ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

チョコレートドーナツ

2016-05-27 | 映画
1979年カリフォルニア、歌手を目指しているショーダンサーの
ルディ(アラン・カミング)と弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)は
ゲイカップル。
母親に見捨てられたダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)と出会った
二人は彼を保護し、一緒に暮らすうちに家族のような愛情が芽生えていく。
しかし、ルディとポールがゲイカップルだということで法律と世間の偏見に阻まれ
マルコと引き離されてしまう。
(Yahoo!映画あらすじより)

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これはいけん
たやすく薄っぺらい感想なんか書けないよ。。。

とても悲しい話です。
悲しいという意味は、権力や欲や嫉妬やなんかの黒いものに捕らわれて
人としての優しい心を持てない可哀想な人達への悲しみです。

難しいことではあるけど、規律にしばられず自分の頭で人間らしい判断が
できる大人になりたい。
人間らしいとは何か、というのがまた難しいんだけどね。

やるせない感じが残るんですが、きっと見るべき映画だと思います。

ルディ役のアラン・カミングという俳優さんが素晴らしくキュートで
役柄にも彼の笑顔にもすっかり心酔しますよ


わたしはロランス

2016-05-27 | 映画
女性になりたいと思い続けた主人公が偏見に遭いながらも願望をかなえ、
恋人である女性と過ごす葛藤と愛の日々を描く人間ドラマ。
カナダのモントリオールで国語の教師をしているロランス(メルヴィル・プポー)は
ある日、恋人のフレッド(スザンヌ・クレマン)に対して女性になりたいと打ち明ける。
ロランスの告白にフレッドは激高するも、一番の理解者になることを決める。
迷いや戸惑い、周囲の反対を乗り越えて、社会の偏見に遭いながらも二人の人生を
歩もうとする。
(Yahoo!映画あらすじより)

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最近、気に入って、グザビエ・ドラン監督のを見続けています。
これも良かったけど…ちょっと長かったなぁ

そちらの世界のことに全く知識がないのですが…
ゲイと一口に言っても、自分が女性でありたい場合、恋愛対象は男性なのか
女性なのか(はたまた両方?)
外見としては女装でいいのか、手術までして完全に女性の体になりきるのか。
そこにはこだわらず、男性の姿形のままでも、愛する相手が男性なのか。
見た目、男性同士のカップルもいるし…難しいのね
・・・っていう映画です!(爆

どうであれ、私はとにかくロランスなんです。
原題は「Laurence Anyways」
シンプルにそういう事を描きたかったのかな。

でも、確かに自分の彼氏がいきなり今日から女になります、って化粧して
スカート履いて会社に行き始めたら、かなりパニックになるよね~
彼自身を愛していれば、外見は関係ないと思いたいけど、そうはいかないのが
世の中の眼。
10年にわたる二人の感情を追い続けた、力作!

映像は相変わらず美しく、印象に残るシーンもたくさん。
特に本作では、色んなものが降ります。
雪や雨は当たり前だけど、空からカラフルな洋服が降ってきたり
リビングのソファに座ってると滝が降ってきたり。。
他の作品でも、そういうのあったかも。何かのメタファーだろうけど(笑
面白いよね

はじまりのうた

2016-05-20 | 映画
ミュージシャンの恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と共作した曲が
映画の主題歌に採用されたのを機に、彼とニューヨークで暮らすことにした
グレタ(キーラ・ナイトレイ)。
瞬く間にデイヴはスターとなり、二人の関係の歯車に狂いが生じ始め、
さらにデイヴの浮気が発覚。
部屋を飛び出したグレタは旧友の売れないミュージシャンの家に居候し、
彼の勧めでこぢんまりとしたバーで歌うことに。
歌い終わると、音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)に
アルバムを作ろうと持ち掛けられるが……。
(Yahoo!映画あらすじより)

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家族も仕事も失ったダンと、恋人に裏切られた失意のグレタ。

夢を追いかけるような若い情熱ではなく、深い愛の物語。
家族の愛、友人の愛、大好きな音楽への愛情。
あー、本当に音楽って素晴らしい
とにかくキーラ・ナイトレイが、超かわいい!
初々しく澄んだ歌声がキュンとしちゃう

「ONCEダブリンの街角で」も大好きだったけど、本作もとっても暖かい
映画でした。カーニー監督、ありがとう!
No Music、No Life!

