ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

対岸の彼女/角田光代

2009-08-29 | 読書
気にはなりつつ、なかなか読むきっかけを掴めなかった角田光代。
直木賞受賞作の本作、ようやく文庫本を購入
率直に・・・なかなか、面白かったです。

平凡な主婦の小夜子と、小さいながらも自分で会社を興し、奔放な性格の葵の物語。

一念発起し就職をした小夜子と、その会社の女社長である葵の現在のストーリー。
そして、葵が学生時代に過ごしたナナコという友達との過去のストーリー。
2つの物語が交互に語られ、最後にはひとつの結末に終結していく…。

女性としての存在価値って、話としては陳腐だけど、やっぱり深い
家事はしていて当たり前、仕事していてちょっとできないとマイナス。
社会に出ればその逆。仕事でミスると、主婦はこれだから、という眼で見られる。

主婦として、働く女性として、頑張って生きていこうとするが、幾多の壁に阻まれ
臆病で弱い部分が痛いほどリアルに描かれている。
リアルすぎて、「イタタ・・・そこ突くか」と。でも、そこが良いんでしょうね。
アラフォーへの賛歌ですな
(そーいえば、最近はもう、アラフォーって死語の域かぁ

若者の未来

2009-08-26 | 日記
いつもお世話になり、親しくしていたシステム部門の男の子(30歳…男の子か!?)の
送別会に行ってきた
わりと長く頑張っていたのに、どうして辞めるのかと、よくよく話を聞くと、
アイルランドへ修行に出る、と。
・・・は? 何から質問すればいいのか分からない

わたし「・・・えっと、何の修行?」
男の子「英語を勉強したいんです。」
わたし「英語ならアイルランドじゃなくて、せめてイギリスじゃね?」
男の子「大丈夫です、その前にフィリピンの英会話学校に留学しますから。」
わたし「・・・

30歳独身男子。
いや~。未来は無限に広がっているな。羨ましい限りです。
彼の前途を祝して、乾杯

ブラッド・ダイヤモンド

2009-08-24 | 映画
1990年代後半のアフリカ、シエラレオネでの激しい内戦を描いた社会派アクション映画。

ダイヤの密売人であるアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、巨大なピンク・ダイヤを
隠し持つソロモン(ジャイモン・フンスー)という男の存在を知る。
一方、ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリ)は、反政府組織“RUF”の
資金源となっている“ブラッド・ダイヤモンド”の真相を探っていた…。

紛争ダイヤをテーマにした社会派映画で、ディカプリオが自身も暗い過去を持つ密売人としての役を
見事に演じていた
彼は、スマートな役よりも、こういう泥臭い感じの役の方が絶対カッコイイなっ
最後の最後で、ソロモン親子を助けるという人情味を出したところも、良い。
終わり方が良い

内容が現実問題だけに、面白いとかストーリーがどうとか、そういう感想は出ないんだけど、
話題にもなったし、観て損は無いカンジです

赤い指/東野圭吾

2009-08-23 | 読書
あくまでも私的見解だけど、東野圭吾の作品は宝くじで言うところの
1等、2億円!大当たり~!って時と、7等、300円って時の、差が激しい。
そして、今回は…300円、かな。
チャリン

ある幼女の殺人事件を軸に、家族が抱える暗澹たる思いを、犯人側と刑事側の
両面から描き出す。
重苦しくはあるけど、加賀恭一郎シリーズ第7弾ってことで、今回も加賀さんは
とっても魅力溢れる人物像として描かれ、良い味出してマス

タイトル『赤い指』ってのが最大のキーワードなワケですが、
それが、何とも私としては、しっくりこなかった、というところです。

う~ん。よし、次に期待っ

鶏のさっぱり煮

2009-08-22 | 料理と酒
ミツカンのレシピですが、すっかり我が家の定番メニュー。
ちょっとアレンジして、生姜をどしどし入れたり、セロリを一緒に煮たり。
お酢を大量に使うので、体に良いよぅ~な気になれる、美味しい一品です。

ミツカンのHPですぐにレシピ検索できますよぉ

今年の夏は本当に涼しいので、夏バテもせず乗り切っています
農家の方々などには申し訳ないし、確かに野菜の値段もあがってはいますが、
夜暑くて寝不足になり、泥を這うようにして命からがら出勤する…みたいな状況が
無いのは、本当にありがたい。
あとは、早く秋になればなぁ・・・

笑顔の連鎖

2009-08-21 | 日記
あ~、何だか今週忙しかった…。ふぃ
やっと週末だ。久しぶりにPC開きました。

突然ですが。
タクシー乗って、運転手の無愛想さにムッとすることって多々ありますよね。
本当に何なんでしょう、あのサービス業としてのあまりの意識の低さ

今回、ニュージーランドに行って、そして日本に帰ってきてから、特に身に沁みて
思ったことの一つ。
日常に笑顔が無いっ!
だから、日本人って暗いんだなぁ~。今更だけど、しみじみと。

日本には『一期一会』という言葉があり、人との出会いを大切にしましょう的な考えを
“推奨”してはいるものの、日常生活の中でそれが出来る人はどのくらいいるでしょうか?
例えばホテルやレストランのサービス業の人でさえ、日本では単に“良く教育された礼儀正しさ”
という印象を受けるに留まります。

