ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

そして誰もいなくなる

2017-11-30 | 日記
今日は、友達が帰国…じゃなくてお郷に帰るという旅立ちの日。
仕事が休みだったので羽田空港までお見送りに行ってきました

彼女とは東京で就職した会社で出会い、部署は違ったけど
たまたま話していたら同じ福岡県出身という事が分かり、
更に色々話すと「マジでーー!?」というくらい実家も近所なことが判明し
この10数年、飲みに行ったり旅行に行ったり、公私にわたり相談したりされたり
本当に気も合って仲良くしてきました。

ある日突然「私、そろそろ福岡に帰るわ」と言われ、ガーン
でもまぁ、気持ちが分からんでもない。
福岡県人って郷土愛が強いし、長年住んでいると東京にうんざりするとこはある。

就職や結婚で一旦東京に出てくる人は多いんだけど、みんな福岡に
帰っていくんだよね…。
私も早く帰りたいよぉ。

彼女を見送って家に戻ったら何だかすごく寂しくなって
借りていた「SING」を観たら、ちょっとだけ元気を取り戻しました。
MISIAの歌唱力はやはり群を抜いてるね。
音楽はどんな時にもいいもんだ

蜜蜂と遠雷/恩田陸

2017-11-18 | 読書
私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!
(「BOOK」データベースより)

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・・・キタ。
恩田さん。
直木賞と本屋大賞のダブル受賞は史上初でしょ?
参りました。
今まで不仲説を唱えてたけど、そろそろ和解しましょうか。
やはりあなたスゴイ人です。
握手!ガシッ!!

少なからずとも音楽をかじってる私にとっては、グッとくる
素晴らしい作品でした。
舞台はクラシックのピアノコンクールだけど、音楽に向き合う
気持ちとか姿勢とか、音楽とは、みたいなことにいちいち
深く納得してしまって。

「音楽という、その場限りで儚い一過性のものを通して
 我々は永遠に触れていると思わずにはいられない」

本当に。
どういうジャンルのものにしろ、音楽というものの素晴らしさを
再認識してしまう表現が随所に散りばめられていて幸せな気分に
なりました。

養蜂家の父とともに放浪生活をする天才少年・風間塵15歳。
かつて天才少女と持てはやされていたが母の突然の死去以来、
長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。
音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマン高島明石28歳。
名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。

登場人物の関係性と人間像もストーリーを彩るし、
次々と入れ替わる彼らの目線からのコンクールや音楽に対する
思いも興味深い。

うん。
何度も言うけど、やはり恩田さんはミステリーより青春小説に
向いていると思う!



後妻業/黒川博行

2017-11-09 | 読書
91歳の耕造は妻に先立たれ、69歳の小夜子を後妻に迎えていた。
ある日耕造が倒れ、小夜子は結婚相談所の柏木と結託して早々に耕造の預金を引き出す。
さらに公正証書遺言を盾に、遺産のほぼすべてを相続すると耕造の娘たちに宣言した―。
高齢の資産家男性を狙う“後妻業”を描き、世間を震撼させた超問題作。
(「BOOK」データベースより)

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コワイ、コワイ、コワイ。
ちょうど先日、筧千佐子被告に死刑判決が出たところですよね…
リアル後妻業の女!
もはやノンフィクションですよ、コレ。

結婚と離婚を繰り返して次々と高齢の夫を殺害し遺産を相続。
本籍地を移したり、うまく戸籍という制度の網をくぐり抜け
何食わぬ顔で次々とターゲットを探していく。

黒川博行を読んだのは、多分これが初めてだと思うけど
なかなかテンポもよく面白く読めたかな。
どいつもこいつも悪い奴ばかりでイヤになるけど
ストーリーとしての不快感はないし、小夜子を追い詰めて行く
元刑事の悲哀に満ちたサイドストーリーが効いてたな。

それにしても、人間どれだけ歳をとっても色と金の欲からは
抜け出せないのか?
人の業ほど恐ろしいものはないのだ