栃木県足利市、群馬県太田市という隣接する2市で、4歳から8歳の5人の少女が
誘拐または殺害されているという重大事件。
その中の一つが、あの「足利事件」である。
一連の事件を同一犯による連続事件だと喝破した著者は、「足利事件」冤罪の
可能性を報じて菅家さんを釈放へ導くとともに、徹底した取材によって、
ついに「真犯人」を炙り出した―!
(「BOOK」データベースより)
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文庫X(エックス)
少し前ですが、話題になりましたよね。
遅ればせながら、読んでみました。
普段はほぼ100%、小説しか読まないので、ジャーナリストのノンフィクション
ってのはどうかな…と思いつつ、内容の凄さに一気読みしてしまいました。
とにかく背筋の凍る話です…
いや、話じゃなくて、事実だから、余計に震える。
北朝鮮ひどいとか言ってる場合じゃなくて、日本だって同じ様なもの
なんじゃないかな。
何が人をそうさせるのだろう。心底考えてしまう。
国家は何を守る為に、一人の人生をこうも狂わせてしまうのだろうか。
大きくニュースにも取り上げられたから、誰でも知っている菅家さんの冤罪事件。
私たちは、普段こういうニュースを見ても、
「無実なのに何十年も刑務所に入れられたなんて、何て気の毒な」と思うだけで。
他人事として、そのニュースを聞いた時だけ心痛める瞬間はあるけど、
振り返って別のことをすると、もうそんな事は忘れている。
でもこの本を読むと、とても他人事なんて思えない。
普通に生活していても、ある日突然、自分が、家族が、何かの事件に巻き込まれて
そして罪をかぶせられてしまうかもしれない。
私たちはもっと慎重に生きていかなければいけない。
そして何よりも、この作者である清水さんの報道記者魂に感服。
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「一番小さな声を聞け」
それは、私の第一の取材ルールであり「縛り」とすら言えるものだ。
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権力がある大きな声は、何もしなくたって聞こえてくる。
弱者の声を拾ってこその報道だと言い切る、清水さんみたいな本物の記者は
稀だよね。
どんな世の中にも素晴らしい人っているんだな。
お名前の通り、潔い人!
どうして事件の報道などするのか。
それはただ一つ、再び同様の事件を起こさせないため。
被害者遺族のコメントなど求めるのではなく、事件の真実だけを追い
再発防止のためにそれを伝える。
本当に多くの人にこの本が読まれることを希望します!