ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

自律神経、乱れますよね

2018-03-26 | 日記
東京は先週、最高気温4℃で雪が降り真冬に逆戻りガタガタ震えていたというのに
今週いきなり20℃超えで桜が一気に咲き始めました…
やれやれ。
体、ダルイのは仕方ないよね

でも、やっぱり春は良い!桜は良い!
気持ちあげてこー











無垢の領域/桜木紫乃

2018-03-17 | 読書
道東釧路で図書館長を務める林原を頼りに、25歳の妹純香が移住してきた。
生活能力に欠ける彼女は、書道の天才だった。
野心的な書道家秋津は、養護教諭の妻伶子に家計と母の介護を依存していた。
彼は純香の才能に惚れ込み、書道教室の助手に雇う。
その縁で林原と伶子の関係が深まり…
無垢な存在が男と女の欲望と嫉妬を炙り出し、驚きの結末へと向かう。
濃密な長編心理サスペンス。
(「BOOK」データベースより)

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桜木さんの作品を全部読んだわけでは無いけど、今まで読んだ中での
最高傑作だと思います!
これ、何の賞も取ってないんだっけ?
それが不思議なくらい、恐ろしく完成された素晴らしい作品だと思います。

あたし、いつか釧路に住みたいわー
作品の根底に漂うような暗くてジメジメしている感じ。
いいわー

林原、秋津、伶子。
それぞれのプライド、狡猾さ、そして虚無感を抱えきれず
苦しく生きている中、唯一光を放つ純香の無垢。純真さ。
その対比が痛々しいまでに心に突き刺さりました。

一番背筋が凍ったのは、秋津の母かなぁ。
息子への執念(怨念?)とも言える愛情が、彼女を狂わせたのでしょう。
痴呆と正気のはざまで、何が正だったのか…
実は息子の嫉妬も屈辱も罪も全て分かっていて、最後、林原から真実を
突きつけられるシーンも、唯一落ち着いていられたのはこの母だったのでは
ないかと思いました。
おーーーコワ

とにかく、とにかく。すごかった。
もっと桜木さん、読まなきゃ!


薬指の標本/小川洋子

2018-03-16 | 読書
楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。
人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、
ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。
「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」
靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。
奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。
恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。
(「BOOK」データベースより)

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小川さん、久しぶりに読んだかな〜
安定の小川ワールド。やっぱり最高

密やかで静謐な空気感。
いつも思うけど、どうして文字だけで聴覚を刺激できるほどの
静寂を描けるのでしょうか。
才能ってスゴイわ。

あくまでファンタジー。
でも非現実的でありながら、あまりに生々しい触感の表現。

すべての物を「標本」という思い出として封じ込めるという
この発想も小川さんならではだよね。
最後、主人公の女性が標本にして欲しいとあるものを決意し
標本室のドアを叩くというエンディングも完璧

そして、同録の「六角形の小部屋」もとても良かった
カタリコベヤ(語り小部屋)という謎の小部屋に入り
ただ自分のためだけに思いを吐露する。
なんていうか、不思議なセラピー。
読んでいて私の中では法隆寺の八角堂のイメージだったんだけど。
それを、担いで各地を旅している親子の話。

ほんと、小川さんの発想力には脱帽!



罪の声/塩田武士

2018-03-10 | 読書
京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中からカセットテープと
黒革のノートを見つける。
ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。
テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。
それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた
テープとまったく同じものだった。
週刊文春ミステリーベスト10 2016年【国内部門】第1位!

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グリコ・森永事件をベースとしたフィクションで、
実は自分の身内が事件に関わっていたのではないかと疑う男と、
30年前の事件を再度記事にするから調査しろと命じられた新聞記者の男。
全く別の2人の男のストーリーが、事件の真相に近づくにつれ
徐々に交わっていくという構成。

お初の作家さんですが文体としては読みやすく、難しいことも
ないんだけど、前半なかなか波に乗れず、登場人物とその相関図が
頭に入ってこなくて苦戦しました

実際の事件を下敷きにしていることが明白なので、社会派小説とは思うけど
そのわりに何だかイマイチ真に迫れてないというか…
そもそも30年も前の未解決事件なのに、今さら調べてそんな簡単に事件の真相と
犯人に辿り着くの?と、ちょっと冷めた感じで読んでしまったかな

子供の声を脅迫テープに使ったという、ストーリーの中では重要なキーワードも
結局、なんだか実情がよく分からないままだったし。

そういう細々としたところが消化不良な感じで、ちょっと残念かな。
全体としては良く出来てるミステリーだとは思うんだけどなー。


☆☆

深夜の馬鹿力

2018-03-10 | 日記
相変わらず、欠かさず伊集院光の深夜ラジオを聴いています…
どうにもハマってます

ライブで聴けば月曜日の深夜1時〜3時(てか、火曜だね)なんだけど
堅気の人間は、普通そんな時間、寝てるよね。

でも今や科学の力で、一週間以内ならそれがいつでも好きな時に
聴けるので、次の日がお休みの週末にじっくりと腰を据えて
酒を飲みながら2時間ラジオにかじり付くのがすっかり日常となっております。

深夜枠だから放送コードなんて何のその、伊集院さんの才能を邪魔するものは
何もなく、思いの丈を滑らかにそして大胆に淀みなくお話になる様には
もうほとんどウットリして聴いています

話下手な私には、これほど自分の考えを流暢に表現できれば
さぞ気持ちいいだろうなーと、羨望の耳差しなんですけどね。

て。そんな週末。

体ダルい日々ですね。
早く春が来て欲しいーーー