本当に素敵な映画です。

クラッシュ

2016-05-20 | 映画
クリスマス間近のロサンゼルス。
黒人刑事のグラハム(ドン・チードル)は、相棒であり恋人でもある
スペイン系のリア(ジェニファー・エスポジト)と追突事故に巻き込まれる。
彼は偶然事故現場近くで発見された黒人男性の死体に引き付けられる……。
(Yahoo!映画あらすじより)

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人種や階級による偏見、差別というのは、日本ではちょっと肌に馴染まない
感覚もあるけど、素直に良い映画だったな・・・

寂しくて苦しくて出口がなくてどうしようもなくて
でも見終わると心がほっとするような、なんて表現していいか
分からない不思議な感覚の映画だったな。

人を憎むことと愛すること、傷つけることと救うことは
これほど紙一重なのかと。

人間って本当に複雑な感情の生き物。
ある一面だけで判断できないし、もっと深く人を受け入れないと
ダメだな。

それにしても、久しぶりにマット・ディロン見たよ。
複雑な役所でしたが、よかったです。
昔はカッコよくてねー、80年代の全盛期の作品は好きだったな~

ソファ増殖中

2016-05-13 | 
まだまだ続くよ、ソファネタ

どどーーーーん!
あれれ?


1つのソファをめぐり犬同士の争い、人間と犬の争いが続き、とうとう根負けしてもう1つ購入。
なのにやっぱり犬に取られる!!



・・・君達、CM来るよ。うん

太陽は動かない/吉田修一

2016-05-10 | 読書
新油田開発利権争いの渦中で起きた射殺事件。
AN通信の鷹野一彦は、部下の田岡と共に、その背後関係を探っていた。
商売敵のデイビッド・キムと、謎の美女 AYAKOが暗躍し、ウイグルの
反政府組織による爆破計画の噂もあるなか、田岡が何者かに拉致された…。
いったい何が起きているのか。陰で糸引く黒幕の正体は?
それぞれの思惑が水面下で絡み合う、目に見えない攻防戦。
謀略、誘惑、疑念、野心、裏切り、そして迫るタイムリミット―。
(「BOOK」データベースより)

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最近はあんまり吉田さん読んでなかったけど、こういうのも担当するの?
背後関係が複雑すぎて、なかなかストーリーにのめり込めなかった。
ようやく後半こなれてきて面白くはありましたが。(言い方!
この読後の達成感は、本の内容ではなく、最後まで読み通した自分、
よく頑張った!ということでしょう…

いわゆるスパイ映画そのものですよね。
鷹野一彦は、ぜひ佐藤浩市さまにお願いしたいけど、今は「64-ロクヨン-」の
プロモーションでお忙しいということでしたら、堤真一さんあたりで
手を打ちましょうか。

スパイものが苦手なワケではないけど、扱う題材が天然資源ってところが
読みにくさに拍車をかけてて、誰が敵で誰が味方か、しばしば迷子になりました。
そもそも諜報機関については、MI6のバンコランくらいしか知らないし…
わたちには、ちと難易度が高かったかな。


⭐︎⭐︎

三面記事小説/角田光代

2016-05-10 | 読書
私は殺人を依頼しました。恋人の妻を殺してほしいと頼みました。
誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。
現実がうみおとした六つの日常のまぼろし。
(「BOOK」データベースより)

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実際に起こった事件に発想を得て、角ちゃん味に仕上げた6つの短編。

姉夫婦の家が不気味な要塞のようになってしまった「愛の巣」
冷めていく恋人を繋ぎとめようとお金を払い続ける「ゆうべの花火」
家出少年を軟禁する主婦の異常な執着心「彼方の城」
死んでしまえ、と担任の給食に薬物を混ぜる女子高生「永遠の花園」
明るく人気者の妹への嫉妬心に囚われる姉「赤い筆箱」
介護に疲れ果てた息子が母との思い出の地でたどり着く境地「光の川」

黒角田です
心が苦しくなります。
世の中には実際にこういう人たちがいるんだろうね。
だから事件も起きる。
ただ、きっとそういう環境になれば、自分だって平穏な日常の向こう側に
落ちてしまわないとも限らない。
誰にでも起こりうる介護の問題や、誰かに対して持ち得る嫉妬心や
そういった人間の弱い部分に広がる闇はあっという間に大きくなって
いくものなんです。

何かが崩れるその瞬間を切り取る手腕は、さすが角ちゃん。
素晴らしい


⭐︎