ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

セトウツミ

2017-07-31 | 映画

性格は正反対だがどこかウマの合う高校2年生の内海想(池松壮亮)と
瀬戸小吉(菅田将暉)は、放課後にいつも河原で話をしながら
暇つぶしをしている。
くだらない言葉遊びや、思いを寄せる女子へのメールの内容、
時にはシリアスなことも語り合う。
そんな二人を見守る同級生の樫村一期(中条あやみ)に瀬戸は憧れているが
樫村は内海に好意を抱いており…。
(Yahoo!映画あらすじより)

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めちゃ好み
男子高校生2人が放課後に近所の川沿いの公園でくっちゃべる、という
ただただそれだけの、くだらない作品です。
・・・いや、全然くだらなくない!
すごく面白かった!!

四コマ漫画を読んでいるような感覚でもあり(原作は実際、漫画みたいだけど)
漫才を見ているような感覚でもあり、だけど、池松壮亮と菅田将暉がやってる
ことに大きな意味があると思います。(私見)

菅田将暉については、今までどうでもなかったけど、これを見て
素晴らしい役者だわぁ〜。どーりで売れてる訳やわ!と感心しました。
純粋でアホっぽくて愛おしいキャラを完璧に演じている
これはもう、観なくては何ともいえない満足感ですよ。

ちょっと夏バテ気味のこの時期、オススメです

ズートピア

2017-07-21 | 映画

ハイテクな文明を誇るズートピアには、さまざまな動物が共存している。
そんな平和な楽園で、ウサギの新米警官ジュディは夢を信じる一方、
キツネの詐欺師ニックは夢を忘れてしまっていた。
そんな彼らが、共にズートピアに隠された事件を追うことになり…。
(Yahoo!映画あらすじより)

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ディズニーのアニメと思って侮るなかれ、
思っていたより10倍くらい面白かった!!

これは可愛い動物キャラクターの仮面をかぶせた、
私たち人間のリアルな社会問題を描いた映画です。
多分、子供というより大人に深く刺さる作品じゃないかなぁ

人種の違いによる差別や偏見、嫉妬や裏切り。
人種によって決められる職業の選択。
そういうことを肉食動物と草食動物にぜんぶ乗っけて、すごくシリアスでシニカルな
ことを、可愛くてコミカルに仕立てあげてる傑作だと思う!

そして、根底に流れるそういった人種(動物)差別をテーマにしつつ
警察内で難事件となっている行方不明者(行方不明動物)の捜索に向けて
スピーディーに展開していくストーリー。
はっきり言って、下手なサスペンス映画よりも面白かったよ
不覚にもホロリと涙する場面さえあります!

動物だけで成り立っている世界っていう発想も楽しいし、
さすがディズニー、映像も美しくて素晴らしいものでした。

個人的にはうさぎが帽子を被った時に耳がお下げみたいになる所が
ツボだった
キュートな映画ですよ


レッドタートル ある島の物語

2017-07-15 | 映画

吹き荒れる嵐の中、海に投げ出された男が、かろうじて生き残ったものの
波に乗って見知らぬ無人島に流れ着く。
彼は何度も力を振り絞って島から出ようとするが、
その度にまるで見えない何かに操られるように島へと連れ戻される。
万策尽きてしまった男の前に、ある日、一人の女性が姿を現し…。
(Yahoo!映画あらすじより)

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カンヌ国際映画祭ある視点部門特別賞受賞の本作。
スタジオジブリの作品だったのは知らなかった!

さて。
どう感想を表せばいいのやら…
セリフは一切なく、音楽だけでストーリーに色を添えます。
今までに無い何とも言えない不思議な映画だったけど、
ただし、見終わった時には軽く鳥肌が。。

前半は、無人島に漂着した主人公の男性が、必死で脱出を試みる
スリリングな雰囲気もあるんだけど、後半はぐっと流れが変わります。

浦島太郎?人魚姫?鶴の恩返し?(これはちょっと違うかな
いろんなおとぎ話の要素を取り込んでいるような、それでいて現実的な
側面もあり「そんなバカな!」と突っ込みたくなるような。
そうこうしているうちに、どんどんストーリーと画の力に引き込まれていきます。
現実とファンタジーの見事な融合

途中、何度も「何のメッセージが込められているのか??」と考えながら
見ていましたが、結局、愛。
うん、これは愛の物語です

とってもオススメです!

素敵なサプライズ〜ブリュッセルの奇妙な代理店

2017-07-05 | 映画
オランダの大富豪の息子ヤーコブ(イェロン・ファン・コーニンスブルッヘ)は、
母の死後に自殺しようとするもあえなく失敗。
偶然知ったベルギーの代理店が「最終目的地への特別な旅」のプラン、
つまり自殺ほう助を行うサービスを提供していたことから、
ヤーコブはどのタイミングで死ぬかわからないサプライズコースに申し込む。
ところが同じコースを選んだアンネ(ジョルジナ・フェルバーン)と出会い、
心境が変化していき……。
(Yahoo!映画あらすじより)

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珍しいオランダ映画!
しかも。久しぶりに出会った本当に素晴らしい映画でした
発想も面白いし、キャストのキャラクターも魅力的。

自分で人生の幕を降ろしたいと思った時、自殺する勇気はないけど
様々なプランから選んで自由に死を選べる、天国への旅行代理店、
というのはアリじゃない??

テーマは重いんだけど。これはコメディになるのかなぁ?
爽快でした。

感情を無くしてしまった主人公ヤーコブの、淡々とした静の演技と
魅力的で激情的な動のアンネの組み合わせ。
そしてアンネの秘密。。。

とてもとても楽しい、オススメの映画です!


君の膵臓をたべたい/住野よる

2017-07-04 | 読書
偶然、僕が拾った1冊の文庫本。
それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった
圧倒的デビュー作!
(「BOOK』データベースより)

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話題の本作。昨年の本屋大賞、惜しくも次点。
近々映画も公開されるんですね!

ただね、えっとね、ぶっちゃけ中盤まではつらかった
全然この人の文体に着いて行けないし、アメリカ映画でよくある
ジョークを無理やり日本風にしているような会話形式もちょっと
肌に合わなくて、なかなかページが進まなかった、というのが本音です。

そもそも、余命いくばくもない病気の女の子と、クラスメートの男の子…
なんてベタな設定も「んーーー」って感じだったし

でも。
ところがどっこい。
後半、一気にスゴイことになります。

もう、止まりませんでした。
私が時々陥る失態。
夜中にスイッチ入って、泣きながら夜更けまで読破し、
次の日、腫れた眼で出勤、という・・・

後半の追い上げが凄すぎて、前半の欠点を全て拭うような
爽快な読後感です。

諸手を挙げてオススメ!ってほどではないけど、でも、読んで決して
後悔はしない、さすが面白い作品でした。

星は・・・4つ!⭐︎