ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

キツツキと雨

2019-08-18 | 映画

小さな山あいの村にやって来たゾンビ映画の撮影隊。
なぜだか手伝うことになった木こりの克彦(役所広司)は、
プレッシャーに弱く使えない新人監督の幸一(小栗旬)にイライラする。
しかし、幸一は克彦との交流で自分を取り戻していき、
二人のいい関係がイマイチかみ合わなかった撮影現場にも
不思議な影響を与え始め……。
(Yahoo!映画あらすじより)

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さすが沖田修一監督!
素敵な映画でしたーーーー!

こういうコミカルな立ち回りさせたら、役所広司の右に出る人はおらんね。
男前だから余計におかしいのかな。
この人の演技力には本当に参っちゃう。

気の弱い監督の幸一にイラつきながらも、お節介なオヤジ根性全開で
あれこれと世話を焼いているうちに皆に溶け込んでいく克彦。

映画の成功祈願で甘いものを絶っている幸一に、克彦が無理やり
あんみつを口に押し込むシーン。
とても良いシーンで、ジーンとしたなぁ
改めて、小栗旬も良い演技する俳優さんですね。

やはり他人に必要とされてこその人生。
認めてもらうことの素晴らしさ。

波打ち際に置かれた、立派な丸太で作られた重すぎるディレクターズチェアで
飾られる最後のシーンもクスリと笑えてよかったな。
あー、ほのぼのした

モリのいる場所

2019-07-09 | 映画
画家の守一(山崎努)は、草木が生え、いろいろな種類の生きものが住み着く
自宅の庭を眺めることを30年以上日課にしていた。
妻(樹木希林)と暮らす守一の家には、守一の写真を撮る若い写真家の藤田、
看板を描いてもらおうとする温泉旅館の主人、隣人の夫婦など、来客がひっきりなしだった。
(Yahoo!映画あらすじより)

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目黒シネマは今どき珍しい二本立て上映をする素晴らしい映画館です
しかも2本で1,500円!!破格です。
さておき。樹木希林追悼特集の週に行ってきました。
私が行った日は「日日是好日」と「モリのいる場所」

次は「モリのいる場所」

これまた私の大大大好きな沖田修一監督!
(「横道世之介」「南極料理人」など話題作はあるものの、私の中では
 ダントツ「滝を見にいく」がオススメです!!)

本作はノンフィクションという訳ではないけど、実在の画家・熊谷守一をモデルに、
彼の晩年のある夏の1日を描いたオリジナルストーリー。
樹木希林もさることながら、この作品はやはり大御所の山崎努が圧巻の演技。
参っちゃいます。
日本の映画界には宝がいっぱいだ。
若いイケメン俳優なんて、なんぼのもんだって!!

そして、もうネタバレ覚悟で言いますけど、三上博史がね!!
最後、ビックリしちゃいますよ。
急に振れ幅すごいし

不思議な映画なんだけど、とっても暖かくて優しい映画でした。

日日是好日

2019-07-09 | 映画
大学生の典子(黒木華)は、突然母親から茶道を勧められる。
戸惑いながらも従姉・美智子(多部未華子)と共に、タダモノではないとうわさの
茶道教室の先生・武田のおばさん(樹木希林)の指導を受けることになる。
(Yahoo!映画あらすじより)

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目黒シネマは今どき珍しい二本立て上映をする素晴らしい映画館です
しかも2本で1,500円!!破格です。
さておき。樹木希林追悼特集の週に行ってきました。
私が行った日は「日日是好日」と「モリのいる場所」


まずは「日日是好日」
大森立嗣監督です。
私の大大大好きな「セトウツミ」や、「さよなら渓谷」も大森監督ですね。

本作は、特に刺激はありません。
淡々と四季が移ろい、ただ人は歳を重ねていく。
茶道を通して、美しい日本が描かれています。
桜が咲き、緑が美しく、梅雨の雨を憂い、セミの声に暑さを感じ、
紅葉を愛でる間も無く、白く寒い季節がやってくる・・・
そして、また。
タイトルの通り「その日一日をただありのままに生きる。」

とても静かな心持ちになれる素敵な映画です。

黒木華ちゃんは、美人じゃないのに何だか魅きつけられるよね

万引き家族

2019-07-09 | 映画

治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、
寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。
見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、
傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。
信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を
頼りに生活していたが…。
(Yahoo!映画あらすじより)

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やっとキター!Amazonプライム!!!

