ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

ロマンス小説の七日間/三浦しをん

2016-03-25 | 読書
あかりは海外ロマンス小説の翻訳を生業とする、二十八歳の独身女性。
ボーイフレンドの神名と半同棲中だ。
中世騎士と女領主の恋物語を依頼され、歯も浮きまくる翻訳に奮闘しているところへ
会社を突然辞めた神名が帰宅する。不可解な彼の言動に困惑するあかりは、
思わず自分のささくれ立つ気持ちを小説の主人公たちにぶつけてしまう。
原作を離れ、どんどん創作されるストーリー。
現実は小説に、小説は現実に、二つの物語は互いに影響を及ぼし、やがて
とんでもない展開に!
注目の作家、三浦しをんが書き下ろす新感覚恋愛小説。
(「 BOOK」データベースより)

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おもしろいっ
ほんと、三浦しをんの小説を読むたび「何て引き出しの多い人だろう」という
感想を書いている気がするけど、今回も期待を裏切りません!

出だしがいきなり「アリエノールは…」と、中世ヨーロッパの若くして
領主となったお姫様が登場。。
ん?しをんさん?と眉をひそめながら読んでいると、それは主人公あかりが
翻訳中のロマンス小説。

仕事や恋愛、実家の父親との慌ただしい日常に追われ、イライラしたり
怒ったり、落ち込んだり…日々流されまくる感情を、翻訳している小説の
登場人物達に投影し、翻訳はいつしか創作へ!
彼氏の気ままな行動に腹を立てて、主人公のウォリックを殺しちゃいかん
やろー!
ロマンス小説の章と、あかりの実生活の章が交互に展開され、
もうなんだか同時に2つの小説を読んでいるような楽しさでした。

しをんさん、お見事!新しいし、面白い



不連続の世界/恩田陸

2016-03-25 | 読書
妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、
さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。
車中、多聞の携帯に何度も無言電話が…。
友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。
おまえが殺したから」(「夜明けのガスパール」)
―他四篇、『月の裏側』の塚崎多聞、再登場。
恩田陸のトラベル・ミステリー。
(「 BOOK」データベースより)

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多聞さん!呑気なあたたも実は病んでたのね

川沿いの遊歩道を歩いていると木のてっぺんにしがみついている
痩せこけた男が見える『木守男』、
その歌を聴いて何人もの人間が不審死を遂げたという『悪魔を憐れむ歌』、
バンドメンバーの故郷、尾道で撮影現場を見ると不幸が起こる
『幻影キネマ』、
鳥取砂丘がまるごと消えたという著書の謎を確認する『砂丘ピクニック』、
そして『夜明けのガスパール』。

日本各地の風景を多聞さん視点で切り取る、トラベルミステリーです。
『月の裏側』とはつながっていない不連続の、だけどどれも奇妙な物語の
連続です。

『砂丘ピクニック』には私の故郷、小倉も出てきて(作中で実名は
出されていないものの、これは完全に松本清張記念館でしたね
知っている場所が出ると何となく嬉しいものです。

ホラー要素のあるミステリーですが、それにしても、相変わらず
読後くすぶる感じの恩田ワールドは賛否分かれるでしょう(笑


⭐︎⭐︎

疾走/重松清

2016-03-16 | 読書
広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、
寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族だった。
教会に顔を出しながら陸上に励むシュウジが、町に一大リゾートの
開発計画が持ち上がり、優秀だったはずの兄が犯したある犯罪をきっかけに、
シュウジ一家はたちまち苦難の道へと追い込まれる…。
十五歳の少年が背負った苛烈な運命を描いて、各紙誌で絶賛された、
奇跡の衝撃作、堂々の文庫化。
(「BOOK」データベースより)

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久しぶりに重松清を読みました。
いやーーーー、これはないわ。酷い話や!
本当に重松さんの作品?
シュウジはまだ15歳よ。これはないわー(2回目。

全く救いのない話です。
次から次へと襲い掛かる不幸に、もうやめたってー!と読みながら
苦しくなるやつです。
重松さんなんだから、きっと最後の最後には救われるはずだと
信じながら読みましたが…。
ある意味、これは重松さん的には、光降り注ぐラストなんだろうな。
私は切なかったです
くすん。

「人は、必ず死ぬという宿命を背負っている以上、みな平等。」
と、神父さんは言ったけど、死ぬまでの運命は不平等だと思う。
つまらない大人に囲まれて、虐待を受けて、自由に生きられない
孤独な子供達。
それでも人は平等というのであれば、神はインチキだよね。

また、語りが終始「おまえ」という手法も独特でした。
神父の目線というよりは、天上からシュウジという一人の人間の運命を
見下ろし、淡々と語っている感じが、一種異様な世界観を作り出してた。

シュウジとエリ、「ひとり」の2人が、懸命に自分の在り場所、置き場所を
探りながらようやく手と手をとることができたのに。
やはり運命は残酷です。
ずっしりと重くのしかかるので、心の弱ってる人は用法・用量にご注意あれ。


⭐︎⭐︎

東京のJK風。

2016-03-14 | 
久しぶりの犬ネタ

うちにお迎えして、無事に1年が経った次女のゆずです・・・が。

相変わらずの傍若無人ぶり。
元気すぎるわ、空気読まないわ、独自の路線を突っ走っています
同じように躾けたつもりが、出来上がりの違いに愕然…


オモチャの取り合いは、どんな手を使っても負けません!!


