ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

イヤよイヤよも好きのうち

2017-02-22 | 
仲は良くないけど、なんだかんだで、くっついている2ぴき。
季節柄、そうさせるのかしら(笑


たまにパパがゆっくりしていると、飛んでいってお膝の争奪戦。


ぷぷぷ

【文庫X】殺人犯はそこにいる/清水潔

2017-02-21 | 読書
栃木県足利市、群馬県太田市という隣接する2市で、4歳から8歳の5人の少女が
誘拐または殺害されているという重大事件。
その中の一つが、あの「足利事件」である。
一連の事件を同一犯による連続事件だと喝破した著者は、「足利事件」冤罪の
可能性を報じて菅家さんを釈放へ導くとともに、徹底した取材によって、
ついに「真犯人」を炙り出した―!
(「BOOK」データベースより)

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文庫X(エックス)
少し前ですが、話題になりましたよね。
遅ればせながら、読んでみました。
普段はほぼ100%、小説しか読まないので、ジャーナリストのノンフィクション
ってのはどうかな…と思いつつ、内容の凄さに一気読みしてしまいました。

とにかく背筋の凍る話です…
いや、話じゃなくて、事実だから、余計に震える。
北朝鮮ひどいとか言ってる場合じゃなくて、日本だって同じ様なもの
なんじゃないかな。
何が人をそうさせるのだろう。心底考えてしまう。

国家は何を守る為に、一人の人生をこうも狂わせてしまうのだろうか。

大きくニュースにも取り上げられたから、誰でも知っている菅家さんの冤罪事件。
私たちは、普段こういうニュースを見ても、
「無実なのに何十年も刑務所に入れられたなんて、何て気の毒な」と思うだけで。
他人事として、そのニュースを聞いた時だけ心痛める瞬間はあるけど、
振り返って別のことをすると、もうそんな事は忘れている。

でもこの本を読むと、とても他人事なんて思えない。
普通に生活していても、ある日突然、自分が、家族が、何かの事件に巻き込まれて
そして罪をかぶせられてしまうかもしれない。

私たちはもっと慎重に生きていかなければいけない。

そして何よりも、この作者である清水さんの報道記者魂に感服。
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「一番小さな声を聞け」
それは、私の第一の取材ルールであり「縛り」とすら言えるものだ。
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権力がある大きな声は、何もしなくたって聞こえてくる。
弱者の声を拾ってこその報道だと言い切る、清水さんみたいな本物の記者は
稀だよね。
どんな世の中にも素晴らしい人っているんだな。
お名前の通り、潔い人!

どうして事件の報道などするのか。
それはただ一つ、再び同様の事件を起こさせないため。
被害者遺族のコメントなど求めるのではなく、事件の真実だけを追い
再発防止のためにそれを伝える。

本当に多くの人にこの本が読まれることを希望します!



格闘する者に○/三浦しをん

2017-02-03 | 読書
これからどうやって生きていこう?
マイペースに過ごす女子大生可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。
漫画大好き→漫画雑誌の編集者になれたら…。
いざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。
連戦連敗、いまだ内定ゼロ。
呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。
格闘する青春の日々を妄想力全開で描く、才気あふれる小説デビュー作。
(「BOOK」データベースより)

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なるほどー!しをんさんのデビュー作なんだぁ!
うん、チャーミングな作品でしたよ

エッセイで垣間見られる、しをんさんのお人柄っていうか
彼女らしさが色濃く出てました。
今となっては様々なテイストの小説を書くけど、初期の作品は
こういう感じのものが多い気がする。
しをんさんらしくて、個人的には好きです。

就職活動ってそういえば大変だったね。
マニュアル嫌い、人と同じことするの嫌いなので、型にはまった受け答えを
するのが苦痛だったかも。
昔すぎて忘れちゃったけどねー

若くて未来の希望に溢れていて、泣いて笑って喧嘩して〜♪ってね、
青春ですよ、青春小説!
70歳のおじいちゃんとマジ恋愛で付き合えるって可南子ちゃんには
好感持てましたし

デビュー作と聞けば、デビュー作らしい、素敵な小説でした。

⭐︎


女たちは二度遊ぶ/吉田修一

2017-02-03 | 読書
電車で遭遇した目を見張るように美しい女。
電話ボックスで見かけた甘い香りを残した女。
職場で一緒に働く世間に馴染めない女。
友人の紹介でなんとなく付き合った怠惰な女。
嬉しくても悲しくてもよく泣く女。
居酒屋から連れ帰った泥酔する女。
バイト先で知り合った芸能界志望の女。
そして、中学の時に初めて淡い恋心を抱いた女…。
人生の中で繰り返す、出会いと別れ。
ときに苦く、哀しい現代の男女をリアルに描く短編集。
(「BOOK」データベースより)

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へぇ〜
これって、結構なキャストで映画化されてたんだ!
しかも行定監督!!

「愛されるより、忘れられない女になる」がテーマね。
うーーん。なるほど。
でも私は、忘れられないより、愛された方がいいかな〜

それにしても、吉田さんもバリエーション豊かだね。
ミステリー、サスペンスから、ハードボイルドから、こういう
甘く切ない短編まで。

短編なうえに後が気になるようなプツっと切れた感じ。
なんとも読後感がビミョーな作品でした。
そうね、男女の出会いなんて、実際はこんな感じなのかも。
リアルといえばリアル。

これは映画でみた方が面白いかもね


⭐︎⭐︎