是枝ファンとしても、これはもう、本当に傑作ですね。
素晴らしかった。
何が素晴らしいって、安藤サクラへの絶賛が止まりません。

あ、樹木希林の凄さは当たり前だから脇に置いてます。
海辺で皆を眺めながら微笑んで無音の口パク。まず、あそこでやられたよね。
だって、それまでと顔が全く違うんだもん。
やっぱこの人、バケモンだ。
鬼気迫る演技すごすぎて。鬼気希林じゃね?

全員、他人で構成され、血の繋がりは一切ない家族。
でも家族。本当の家族。
「家族とは。」テーマは明確。
心震わせる。

それにしても、リリーさんも、ホント良い演技するよな〜
同じ北九州出身として誇らしいよ。
そうなんよ、あんな感じよ、北九州の男はみんな(笑

話がまとまりませんが。
最高でした。

追憶の森

2019-02-08 | 映画
人生に深く絶望したアメリカ人男性アーサー(マシュー・マコノヒー)は
死に場所を求めて富士山麓の青木ヶ原樹海を訪れるが、
森の奥深くでけがを負った日本人男性タクミ(渡辺謙)と出会う。
アーサーと同じく死のうとして樹海に来たものの考え直し、
妻子のところへ戻るため助けを求めてきたタクミと互いのことを
語るうちに、二人はこれまでの人生を見つめ直し、
生きるため樹海からの脱出を模索するようになり…。
(Yahoo!映画あらすじより)

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うーーん、良かった!!

ほとんど渡辺謙とマシューマコノヒーだけの二人劇。
が、そこは実力派のかっこいいオジサマ達。さすがでした。

青木ヶ原という、言わば密室の舞台で、死に直面した二人が
繰りなす緊迫感もぐいぐい惹きつけられる。

大切な人のことを、どれだけ知っていますか。

例えばずっと一緒にいるのが当たり前の家族でも、
結局は自分とは違う考えを持った別の人間。
知っているようで実は何も知らないんじゃない?
っつー映画です。笑

でも、前情報を色々入れずに見た方が絶対に面白いと思う。

見終わった後はとても清々しい気持ちになるような
素敵な映画でした


胸キュンって死語?まだ生きてる?

2018-10-19 | 映画
友達に勧められて今更ながら「おっさんずラブ」を観ました。
うん、もう書かずにはおれん
こんなに切ない感じね、久しぶりだったわ。
しかも死ぬほど笑えるし。
普段ドラマ見ないから知らなかったけど、こういうカテゴリーのも
やってるんだね〜

なぜ最近、田中圭が売れているのか分かった気がする。

吉田鋼太郎がメチャいいやん!
エプロン姿、可愛かったわぁ。
そして、なんつっても林遣都くんの一途さに、うっとり…
久しぶりにキュンキュンしたわ。
てか、事務所全員そっち系のオフィスとか!ホント怖いわ。笑

私は別に同性愛に対して偏見は無いけど、でもさ、やっぱり街中とかで
立派な男性同士が手をつないで歩いたりしてると二度見しちゃう…
うん、慣れてないんです。ただビックリするんです。
なので、よくぞこういうテーマのドラマを(思いっきりコメディに振ってるとしても)
作ったなぁ〜と。
プロデューサーやTV局の思い切りに感心しちゃった。

全話一気に見てしまい、甘く切ない気持ちでうっとりしてますぅ


三度目の殺人

2018-10-12 | 映画
勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛(福山雅治)は、
殺人の前科がある三隅(役所広司)の弁護を渋々引き受ける。
クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で
起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。
しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。
三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが…。
(Yahoo!映画あらすじより)

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うぉーーーーーー!!モヤモヤするぅーーーー!!!
是枝監督の思惑通りにヤラレテシマッタよ

分かるよ、分かる。うん、言いたい事は分かるけども!
でもここまで置いてかれた感のある日本映画も珍しいし、
まさかそれが是枝さんだとは

いつもの家族愛溢れる作品とは完全に一線を画す法廷モノなので、
原作があるのかと思いきやオリジナル脚本らしく。
「人は人を裁けるのか」という実際的な重いテーマで勝負。
テーマは実際的ではあるけど、内容はメタファー。
メタメタメタファーやでぇ!(壊れ気味

そうね、これはミステリーではあるけど犯人を探すようなものではなく
あくまでも是枝映画なのよ。ヒューマンドラマ。
黒是枝、出現!

