ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

パレード/吉田修一

2010-02-28 | 読書
こわい小説だ。
~中略~
それはミステリーのトリックとはちょっと違うものだ。
それよりももっと身近な、たとえば、わたしたちの現実の人生に実際に
仕掛けられているような、あのこわいこと、このこわいこと、と言いかえても
いいかもしれない。
(文庫解説:川上弘美 より抜粋)


都内の2LDKに暮らす男女4人の若者達の日常。
映画化で今、話題になっているので、軽い気持ちで読み始めたんだけど。
そして、最終章に差し掛かるまでは何ということもない小説だなぁ~なんて
思って、ふんふん、と読んでいたけど。

ほんっと。
最終章でぶっとびました
背筋がゾっとするとは、まさにこのこと。
しかも、上記解説のとおり、身近に起こり得るようなゾッとする感です。

ふぅ~、やるな、吉田修一。
あんまりビックリしたんで、それを踏まえて、もう一回読み直してみようかな・・・

あれ、これ、それ、どれ?

2010-02-21 | 日記
最近、すごい勢いで記憶容量が小さくなってきている。

とある日の朝。

オット「この紅茶、どしたん?」
アタシ「いつものお店でアレがなかったけ」
オット「売り切れ?他の味はあったと?」
アタシ「そうなんよ。アレだけ無かった。アレ・・・何ちゅーんやったっけ?」
オット「えっと・・・(沈黙)」
アタシ「・・・」

アタシはトイレへ
ダンナは歯磨きへ





・・・20分後

アタシ「アールグレイ!!!!」
ダンナ「おぉーーーーー

私達、このままで大丈夫だろうか

西の魔女が死んだ

2010-02-21 | 映画
登校拒否となった中学生のまいは、田舎に住む、西の魔女と呼ばれるイギリス人の
祖母のもとで一夏を過ごす。
ゆっくりと時間が流れる森の中で日々を過ごすことで、まいは、おばあちゃんから
魔女の手ほどきを受け、何でも自分で決めるということを教わる。
傷ついた少女の魂が、祖母とのふれあいを通して、幸せに生きていくことの意味を
学んでいく物語。

祖母役を演じる、サチ・パーカーが何とも不思議な雰囲気を醸し出し、魅力的
優しく正しく強く、深い愛情をもって、まいを見守るカンジがすごく良かった。
日本の森の中なんだけど、イングリッシュガーデンを髣髴とさせる映像はとても美しく
なんていうことないストーリーなんだけど、心温まる物語でした。

キム兄がね、よかったよ、最後。ホロリとさせたね

バトル・ロワイアル/高見広春

2010-02-15 | 読書
深作欣二監督、ビートたけし主演で映画が話題になり、内容はわりと広く知られる、
とある中学校の1クラスが、クラスごと島に拉致され、最後の1人になるまで殺しあう、
というホラーというか、バイオレンスものです。
いくら映画とは言え、こういう殺人ゲーム的なものに嫌悪を感じてしまう私にとっては
当時は全く興味もなく、すっかり忘れ去っていた本作。

ところが、最近読んだとある書評で、
・横山秀夫の『半落ち』
・小川洋子の『博士の愛した数式』
・リリー・フランキーの『東京タワー』
と並ぶ近代文学の傑作、と言うじゃありませんか
え、え、そうなの
いずれ劣らぬ大・大・大好きな作品ばかりじゃないですか!それと並ぶの?
私、すごい食わず嫌いだったってこと?と、慌てて購入。

1322枚の大作
うっ、読みごたえありました・・・


・・・で、感想。

まぁ、確かに、これは賛否両論あるでしょうねーーー
ストーリーはまさに、そのまま。
中学生の殺人ゲームです。
あまりの内容の過激さ、残酷さ、悪趣味さから、ある側面から言うと、とても傑作とは
言いがたいんだけど、
クラス42人の生徒達一人一人の心理をしっかりと書き込み、完全に感情移入させる
筆致の強さ、人間が”死”を目前にして極限に置かれた時のすさまじい感情の現れ方、
確かに一気に読ませます。
涙する場面すら、あります。面白いです。
ストーリーとしてはバイオレンス・ミステリーとでも言うべきものだけど、
と同時に、完全に・丁寧に人間を描いた物語です。
(本書の後書きによると)『青春小説の金字塔』・・・なのかもね。

