ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

ピンク・バス/角田光代

2016-08-24 | 読書
子供を妊娠し浮かれているサエコの家に、夫の姉・実夏子が突然訪れる。
長い間消息不明だったという実夏子は、そのまま勝手に住み着いてしまった。
真夜中に 化粧をしたり、冷蔵庫のハムを丸ごと食べたり、と不審な行動を
繰り返す実夏子。
何も言わない夫に苛つき、サエコの心はかき乱されていく…。
出産を目前に控えた女性の心の揺れを描いた表題作ほか、
「昨夜はたくさん夢を見た」の一篇を収録。
瑞々しい筆致で描き出された、心に染みる極上中篇集。
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ちょっと久しぶりの角ちゃん。いいね!
角ちゃんにしか書けない、この感じ!
人間の脆いところ、不確かなところ、弱いところ、だけど耐性のあるところ。
人のメンタルの不可思議さを目一杯堪能できるような、さすがの角田節です。

ピンクのバスは、果たして実在するものだったんだろうか。
はたまた、ある特定の人にしか見えないものだったんだろうか。

こういう、ストーリー性がなくて、何ともつかみ所がないのに
読者をぐいぐいと魅きつける筆力は、なかなか稀有ですよね。
なので感想を書くのも難しいんですけど、角田信者には
分かってもらえると思います。はい。笑


⭐︎⭐︎

彼女がその名を知らない鳥たち/沼田まほかる

2016-08-19 | 読書
十和子は淋しさから、飲み会で出会ったうだつの上がらない中年男・陣治と関係を持ち、
なんとなく一緒に暮らすようになる。
ある日、陣治の部屋で、昔の男から贈られたピアスを発見する。
何故ここに…。十和子が選んだ驚くべき行動とは!
壊れかけた女、人生をあきらめた男。
ダメな大人が繰りひろげる100%ピュアな純愛サスペンス。
(「BOOK」データベースより)

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まほかる、本当にすごい、すごすぎる…
”純愛サスペンス”なんて薄っぺらい表現は当てはまりませんな。
ずっしり重いっすよ。
Wikipediaによると、イヤミス(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の
旗手として注目されてるらしいですよ。
いやいや、これぞピッタリですね!

陣治の十和子に対する壮絶な愛情。
それに対して、十和子の陣治に対する愛憎。
愛と憎がこれほどまでに紙一重とは、まさに十和子の感情をもって
証明されます。

とにかく、読んでいてゲンナリするほど後味の悪い文章だけど、
決してそれを言語で表現してるのではなく、読み手の心を揺さぶって
その読み手の心の奥底から湧き出させるような嫌悪感を煽ってるんだよね。
すごい手腕。
それでいて、切なく、寂しく、愛しく…もう感情が崩壊寸前です
うまく表現できないよー

人の感情なんて不可思議で、説明のつかないことだらけなんです。
そう言ってしまうのは簡単だけど、この小説はそれを具体的に
ずっしりと「こういうことだよっ!」と突きつけられる感じかな。

壮絶なラストに、読み終わった後は、ややしばし放心状態になること
間違いなしです。
私の拙い表現力では、うまく感想すら書けません。
ふぅ。

確かに、今思えば、まほかる作品はどれも凄みがあったけど
改めて感服しましたね。
まだ読んでない、あといくつかの作品を急いで読んで
イヤミスを体感せねば!!


⭐︎

きっと君は幸せになる

2016-08-19 | 日記
朝から吉田沙保里さんのインタビューで涙する
そして、帰ってきてから夜のニュースでもまた見て涙する

あんた、銀メダルだよ、世界で2位だよ!!
なのに、あの号泣。
「応援してくれた皆様に申し訳ない」
「主将だったのに金メダル取れなくてごめんなさい」
さらには
「お父さんに怒られる」とは!

苦しくて苦しくて、この人はどれほどの重荷を背負って
生きているんだろう、と。

日本国民に謝らなければいけない人なんて、他にいくらでも
(政界や財界に)いるでしょう!

もう、いいよ。大丈夫。
誰も謝ってほしいなんて思ってない。
とにかく深く、深く、眠るのだ。

そして、きっと金メダルを落とした後の道にこそ
更に素敵な世界が待っていると惜しみない賛歌を贈りたい。

よく頑張った!感動した!


森は知っている/吉田修一

2016-08-18 | 読書
自分以外の人間は誰も信じるな—
子供の頃からそう言われ続けて育てられた。
しかし、その言葉には、まだ逃げ道がある。
「たった一人、自分だけは信じていい」のだ。

南の島の集落で、知子ばあさんと暮らす高校生の鷹野一彦。
東京からの転校生・詩織の噂話に興じるような、一見のどかな田舎の高校生活だが
その裏では、ある組織の諜報活動訓練を受けている。
ある日、同じ訓練生で親友の柳勇次が、一通の手紙を残して姿を消した。
逃亡、裏切り、それとも?
その行方を案じながらも、鷹野は訓練の最終テストとして初任務につくが—。
過酷な運命に翻弄されながらも、真っさらな白い地図を胸に抱き、
大空へと飛翔した17歳の冒険が、いま始まる!

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「太陽は動かない」の主人公、鷹野の幼少期を描いた、いわばスピンアウト的な
小説なんだけど、これだけでも十分成立する
(というか「太陽〜」はいらないくらい)切なく心に迫る作品でした。

読んでいて苦しいくらいの凄惨な幼児虐待。
こんな過酷な運命を子供に背負わせていいんだろうか、いや、それはダメだよ
風間さんーーーー

「生きるのが苦しいんなら死んだっていい。
でも、今日死のうが、明日死のうがそう変わりはないだろ。
だったら一日だけでいいから生きてみろ。
その日を生きられたなら、また一日だけ試してみるんだ。」

人間が平等なんて嘘っぱちだ!
神様お願いします、せめて彼に一晩だけでも温かく深い眠りを…
祈ります


⭐︎

なつなつなつ!

2016-08-06 | 日記
いよいよリオ五輪始まりましたね!
日本は104番目で、まだCで始まる国だから…と、洗濯干したり
掃除機かけたりしてリビングに戻ると、もう日本は終わってた…
開会式の各国入場のタイミングは本当に難しい

さて見事な夏。本番です!!
ガンバレ日本



エルニーニョにゃのね

2016-08-01 | 日記
今日から8月ですか・・・

東京は先週やっと梅雨明けしたと思った途端、
待ってました!とばかりに、うだるような暑さが続いてます。
今年は史上最も暑い夏になると、どこぞのえらい気象学者の人が
予報してるらしいし、やれやれ…ですね。
体力がもつでしょうか。



リニューアルした新宿駅新南口にSuicaペンギン広場が出来たと聞き、
朝一番、わざわざ1人で出かける、物好き…じゃなくて、ペンギン好きな私。

暑い。
世間は夏休み。
よし、頑張ろう