ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

歩いても歩いても

2010-12-30 | 映画
夏のある日、横山良多(阿部寛)は妻のゆかり(夏川結衣)と連れ子の
あつしと共に実家に帰省した。
この日は、15年前に海で溺れた少年を助けて亡くなった兄の命日だった。

誰が見ても、何かしら、誰かのキャラクターに自分を当てはめて
感情移入できる、何気ない日常。
何か特別な事件が起こるわけでもない。
初老の両親の家に、息子と娘がそれぞれの家族を連れて里帰りする。
とある夏の一日を描いただけなのに、セリフの隙間からこの家族が抱えてきた
葛藤や感情のもつれが全て浮かび上がってくる。

この映画の見所は、とにかく、樹木希林。
すげーーーーーーー

長男を失った底の無い失意と持って行き場のない恨み悲しみ。
それが彼女を少し狂わせている。

長男が命を助けた少年に、必ず命日にお参りに来てもらうのだけど、
良多が「もう、そろそろいいんじゃないの?彼もここに来るのつらいだろ」
と言うと
「そうよ、だから来てもらってるんじゃない。10年やそこらで忘れてもらっては
困るわ。一年に一度くらい苦しみ感じてもらわなきゃ」と淡々と、
少し微笑さえ浮かべて答えるシーンなんて、マジで鳥肌立ちました・・・

人生って。
こういうことなんだなって。
繋いでいくだけの日常。
ドラマなんて無いんです。

・・・沁み入る映画でした。よかったです。

バーバー吉野/トイレット

2010-12-27 | 映画
犬は旦那に任せ、久しぶりに一人のんびり映画館へ。
あ~開放感・・・
目黒シネマは、今時珍しいアットホームな映画感。
地下に降りていく一段一段が、異空間へと誘われる雰囲気。
図書室もあり、何だか秘密の空間っぽい。

荻上直子監督特集ということで「トイレット」「バーバー吉野」二本立てで何とお得な1300円!
やっぱり映画感だと周りの雰囲気もあり、集中して鑑賞できますね。
とにかく良かった
もたいまさこ、最高

「トイレット」
人に迷惑をかけず人から迷惑をかけられず、自分のペースを守り続ける主人公のレイ。
母親が亡くなった事を機に、パニック障害を抱え何年も家から出られないピアニストの兄モーリーと
奔放な大学生の妹リサ、そして生前母親が日本から呼びよせた“ばーちゃん”と一緒に
暮らし始める・・・
自分の生活が乱されながらも一緒に暮らし交流していく中で、それぞれが次第に心を開いていく。

全編英語なんだけど、最後に“ばーちゃん”(もたいまさこ)が叫ぶ一言で涙が…
本当に素晴らしい作品でした

「バーバー吉野」
美しい小さな田舎町。その町には床屋が一件しかなく、男の子達は皆「バーバー吉野」の
おばちゃんが刈る"吉野がり"にさせられるのが伝統。
そんな奇妙な髪型を、誰ひとり疑問に思っていなかった小さなこの町に、東京から転校生が
やって来たことで事態は一変する・・・

小さな男の子達のいじらしい奮闘記。
荻上監督らしい心温まるストーリーでした。

あ~面白かった

さて、と
年末の大掃除は明日からやる・・・ぞ

モスごはん

2010-12-27 | 日記
今日からお休みに入りました~。
天気も良いし大崎までモスの朝ごはんを
食べにお散歩しました。

テラス席は、ワンコも大丈夫~。

早速発売されたばかりの「塩バターチキンバーガー」を食す
意外にあっさりしていて美味しかったです!
オススメ

気分爽快!

2010-12-26 | 日記
私にとっては3回目のSteelPanコンサート、今回は創立10周年記念ということで
クラスを超えた合同演奏は、すっごーーーく楽しかった!(練習は厳しかったが



3回目ともなると初心をすっかり忘れ
「間違ったら間違ったでいいや~」と、演奏の合間にビールを飲む体たらく
ま、楽しめればそれでいいのだ~!

あ~今年も終わる・・・

勝利のお父さん

2010-12-23 | 日記
取引先のソフトバンクの営業担当からもらった(のを奪った)
パリーグ優勝記念の勝利のお父さんストラップ!!!

激カワじゃないですか~

背番号は「0103」(おとうさん)


もちろん、いろいろ喋ります。
「勝たんといかんばい!」

くくく・・・
これを吹き込んでいる北大路欣也を想像すると笑えるけど

家日和/奥田英朗

2010-12-22 | 読書
現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く6編の短編集。
家がテーマです。

伊坂のモヤモヤから立ち直るべく、異例のスピード読み

おもしろかった
多分、自分の年代が読むからツボにハマる感じなんでしょうね。
若い人にはいまいちピンと来ないかもなぁ~。
心をほかほかさせながら、一気に読みました。

どの話も、どこにでもあるような、身につまされるような、
ほろ苦いような、そして、心温まる・・・これが日常です。

ネットオークションにハマる主婦を描いた「サニーデイ」は、軽快な
構成で、読んでるこっちまで嬉しくてニコニコしちゃうような話でした。

「家においでよ」も良かったなぁ~。
妻に出ていかれ皮肉にも”男の城”を獲得した夫が、部屋を自分好みに
変えていく様は、サラリーマンの悲哀がユーモラスに書かれていて
男でなくても納得できる要素がいっぱいでした

奥田英朗、いいですね!

バイバイ、ブラックバード/伊坂幸太郎

2010-12-20 | 読書
太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創ったという、
まったく新しい物語。
「あのバス」に乗せられる前に、五股をかけていた彼女達にお別れを告げるため
一人ひとりを訪ねていく・・・。

異色・・・ですね。何とも。

文章は軽快で、さすが伊坂ですが、ストーリーがどこに向かうか分からず
読み終わった後も、何だかモヤモヤ・・・

あのバスって何やねん!
気になって眠れんわ

白銀ジャック/東野圭吾

2010-12-18 | 読書
「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」
年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。
警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。
雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。
すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。
今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。
(文庫裏書きより)

まぁ~
ね。
うん。

登場人物と状況から、何となく先が読める系ってんでしょうか

白夜行くらいの重ーーーいやつ、お待ちしております

イントゥ・ザ・ワイルド

2010-12-12 | 映画
裕福な家庭に育った青年が、全てを捨てアラスカへと放浪の旅へ出る。
彼の心の軌跡を描いた人間ドラマ。

久しぶりに、鳥肌の立つような映画を観ました。
簡単に感想なんて書けない・・・

設定としてはありがちなんですが、単調なストーリーを一気に
2時間半も引っ張ってく、この壮絶さは何でしょう。
主人公の脆く純粋な心と、壮大な自然。

「生きる」とは。
ただそれだけ。
映画でありながら、大きな大きな一枚の絵のようです。

彼が極限状態におかれ、最後に出た言葉。
「幸せは誰かと分かち合うことで、初めて本物になる。」

深い。です。