ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

すべて真夜中の恋人たち/川上未映子

2016-01-16 | 読書
孤独な魂がふれあったとき、切なさが生まれた。
その哀しみはやがて、かけがえのない光となる。
芥川賞作家が描く、人生にちりばめられた、儚いけれど
それだけがあれば生きていける光。『ヘヴン』の衝撃から二年。
恋愛の究極を投げかける、著者渾身の長編小説。
(「BOOK」データベースより)

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素晴らしかった!
川上未映子って、こんなに美しい文章を書くのね。。
そう、本当にその情景が目の前にくっきりと美しく浮かぶのです。

そして…久しぶりに泣いたわ。
こういう柔らかい恋愛小説モノで涙するなんて、本当にこれはもう
文章が美しすぎるからです

ショパンの子守歌を
「まるで夜の呼吸のようです。溶かした光で鳴っているようです。」
ですってよ、奥さん!(笑

校正の仕事はひたすら孤独で、今までの人生もずっと孤独で
人とうまく付き合えず、街を歩いていても、キラキラしているそれは
自分とは全く無関係の作り物のように見える。
気分良く歩いていても、みるみる気持ちがしぼみ、画用紙くらいの
真っ白い紙は、あっという間に手のひらに握り込めるくらい小さく
折り畳まれてしまう。
主人公、冬子の揺れ動く気持ちが、手に取るように描写されていて
読んでるこちらが息苦しくなるー。

出かける前にはお酒を飲まないと、人と会ったり自発的な行動が
できなくなり、酔いが途切れた時の不安で魔法瓶に日本酒を入れて
バックに持ち歩く…。

苦しい、苦しい、苦しい。

そして偶然出会った、高校教師の三束さんとの穏やかな触れ合いで
少しずつ変化していく冬子の感情…。
こんなに美しい言葉で表現できるのね、 日本語って本当に素晴らしい

早速、ほかの作品も読んでみなくては!





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