そんな黒映画に役所広司はさすがやね〜
感情のコントロールとその表情に圧倒されます。
福山なんて青二才や。

「三度目の殺人」というタイトルも、観る側の受け取り方で色々な解釈が広がるし
うーーん。これは、観た人と酒を酌み交わしながら(それはいらんやろ)
熱く語りたい。

今宵、共に語ってくれる是枝ファンの酒飲み急募します


short cut

2018-06-15 | 映画
男はエリートサラリーマン。女はその妻で広告会社勤務のキャリアウーマン。
二人は結婚して10年。お互い仕事が忙しく、すでに夫婦関係は完全に冷め切っている。
妻の祖父の葬儀の帰り、山道に迷い込んだ二人。
周囲に誰もいない山奥で、気兼ねなくののしり合う喪服姿の夫婦。
果てしない口げんかの末、徐々に二人の関係に変化が訪れる。

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最近、読書より映画多いかもー
なんつってもAmazonプライムビデオ!私の強い味方

でもこれ、映画というか長編ドラマだったんですね。
一度もカメラを止めない「完全ワンシーン・ワンカット」という手法で製作された
三谷幸喜監督らしいストーリー

中井貴一と鈴木京香が、ひたすらケンカしながら森の中を彷徨い歩くという
ただそれだけなのに、そこはさすがの実力派俳優2人
見応え十分です。
カメラワークの効果も手伝って、まるでずっと舞台を見ているような112分間でした。
あーー、面白かったー

やっぱり中井貴一いいわ・・・カッコイイ
なのに三枚目のキャラがぴったりフフフ。
鈴木京香も相変わらず綺麗やね〜

なんて得るものはないけど(こら。
これぞエンターテイメント!ですよ。


セッション

2018-05-28 | 映画
名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと
決意するニーマン(マイルズ・テラー)。
そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー
(J・K・シモンズ)だった。
ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼に
おののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。
だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。
(Yahoo!映画あらすじより)

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狂ったおっちゃんとの、狂った師弟関係。
怖い怖いお話やったわ…

でも、ラスト10分の展開には息を飲む。
まさかのどんでん返しが続き、そして完璧なフィナーレ!

ただただ怖い教官に追い込まれて、何とかバンドの正規メンバーに
なろうと必死に練習するシーンが続き
「で、結局、最後どうやって終わるんやろうか・・・」
と、つい最後のオチばかりを気にしながら観てしまうダメな私なのですが
完全に参りました

「危険なのは、上出来(グッジョブ)という言葉だ。」
褒めて伸びるなんてのは甘ったれた考え。
本当に一握りの最高のミュージシャンになれるか、その可能性は
極限まで追い込まれなければ引き出されない。
それがどういう手段であれ…。

うん、素晴らしい映画でした。
音楽という特殊な狂気の世界を感じれられマス

奇跡

2018-05-25 | 映画
今回の是枝さんのパルムドール受賞を受けて、
そう言えば、観ていたのに感想をブログにアップしていなかったのを思い出し。
急いで投稿せな!!
いやはや、やはりやってくれましたね。
万引き家族も早く観たい

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離婚した両親がやり直し、再び家族4人で暮らす日を夢見ている航一(前田航基)。
母親と祖父母と鹿児島で暮らしながら、福岡で父親と暮らす弟・龍之介(前田旺志郎)と
連絡を取っては家族を元通りにする方法に頭を悩ませる航一は、
九州新幹線全線開通にまつわる噂を聞きつけ、ある無謀な計画を立て始める。
(Yahoo!映画あらすじより)

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さすが是枝さん
子供達の演技がナチュラルで本当に素晴らしい!!
演技じゃなくて、素の状態を撮ったんじゃないの?
是枝さんならやりそうな気もする。
福岡と鹿児島に離れ離れに暮らす兄弟が、半年ぶりに会い、
背が伸びたんじゃないか、と背中合わせにくっつき、しばし無言になる場面、
ジーーンときてすごく印象に残ったなぁ・・・
まえだまえだ…あんた達、ほんと良い演技するわ。

子供って、大人が思ってるよりずっと色々な事を感じているし、理解してる。
子供達にとっては、たった数時間の電車の旅も大冒険。
ワクワク、ドキドキ、喜びと不安の入り混じった気持ちがよーく伝わる
本当に良い作品だわぁ
おばちゃん、めちゃくちゃ感動したわ!!