ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

今年もブラジル人と踊っちゃいました

2015-02-25 | 日記
今年の東京マラソン本番はイマイチなお天気でしたが
前日のフレンドシップランは昨年に引き続き、快晴!

今回も近畿日本ツーリストさんより演奏依頼があり、
曲数も増やし、楽しく盛り上げてまいりました~!

ブラジル人の底抜けの明るさったら!
あの腰の動きは生まれ持ったもんだろうか…

今回はちょこっとだけ動画も(笑


サウス・バウンド/奥田英朗

2015-02-23 | 読書
小学校六年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。
誰が聞いても「変わってる」と言う。父が会社員だったことはない。
物心ついたときからたいてい家にいる。
父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、
ほかの家はそうではないらしいことを知った。
父はどうやら国が嫌いらしい。むかし、過激派とかいうのをやっていて、
税金なんか払わない、無理して学校に行く必要などないとかよく言っている。
家族でどこかの南の島に移住する計画を立てているようなのだが…。
型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、長編大傑作。
(「BOOK」データベースより)

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うん、よい!
読後感のすがすがしさったら!!

とにかく型破りなとーちゃん。
本当にこんな人がいたら、ちょっと引くとは思うけど
でも、誰にも媚びず、自分の信念を貫き、自由に生きるなんて
理想じゃない?カッコイイの!
ちょっと極端ではあるし、人とはかなり違うけど、
子供達が大人になった時、それを誇れる瞬間がやってくる。

大人がカッコよけりゃ、子供はグレたりしない、
という伊坂大先生の名言のとおり(笑

一郎が求めていたのは、楽園。
ただそれだけ。
家族を愛し、人生を心から慈しむ。

誰もが望むことだけど、普通に社会で適応していては、やれない。
そこがこの小説の醍醐味ね。
スカーっとするよ!

前編は小学生の二郎の日常がメインストーリー。
普通に誰にでも起きる、小学生の時の懐かしくてちょっと切なくて
甘く温かい日々。
そして後編は、突然一家で西表島へ移住することになり、
毎日が大騒動の島での生活。
長編大作だけど、テンポがよく、前半と後半でかなりテイストも
変わるので一気に読めましたよ。



冷血/トルーマン・カポーティ

2015-02-19 | 読書
カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。
被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。
このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして
綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。
捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル。
様々な物議をかもした、衝撃のノンフィクション・ノヴェル。
(「BOOK」データベースより)

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ようやく読みました。・・・読めました。
ずっと昔に買って、何度か読み始めては、挫折していた本作。
気持ちが乗らないと、この大作はキツイ。
そして、実際、つらかった

以前に観た映画「カポーティ」のことを、薄らぼんやりと思い出して
みても(なんせ、5年も前だった
この題材を扱うことに対して、カポーティがいかに全精神を注ぎ
心を病んだかというのも良く分かる気がした。

第1章の「生きた彼らを最後に見たもの」は、殺される運命の
クラッター一家の温かな日常と、犯人2人(ペリーとディック)が
どこかのんびりとした様相を呈しながら車でだんだんと近づいて来る
様子が、交互に描写されていて、否応なく緊張感が高まる。

ノンフィクションなので、あくまでも話は全て始めからクリアで
犯人も、殺される人々も、分かってる。
じゃぁ、事実を追っかけるだけのストーリーなのか、というと
全くそうではなく、そこはさすがのカポーティの表現力。
登場人物全てのバックグラウンドや家族としてのあり方を丁寧に
描写していくことに徹底していて、訳者の佐々田さんもあとがきに
書いているとおり
「衝撃的な事件の背後から、家族の物語という相貌がたちあらわれてくる」
のです。
そして彼独特の息を呑むような美しい表現に何度もぶち当たり
心震えます…。

残忍な犯罪劇ではあるものの、読み終わった時には、犯人に説明不能な
同情さえ感じてしまいました。
読後感は何とも言えない寂しさでいっぱい。。

ペリーは、死刑を待つ間、面会に来てくれた友人に漏らします。

++++++++++++
人を殺すなんて、たやすいことなんだ

おれはクラッター家の人たちとほんの1時間だけの知り合いだった。
もし、ほんとにあの人たちのことを知っていたら、また気持ちも
違っていただろう。
とても平気では生きていけないと思う。
ただ、ありのままを言えば、あれは射撃場で標的を狙い撃ちするような
ものだったんだ

あの一家は、ただ、自分の人生の尻拭いをする運命にあったんだ、と。
++++++++++++

もう、このくだりはゾッとしましたね
この言葉を引き出すがために、この小説は書かれたのではなかろうか、と。

本当にすごい作品です。



マボロシの鳥/太田光

2015-02-08 | 読書
かつて読んだことのない感動の形がここにある。
爆笑問題・太田光、待望の処女小説!
「どこかの誰かが、この鳥を必要としている」――誰よりも小説を愛し、
誰よりも小説に愛される芸人、太田光がついに作家デビュー!
舞台芸人の一瞬の輝きを一羽の鳥に託した表題作ほか、
父との不和に悩む娘やイジメにあう男子高校生の葛藤から、
人類の行く末、そして神の意志までを、
持てる芸のすべてを注いで描き尽くした《希望の書》。
(「BOOK」データベースより)

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ちょっとした興味本位で今更ながら手にとってみました

太田さん。言いたいことはよく分かる!
大切なものは目に見えない、とか、芸人としての自分の信条、とか
一生懸命、自分の思いを文字に乗せてる感じは伝わってきましたが
やはり素人の限界っていうのかな、所々読みにくさを感じました。

