくれていると思っていますが(*^^*)