でも、ニュージーランドって、ちょっとしたカフェや雑貨屋などの店員はもちろん、
バスの運転手さんでさえ、一様に感じが良く、心からのホスピタリティーを感じました
共通して「どう、私達の国を楽しんでる?」とか「どう、料理美味しかったでしょ?」など、
自分達の提供するもの全てに自信を持ってるんだな~、と。
それって本当に素晴らしい
みんな相手の眼をしっかり見て、ニッコリ微笑むし
ついついこちらも笑顔で自然に「Thank you!」と言ってしまう。
こういう笑顔の連鎖って気持ちを優しくしますよね。

NZに住んでいる友達が言っていたけど、みんな物事を気にしない国民性らしい
例えば、夜7時の生放送のニュース番組が、適当に5分くらい遅れて始まるんだって。
日本じゃ、そんなことになったら責任者、クビでしょう
でも、誰も特に気にしないらしく…。
そういう、ゆるっとしたところが温かい国民性を育むんでしょう。

日本は「知らない人は常に疑え」っていう教育だもんね、悲しいことに

タクシーのムカつきおっさんから話が飛躍しましたが、私はそういうおっさんには
車を降りる時すごく明るく「ありがとうございました!」と言うようにしています。
おっさんが降ろした後「あ、もっと感じよくすれば良かったかな・・・」と
反省するきっかけを与えるくらいの勢いでね

世直し、世直し。

フォーティ/石田衣良

2009-08-16 | 読書
あまり読まない石田衣良。

先日、美容院の担当のお兄さん(といっても同じ歳)と話していて、
「身につまされますよ~。読んだほうがいいですよ。」と聞いて
とりあえず手にとってみた。

『人生の半分が終わってしまった。それも、いいほうの半分が。』
う~ん
のっけからグっと身につまされるじゃないですか。
ただ、読み進めると、そういう話ではなくて、人生後半の希望の物語。
職を失い、家庭もうまくいかず、同僚は末期ガンに侵され・・・でも前向きな
気持ちさえあれば新しく始められる。
メッセージは
『人生終わりと思っていたら、40歳が始まりだった。』

うーん。
やっぱりありがち、私的にはイマイチでした・・・
実際はそんなにうまくいかないって

怪談 牡丹燈籠

2009-08-15 | 日記
またまた瑛太ファンの友達に「瑛太」の舞台に行こうと誘われ、行ってみると、主役は
どちらかというと「段田安則」と「伊藤蘭」かな~、と

渋谷のBunkamuraシアターコクーンにて。

皆さん、牡丹燈籠ってどんな話かちゃんと知っています?
どちらかというと「四谷怪談」や「皿屋敷」の方が有名で、私は今回、舞台を見て初めて
ほう、こういう話かと知りました。
亡霊と人間の恋愛悲話ですが、単なる怪談話というより、こちら側とあちら側の世界、
豊かな暮らしと貧しい暮らし、どちらが幸せか、あるいは何が幸せなのかを問うような、
非常にメッセージ性の高い、作品でした
ちょうどお盆だったし、舞台装置や演出もなかなか凝っていて、わりと刺激的なひと時でした

感想:伊藤蘭、うまいなぁ~。

ルネ・ラリック展

2009-08-14 | 日記
国立新美術館にて。

香水瓶のイメージが強かったラリックですが、元々はジュエリーデザイナーだったのね。
【ルネ・ラリック(1860-1945)】
19世紀末から20世紀半ばにかけて、アール・ヌーヴォーのジュエリー制作者、
アール・デコのガラス工芸家として、二つの創作分野で頂点をきわめた人物。

会社帰りだったので、1時間程の駆け足鑑賞でしたが、古いのに新しいデザイン。
技術力の高さ。
うーーん、やっぱりどんな分野においても最高峰というのは、いつまでも輝くものなのね。

個人的には、カーマスコットが印象深かったな。
当時の大きな車のボンネットに飾られるためのガラス細工。
早さや強さを象徴し、美しく輝く装飾品は素晴らしい・・・が、やはりそこは繊細なものなので
到着する寸前に、よいしょ、と取り付けて、走行中は外していたという、
ちょっと微笑ましいエピソード付きでした

幸せの手紙

2009-08-12 | 日記
結婚前に勤めていた会社の後輩から手紙をもらった
メールだ、ブログだと、すっかりとデジタル病に侵されている昨今、カワイイ便箋と封筒で、
開けてみるときっちりと4枚も丁寧な字で書かれていて、
「やっぱり手書きの手紙をもらうって本当に嬉しいなぁ~」としみじみ

思えば私だって、昔は自他共に認める”筆まめ”だったのですが、もう最近は
漢字は書けないわ、手は疲れるわ、すっかり手書き機能が衰退・・・
彼女がこまごまと近況を書いてくれている中で、これまた感動した言葉。

”「ありがたい」と思えば「ありがたい」事だらけ。”

”大人がカッコよけりゃ、子供はグレねぇんだよ”(チルドレン/伊坂幸太郎)以来の
心に届く名言ですね~。

ほんと、日々感謝ですね
後輩からこんなステキなお手紙をもらえることも、ありがたいことです。

ちゃんと手書きでお返事書くので(←ホントか??)気長に待っててね