短編小説ですが、文体が定まらなかったり、一人称なのか三人称なのか
視点がふわふわしてる印象を受けたり。
最初、うまく乗れなくて進まなかったけど、だんだんこなせるように(笑)
慣れてきました。

ファンタジー色の強いもの、反戦がテーマのもの、
「銀河鉄道の夜」と「星の王子様」を足して2で割ったようなもの
(…こういうの、パクリって言わないの?
などなど。
『奇跡の雪』は、かなりツライ気持ちになりましたが良い作品だった。

そうは言っても、ここまで書けるって本当に素晴らしいし、
たくさん勉強してるんだな~と思いましたが、こうしてみると
やっぱり小説家って秀でた能力の持ち主だよね。
画家や音楽家などと同様、努力だけでは成し得ない、生まれ持った
研ぎ澄まされた言葉のセンスってあるんだなーとつくづく
感じさせられました。


☆☆☆

カチクラちい散歩

2015-02-08 | 日記
いま、カチクラ地区(御徒町~蔵前エリア)が熱いのよ!と誘われ、
以前の会社の同僚達と久しぶりに集まり、ぶらぶら雑貨屋巡りをしてきました。
この辺りは、古くから装飾品、ファッション雑貨などの産業が盛んで
地元に根付いたモノづくり企業と、新しいクリエイターが共存するマチとして
若い人に人気なんだって。(読まされてる感、満載


まずは御徒町駅に集合し、秋葉原との間の高架下に広がる、クリエイター達の
小さなショップやアトリエなどが集合する「2k540」から、ぶらぶら開始!

こんな感じで小さなお店が高架下に沿ってずらーーーっと広がっています。


アクセサリー、バッグ、木製小物、和雑貨…などなど、どのお店も作り手さんの
熱い思いが込められているステキなものばかりで、1件1件が楽しすぎて
なかなか次へ進めません


どこもオシャレな感じで統一感あり。謎↑のキャラクターもw

一通り見たいお店を覗き、満足してから、蔵前方面へ向かってお散歩開始。

雑居ビルにポツン、と1店舗だけ入っているような雑貨屋が多く、
看板も大々的に出ていないので、宝探しのようで楽しかったなぁ。


ここには参りました。
行きたいお店は5階だったのですが、エレベーターに乗ってみると、驚きの事態が。


!!!
4階から歩け??
ユーモアありすぎやろ(笑

ってなカンジで、久しぶりに会う友達とつまんないこと話しながら
ゲラゲラ笑いながら、4時間くらいブラブラ散歩したかな~。

夕方になり、体も冷えてきたので、早めに一杯やりますか
偶然行き当たった、食と健康がテーマの古民家風のステキなお店に。
ぬる燗でキューーーっと!まずは乾杯。
温まるには、やっぱコレっすよ!


No Smoking!
こちらもなかなかユーモア溢れるお店でしたね。
楽しい1日でした~

アルゴ

2015-02-07 | 映画
1979年11月4日、テヘラン。
イラン革命が激しさを募らせ、その果てにアメリカ大使館を過激派グループが占拠し、
52人もの人質を取るという事件が起きる。
パニックの中、アメリカ人6名が大使館から逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。
救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントの
トニー・メンデス(ベン・アフレック)は、6名が過激派たちに発見され、
殺害されるのも時間の問題だと判断。
彼らを混乱するテヘランから救出する作戦を立案する。
しかし、それは前代未聞で大胆不敵、そして無数の危険が伴うものだった…。
(Yahoo!映画あらすじより)

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実話に基づくってのが凄まじいし、ただならぬ緊張感で最後は殆ど
息を止めておりましたな、私。
今は時期が時期だけに、すごく実感を伴って(実際、実話なんですが)
迫ってくるものがありました。深く考えさせられます。

自分の命をも捨てる覚悟での人質救助。
いくら仕事とは言え、こんなことが出来るのは本当に一握りの限られた、
選ばれた人物なんだろうな。
映画スタッフだと偽り、国外脱出させるという突飛なアイデアもすごいし
計画の中止命令が上から出されても、なんとしてでも6人の命を救うという
使命感に心動かされました。。

ベン・アフレック、良かったな
マット・デイモンのお友達、という程度のうすーーーい情報しか
持ち合わせてなかったし、今まであんまり興味もなかったけど、
監督としてもキャストとしても素晴らしい
役柄に似合わない甘いマスクと、その顔に似合わない冷静沈着な言動。
この微妙なギャップがうまく働いてる気がする。

まぁ、映画だからかなり脚色はされているにしろ、最後、空港でのシーンは
圧巻ですよ。こんなに日常でハラハラすることないからね。
とにかく面白い映画でした
納得のアカデミー賞受賞作ですね。

A/中村文則

2015-02-05 | 読書
風俗嬢の後をつける男、罪の快楽、苦しみを交換する人々、
妖怪の村に迷い込んだ男、決断を迫られる軍人、
彼女の死を忘れ小説を書き上げた作家…
いま世界が注目する作家が放つ13の「生」の物語。
(「BOOK」データベースより)

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短編集です。
ヒジョーに後味悪いです…

ひとつ前に読んだ、惑いの森のショートストーリーと似たような
テイストのものもあるけど、それよりも更に重いし、くどい!!
「三つのボール」なんて、何のメタファーなのか、凡人の私には
難解すぎて理解不能!
戦争もの「A」「B」も苦しかったな。

「一度の過ちもせずに、君は人生を終えられると思う?」という
キャッチフレーズを表すような何とも彼らしい暗い短編集でした。

ふぅ~!
やっと文則文学全制覇!!
・・・と思ったら、新刊出てたんだ
『教団X』
もう、タイトル見ただけで、なんとなく想像できる深い闇・・・。

ちょっと一息ついてからにしよ。


☆☆☆