へへーーーんだ!
と、この小憎らしい顔


・・・そして、ハウスを掘りまくって苛立ちを発散させる姉
(めいちゃん、御髪が乱れすぎ


疲れを知らない16歳の小娘に振り回され、40代のパパと姉はぐったりと倒れる
日常の風景でしたー(笑

胸騒ぎの恋人

2016-03-14 | 映画
親友同士である、マリー(モニア・ショクリ)とフランシス(グザヴィエ・ドラン)。
マリーはニコラ(ニールス・シュナイダー)という青年が好きになったものの、
フランシスも彼のことが好きになってしまう。
二人は恋に落ちるプロセスを冷静に検証しようとするが、ニコラの思わせぶりな
言動に期待してしまったり、わざと大好きな彼の悪口を言うことで反応を
引き出してみるなど、片思いの苦悩、駆け引き、ジェラシーというものを体験する。
そうした果てに、彼ら三人の関係に変化が生じていき……。
(Yahoo!映画あらすじ)

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ハマりました、ドラン監督。なので2本目。
これも良かったなぁ~

ここはまず、ニールス・シュナイダーが美しすぎる件。
金髪の美少年。ギリシャ彫刻というか、まんま「ダビデ像」なの。
すごいね、こんな人いるんだ
でもね、超思わせぶりなチャラ男なの。
しょうがないよ、美少年すぎるから!

男と女が恋敵になる三角関係ってのが面白いよね。
男女で1人のイケメン争奪戦
相手を牽制しつつ、出方を伺い、ニコラくんを自分のものにしようとする、
二人の複雑な感情がね~!くー!

あと、ドラン監督のセンスが素晴らしい件。
カラフルでポップで、ちょっとレトロで、登場人物の洋服や髪型、
部屋のインテリアや小物、様々なシーンでの映像美が目に飛び込んできます。
あと、音楽も素晴らしい。

若い才能、ここにありーってかんじ!


マイ・マザー

2016-03-11 | 映画
ケベックにある、何の変哲もない町に暮らす17歳の少年ユベール(グザヴィエ・ドラン)。
ほかの若者たちと変わらない普通の青春を過ごす彼だったが、二人暮らしを送っている
母親との関係に悩んでいた。
センスのないセーターや、度重なる小言など、彼女の全てが気に障り、その愛憎が
入り混じった感情に振り回されていく。
そんな中、ユベールは幼少時代からなじみのある風景で、セント・ローレンス川沿いの
土手に座っている母親を見つけたのを機に、ある決意を固める。
(Yahoo!映画あらすじ)

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いくつか溜めてたので、久しぶりに映画感想も

さて。
何ていうんでしょうか、この瑞々しさ
繊細な少年の揺れ動く心、複雑な感情をこうも見事に描ききるとは!
母親との2人暮らしの、多感で難しい年齢の少年。
お互い愛し合いながらも、いらだち、憎しみ、罵り合い…

グザヴィエ・ドランって何者?監督・脚本・主演、すごいね。
この映画を撮った時ってまだ20歳そこそこでしょ?
才能ってコワイわぁ~。
自身もゲイであることを公表しているようですが、その同性愛の表現も自然だし
この映画自体、作ったというより、ただそのまま全てを表現したというだけ
なのでしょうか。
本当に素晴らしかったです。

月の裏側/恩田陸

2016-03-11 | 読書
九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。
消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、
不思議なことに、じきにひょっこ り戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。
まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?
事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは“人間もどき”の存在に気づく…。
(「BOOK」データベースより)

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相変わらず陸さんは怖いの書くね
やっぱり好き嫌いは分かれるだろうなぁ。

得体の知れない「あちら側の何か」に街の人達が次々とさらわれちゃうの。
これってホラーなのか、日本土着の物の怪ストーリーなのか…。
まだ宇宙人とかの方が分かりやすくて納得感もあるよね。

気持ち悪いし、読後感もイマイチだけど、この世界観は嫌いではなかったかな。
水路が張り巡らされた小さな街で(てか、設定は完全に福岡県の柳川でしょ
ジメジメと暗く、目に見えない何かに怯えながら、その「何か」を探る日々。

「この世には説明できないこと、説明しなくてもいいことがあるんじゃないかな」

…う、うん、まぁ、そうかもね

手つなぎ鬼とか、ゾンビに噛みつかれたらゾンビになる、とか、
とにかく最後の一人になるまで逃げて、逃げて、そして最後は…
って感じなんだけど、ストーリーとして最後、引き伸ばしすぎた感が。
もっと前でバッサリ切って、この世界はどうなっていくんだろう…
と余韻をもたせて終われば、まだスッキリしたと思うけどね。
読者に丸投げするのも、モノによってはひとつの手法かと思います。

ハハハ、出すぎた意見でした!


⭐︎⭐︎

すべてがFになる/森博嗣

2016-03-11 | 読書
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る
天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスを
まとい両手両足を切断された死体が現れた。
偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、
この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
(「BOOK」データベースより)

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うーーーーーーーーーーーーーーん。
私、ダメでした

文章も体質に合わないし、ストーリーも冗長にすぎるし、
トリックのネタばらしも、えーー、そんなぁ!な感じだし

TVドラマで少し前にやってた本作は、この作品のドラマ化ではなく、
きっと真賀田博士シリーズのような、他の作品を集めたものなのかな。

でも、森博嗣は面白いという人も多いので、他の作品ももう少し読んで
みようとは思いますが、これは、はい終了!


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