ラストの勢いはすごく、どうしても途中でやめられず、気がつけば朝の4時でした
平日やっちゅーの

意味もなく・・・

2010-02-12 | 
久しぶりに、ワンコを記事に載せてみる。
我が家の一員になって、はや五ヶ月。
だいぶ、可愛く思えてきました(↓お見合い写真か

かわいぃーーーーー



・・・と、思うのも束の間、やはり中身は相変わらずのオテンバ娘で
声を荒げて怒ると↓この顔。
だいぶ、悪い事は悪いと分かってきた様子です。

ルパンの消息/横山秀夫

2010-02-12 | 読書
横山秀夫のデビュー作ってことですが、さすが、さすが
警察小説のしっかりした土台、伏線の張り方、最後まで飽きさせない話の引っ張り方、
どれをとっても、なかなかどうして、デビュー作とは思えない重厚さです。

15年前に起きた高校女性教師自殺事件が、実は殺人であるとのタレコミがあった。
しかし、時効まで24時間。
容疑者は、当時「ルパン作戦」なる期末テストを奪う作戦を計画した不良仲間3人だったが・・・

とにかく、最後の最後まで飽きさせないネタのバラ撒き方。
いいですね~!
こういうの読むと、ミステリに喜びを感じます

トウキョウソナタ

2010-02-11 | 映画
突然会社をリストラされた夫(香川照之)は、妻(小泉今日子)や子供に言い出せず
出勤するフリをして毎日ハローワークに通い、公園でホームレスの食事配給に並ぶ。

長男は世界平和のためにアメリカの軍隊に入りたいと言い、次男は近所のピアノ教室に
通いたいと言い出すが、父親の権威を振りかざし、断固反対する。

一見、どこにでもある普通の家庭。
しかし、それぞれが満たされない思いを抱え、ゆっくりと崩れ始める風景は、日本映画に
ありがちだけど・・・
この、暗い感じ、嫌いじゃないのよね

何といっても、今、私の中で演技力ダントツNO1の香川さんですからね。
リストラ中年男も、見事なもんでした

ラストが良い
隠れて通い始めたピアノ教室で、稀有な才能の持ち主だと言われ、音大付属中学を
受験することになった次男。
ドビュッシーの月の光は、吹き替えとは分かっていても、見事な演奏でした
父親のリストラ、母親の失踪、子供の家出‥‥家族の陰影がそこに託されていて
印象に残るラスト・シーンでした。

人混みの値段

2010-02-03 | 日記
大都会東京(←この言い方が田舎者の証)に住んでいると否応なくすごい人混みに翻弄される

通勤電車はもちろん、休日の公園だってあまりの人の多さに座る場所を探すのも一苦労。
のんびりしようと出かけても、疲れて帰るなんてバカバカしい。

で、そんな日々、人混みを避けるためにわりとお金がかかっていることに、今更ながら
ふと気付いた。

この電車に乗った方が安い(あるいは早く目的地に着く)んだけど、激混みの路線だから
ちょっとプラスα運賃かけてでも(そして若干、遠回りでも)人の空いている電車で行こう、
とか
こんなに人で押しつぶされるくらいだったら、バーゲンじゃなくて定価で買っていいや、
とか
渋谷とか新宿には近寄りたくないから、友達とゴハンの場所決めるとき、少々値が張るけど
銀座とか大手町にしよっか
とか・・・

細々と金額が積み重なる・・・気がする。

やっぱり都会に住むって大変
おじぃさーん、アルムの山に帰りたーーーい!