ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

沖で待つ/絲山 秋子

2011-01-29 | 読書
仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。
そう思っていた同期の太っちゃんが死んだ。
約束を果たすため、私は太っちゃんの部屋にしのびこむ。
仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く芥川賞受賞作の表題作と
「勤労感謝の日」「みなみのしまのぶんたろう」の3つの短編。

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引き続き、絲山さんで。
そして、引き続き、良い!です

「沖で待つ」は、殆ど作者の実体験を元にした、フィクションということ。
自分の地元福岡の感じが良く分かるだけに感情移入もできたし、
新入社員の時との同期の友情の”カンジ”を懐かしく思い返しました。
そして奇想天外なストーリーの持っていきかたで、惹き付けられます。

基本、デブは嫌いですが(笑)太っちゃんなら好感もてそう。
イメージは、ドランクドラゴンの塚っちゃんで

いや~、いいです。
もっと絲山道、進んでみたいです。

海の仙人/絲山 秋子

2011-01-23 | 読書
宝くじに当たった河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。
何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様
ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。
孤独な殻にこもる河野には、2人の女性が想いを寄せていた・・・
~文庫裏書より

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初・絲山。
良かったです
中篇程度の短い小説だったけど、どっぷりと物語の
世界観に浸れた。

ファンタジー、が特に、良い。
物語全体を流れる、孤独で静かな空気感が、良い。

誰もが孤独なのだ。
結婚していようが、子供がいようが、孫がいようが、孤独はずっと
付きまとう。
しかし、何かの集団、会社にしても宗教にしても政党にしても
NGOにしても、属していたら、安易な帰属感は得られる。

・・・大きく肯いたー。

なかなか、良い滑り出し。
これからもっと、この作家を読み進めてみようっと

崖の上のポニョ

2011-01-16 | 映画
すみません、今更で・・・

で。
やっぱり、すみません、何だかよく分かりませんでした・・・

ひたすらポニョが可愛くて私的にはツボなのですが、
映画としてのストーリー性は、どうなんでしょうね。

公開当時、酷評も多かったですが、確かに子供向けにしては奇怪だし
大人向けにしては未完成すぎる気がしました。

ジブリ作品は大好きなのですが。

うん、うん、うん。
これ以上、何とも

KAYAジャム

2011-01-16 | 日記
シンガポール旅行のお土産にいただいた、KAYAジャム。

知らなかったけど、ココナッツミルクや卵にシロップを加えて作られる
ペースト状の甘いジャム。
ちょっと不思議な食感。これだけではちょっと甘すぎるので、
トーストに塗ってからとろけるチーズをのせて焼くと
甘しょっぱくなり、美味です

朝は、ちょっと甘いものが胃に入ると元気に一日過ごせる
気がしますよね!

間違いなく時は進んでいます

2011-01-15 | 日記
今日からセンター試験で、全国各地は大荒れ、雪の中会場に向かう
受験生達の映像がニュースで流れていますが・・・
まぁ、寒いのは寒いけど、東京だけは何だか穏やかですね。


午前中のうちは陽も射してました。
寒い中でも自然はしっかりと春への力を蓄えています。


そうこうしてると、すぐに桜の季節・・・ってなことになるんだろうね。
まだ年も明けたばかりだと言うのに

さよなら、愛しい人/レイモンド・チャンドラー(村上春樹訳)

2011-01-14 | 読書
レイモンド・チャンドラーの村上春樹訳、第2弾。
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刑務所から出所したばかりの大男、ムース・マロイは、8年前に
別れた恋人ヴェルマを探しに黒人街の酒場にやってきた。
しかし、そこで激情に駆られ殺人を犯してしまう。
偶然、現場に居合わせた私立探偵フィリップ・マーロウは、
行方をくらましたマロイと女を探して紫煙たちこめる夜の酒場を
さまよう。狂おしいほど一途な愛を待ち受ける哀しい結末とは?
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やはり、春樹さん訳の妙が充分に味わえる作品でした
訳者あとがきでも春樹さんが言ってる。

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すらすらと読んでいるぶんには「なんとなく気分的にはわかる」のだが
細部をできるだけ正確に日本語に置き換えようとすると、だんだん頭が
こんがらがってきて
~中略~
「ああでもない、こうでもない」と時間をかけていじくりまわすのが
翻訳の醍醐味のひとつなのかもしれない。
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だから、春樹さんのテイストが強くなってくるのか~!
ふむふむ。

フィリップ・マーロウの洒落た台詞はシビレるね。
ミステリなので、詳しいこと書くとネタバレっぽくなるので
やめますが、ミステリ色よりも深く哀しいストーリーが
ぐっと心に残りました。
良かったです。

ペンギンコレクション

2011-01-11 | 日記
ペンギン好き歴が長いと、周りの人々にも広く知られ、
お土産やプレゼントに、ペンギングッズをいただくことも多い

なので、自分で買う方が少なくなるのですが、この子達は
久しぶりに自分で買った新人です。

ドボガン滑り(腹ばいで雪上を滑る形)の置物は、わりと珍しいし
何より顔が真剣なのが気に入りました。

家、ペンギンだらけやなぁ~

記憶力を保つ。

2011-01-09 | 日記
今年の抱負。
色々なことを覚えておく。

大して変化の無い毎日、昨日と今日の違いなんてどこにも見つけられない。
でも、こんなことじゃいけないんだ!
どんどん脳が退化していく。
同じような毎日でも、少なからず何か事件は起こっているはず(←大袈裟

ということで、iPod-touchにこのアプリを入れ、毎日一言でいいから、
何かその日の記憶を留めることにした。

さっそく元旦から、実行

・「今年の箱根駅伝は早稲田が総合優勝!」
・「ワンコが吐いた。ちょっと心配。」
・「××さんが異動になり、業務分担が一部変更。」

・・・等々。
ふむふむ。やはり今日は昨日とは違う一日なのだ。
きちんと記憶を留め、日々丁寧に生きていこう。

そして一週間目。
・「何も無い一日もある」

・・・ま、気長に

海/小川洋子

2011-01-09 | 映画
静謐で妖しくちょっと奇妙な短編7編。
「今は失われてしまった何か」をずっと見続ける小川洋子の真髄。
~文庫裏書きより~

作者らしい心温まるストーリー集でした!
現実と架空のふわふわとした絶妙な世界を捉えた空気感が良かった。
さすがです。

個人的には「ひよこトラック」が傑作
最後、縁日用のカラーひよこを荷台いっぱいに載せたトラックが
横転して、視界いっぱいに広がる光景が、リアリティ溢れて
言葉を失った少女と、孤独な初老のホテルドアマンとの
見えない心の交流に静かな感動を覚えました

小さな街で、女出ひとつで息子を育てる観光ガイドの母親の話も
良かったな。
「詩など必要としない人は大勢いるが、思い出を持たない人間はいない」
一人ツアーに参加した、詩人から題名屋に職業を変えたという老人が
これまた良い味
第一、題名屋って!発想がスゴイよね。