ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

最後の息子/吉田修一

2019-08-21 | 読書
新宿でオカマの「閻魔(えんま)ちゃん」と同棲する「ぼく」。
友だちのオカマがホモ狩りにあって殺された事件を契機に、
気楽なモラトリアム生活がうまくいかなくなってしまう。
家族との関係、元彼女との再会、閻魔ちゃんとの生活……
自分がどうしたいのかわからないまま、ビデオ日記を見返してゆく。
そこに映っていたものは?
文學界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちの
夏の一瞬を爽やかに描いた「Water」、「破片」を収録。

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「おっさんずラブ」や「きのう何食べた?」にハマってからというもの、
BLを暖かい眼差しで見られることから、本作も何だかとてもグッときました。
良かったです

特に「Water」は瑞々しすぎる青春小説で、特に良かったなぁ
歳のせいなのか、以前にも増して青春モノに弱い気がする今日この頃。
眩しいす。眩しすぎる。若いって素晴らしい

「破片」はちょっと独特な雰囲気の短編でした。
早くに妻を亡くし男手一つで息子2人を育てた長崎の田舎の
酒屋のオヤジと、屈折したその息子たち。
ほんの心のかすり傷からでも膿んで大きな病になっていくのか。。
男だけの殺風景なやり取りの中、それでも親子としてのか細い絆のような
ものがあるのか。
他の2作とは違う、少し重めのストーリーでしたが、吉田修一らしくもあったかな。


☆☆

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