海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

磯永秀雄の世界

2007-09-13 | 芸術・文化
現在岡山県下で公演中の劇団はぐるま座による「童話劇と詩の朗読 天狗の火あぶり」を観てきました。

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9月13日(木)
玉島公民館大ホール 開演午後6:30~
【プログラム】
<朗読>
 八月の審判
 ゲンシュク
 十年目の秋に
<朗読劇>
 花咲く桃の木の下で
<朗読>
 ただいま臨終
 一かつぎの水
 右手のしたことを(小学生による群読)
 夜が明ける
<大型立体紙芝居>
 鬼の子の角のお話
<童話劇>
 天狗の火あぶり
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プログラムの全ては、磯永秀雄の作品です。
戦後山口県光市に駱駝詩社を設立し、生涯山口県を拠点に活躍した詩人です。

大学在学中に学徒動員でニューギニアの手前・ハルマヘラ島へ送られ、九死に一生を得て帰国された磯永氏。
多くの戦友の死や戦争の苦しみ、凄絶な体験を胸に、生涯詩を書き続けた方であります。
そして「おとなの童話・みんなのお話」という数十篇の童話も書き残されました。
「磯永秀雄の世界」は“平和を願い、人々が温かで幸せな世界を願う”心で溢れています。


先週、劇団はぐるま座の方が我が家を訪ねて来られ、お話をする機会がありました。
そこで共感したことは、“一人一人の平和を願う思いが、平和な世界を作っていく”ということでした。
そして彼らはその思いを胸に、平和の輪を広げようと、劇団という形で活動されているのです。

私が生まれてからの日本は、幸いなことに戦争はありませんでした。
しかし世界中を見渡してみれば、どこかの国で戦争が起こっています。
地球上の全てが、真に平和だったことはないのではないでしょうか。

しかし―。
62年前の戦争経験を語り継いでくださっている方たち。
文章という形で平和について語りかける方たち。
写真という表現を用いて、世の中に現状を知らせてくれる方たち。
様々な形で平和を願い、行動に移して下さっている方々が大勢存在していることも確かです。

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しかし私は知っている
平和の願いが必ずいくさを退けうることを
真実の道を掩う雑草をたんねんに
抜きつづけることが
私たちの永遠の仕事でなければならぬことを

磯永秀雄「十年目の秋に」より抜粋
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私もその輪の中の一員となり、その輪を広げていこう。
そんな風に改めて思った一夜でした。

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【今後の劇団はぐるま座、岡山公演の予定】
15日(土) 14:00 玉野市総合文化センター
17日(月祝)14:00 美作文化センター
18日(火) 14:00 さん太ホール
 〃     18:30  〃
24日(月祝)15:00 里庄総合文化ホール
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それにしても、人の言葉・声には力がある。
声色、間、大きさ―。
そしてそれらを考えながら発することで、伝わり方は大きく変わる。
私自身、紙芝居を読んだり、人前で話す機会が結構あるので気を付けよう。
勉強になったなぁ。