ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

ナオミとカナコ/奥田英朗

2015-08-05 | 読書
ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の“共犯者”になる。
望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。
夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。
三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追いつめられた二人が下した
究極の選択…。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」
復讐か、サバイバルか、自己実現か―。
前代未聞の殺人劇が、今、動き始める。比類なき“奥田ワールド”全開!
(「BOOK」データベースより)

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いや~、疲れた
読書でここまで手に汗握り、ハラハラドキドキするの、久しぶり…
なかなか無いよ、こういうの。
続きがどうなるか気になって、全く本が閉じられない!
とにかく面白かった奥田さん、これは新境地じゃない?

前半の[ナオミの章]では、引っ込み思案でおとなしく、人の言いなりに
しか生きてこなかったようなカナコが、後半の[カナコの章]では
逆に主導権を握るようになってくる。
自由を得たことによってカナコがどんどん人間として強くなっていく
過程が丁寧に描かれていて、そこがすごく興味深い。

DVという、どうしても眼を背けたくなる暗澹たるテーマだけど、
それ自体を悪者として、”悪と戦うヒーロー”のような2人の設定を軸に
ストーリーが展開していくところが、さすが奥田さん!
そして終わり方も素晴らしい!

これはミステリーでもサスペンスでもなく、かといって「DVとは」
のような社会派小説でもなく、友情と自由の物語だ


文句なく満点!


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