海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

備中神楽

2009-09-21 | 芸術・文化


今日は午前中で仕事を終え、お客さまに誘って頂いた「備中神楽」を観てきました。
子どもの頃から何度か見たことはありますが、
生で、それもこんなに近くでじっくりと拝見したのは初めてです。



「猿田彦の舞」


「国譲り」の一場面



素戔鳴命の舞は、どっしりと存在感のあるものでした。
このあと、松尾(まつのお)さんという呼び名で親しまれている
備中神楽の人気者・松尾明神が登場します。

そのときどきに合った話の内容で会場を盛り上げる松尾さん。
話題を考えるだけでも大変でしょうに、アドリブもポンポン飛び出し・・・。
名人芸ですね。


「大蛇退治」
素戔鳴も大蛇も、迫力満点でした!


神事舞の「榊舞」「導きの舞」「猿田彦の舞」
神能の「国譲り」「吉備津の舞」「素戔鳴の大蛇退治」
5時間もの間、楽しませて頂きました!

重厚に存在感たっぷりに舞うかと思えば、
見惚れるほどキレよく格好良く舞い、
声は朗々と響き渡る―。
太鼓との息もばっちり合っていて。
神楽の世界にすっかり魅せられました。

あれだけの台詞を覚えアドリブも入れ、そして舞う。
それも、観ているものに感動を与える完成度で・・・。
一体、陰でどれほどの練習をしているのでしょう?
日頃からの努力の賜物ですね。

すべてを終えられたとき、皆さん汗ダクダクでした。
お疲れさまでした。
そして、本当に素晴らしいものを拝見させて頂き、
どうもありがとうございました。

誘ってくださったSさんにも、多大なる感謝を―。




神楽を拝見しながらね、想い出していた人がいます。
それは、伯父です。

私からすれば“すごく器用だなぁ”と思う父が、
「兄貴には叶わん」というくらいに器用で丁寧で几帳面だった伯父。
多くの趣味を持っていた方でしたが、そのひとつに「神楽面作り」がありました。

  

我が家には、伯父が作った二つの神楽面があります。
猿田彦命と素戔鳴命。
我が家をずっと守ってくれているよ!
伯父ちゃん、ありがとうね。

伯父の家には、面の縦の長さが70cmくらいの手作りのお多福と、
いくつもの大黒様が飾られています。

伯父が空へと帰った後から知りました。
大黒様の舞も、好きで舞っていたんだってね。
一度くらい見せてもらいたかったなぁ。


神楽を観た帰り道。
やさしく茜色に染まる空をゆっくりと歩きながら眺めていたら、
伯父の微笑む顔が見えた気がしました。

今日も良い一日でしたよ。
どうもありがとう。



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2 コメント

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>備中神楽 (omotann)
2009-09-22 09:47:09
以前にもお話ししたかも知れませんが、10年ほど前に成羽・三宅製菓の現当主(高校の親友)に成羽愛宕大花火に招かれた際に、本場の備中神楽を堪能する機会に恵まれました。
かみさんの遠い親戚で神楽面を彫っている人がおり、義父の座敷に掲げられています。ごぼうで有名な後月郡(現井原市)明治に住んでいます。
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神楽 (mari)
2009-09-23 12:01:27
omotannさま
素晴らしい成羽の花火と、備中神楽。
何て贅沢な時間でしょう。
素敵な思い出をお持ちですね。

奥さまのご親戚に神楽面を彫っていらっしゃる方がおられるのですね。
神楽面も彫る人によって雰囲気が変わってきますよね。
作った人の性格というか人となりが表れるような気が致します。
神楽面の神様とご親戚の思いが、お義父様のお家を守ってくださっていますね。

伯父の作った大黒様は、伯父の微笑んだ顔にそっくりでした。
不思議なものです。

成羽も井原も、伯父の住んでいた高梁も、
神楽で有名なところですね(^^)

ちなみにこの日拝見した神楽は総社の方々でした。素晴らしかったです!!

衣装や小物にいたるまで、たくさんの意味が込められているのだろうなと勉強になりました。
天井に飾られている鯛や扇をかたどった彫り物(えりもの)は、何と1枚の半紙から出来上がっているそうです。
すごいですよね・・・。


※少し調べてみたのですが、彫り物は切り絵のようなものでした。
もしかすると、彫り物ではなく紙垂(しで)になるのかもしれません。
今度詳しく尋ねてみます。
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