ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

首折り男のための協奏曲/伊坂幸太郎

2015-06-27 | 読書
「首折り男」に度肝を抜かれ、「初恋」に惑って「怪談」に震え、
「昆虫」は覗き見され、「合コン」では泣き笑い。
「悪意」が黒澤を襲い、父は子のため「復讐者」となる―全7編、
胸元えぐる豪速球から消える魔球まで出し惜しみなく投じられた
「ネタ」のアンサンブル!
(「BOOK」データベースより)

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いかにも伊坂らしいテイストでした。
ちょっとつながってるような話もあるんだけど、連作短編ではないのね。
調べたら、各短編の発表雑誌はバラバラらしい。
でも、伊坂作品を読んでいればクスリと笑えるような共通ネタを
差し込んで、ファンの心を巧みにくすぐります。
伊坂作品自体が大きな連作という感じ方もあるよね

そして、今回の黒澤はいつもにも増してキュートでしたよ。
「僕の舟」は良かった。
夫の介護をしている老女が、若かりし頃に一度だけ経験した四日間だけの恋人を
探す依頼をする。心温まるストーリーでした。

「月曜日から逃げろ」は、いかにも伊坂っぽい逆再生ストーリーで面白かった!
2回読まないと分かんないよ!



善き人のためのソナタ

2015-06-24 | 映画
シュタージ(国家保安省)の局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、
劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人で舞台女優の
クリスタ(マルティナ・ゲデック)が反体制的であるという証拠をつかむよう
命じられる。
ヴィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めるが、
自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられ……。
(Yahoo!映画あらすじより)

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すっごく良かった
最後、こんな鳥肌が立って終わった映画も久しぶりかも。

ベルリンの壁崩壊直前の監視国家、東ドイツ。
真面目で国家に忠実なヴィースラーが、監視対象のドライマンを
24時間盗聴し続けるなかで、彼らの人間らしい考え方や生活に共感し
自分の信じていたものが揺らいでいく。

何が正義なのか。
暗澹とした社会の中、自分の役割を果たさなければならない苦悩を抱え
今まで見えなかった人間観に目覚めていく、その細かい心の動きの表現が
素晴らしい

この感動は、実際に観ないと実感できないと思う~!
オススメです

夏のお嬢さんたち

2015-06-22 | 
今年の東京は暑くなるのが早かった!
爽やかであるはずの5月から夏日が続き、毛が伸び放題のこの子たちは
すぐにハァハァと暑がり、すでにバテ気味。

※なぜか、いつも似たような体勢で寝るんだけど…


お手入れするこちらも大変なので、ここは思い切って。

ジャーーーン!
サマーカットという名の五分刈りだぁ!

めいも思い切って短くしてもらい、2ぴきとも体がほそーーく
なっちゃいましたww


「あんた、床屋に行きたてのオッサンのうなじみたいよ」 「おねーちゃんの体だって、貧相な小鹿みたい。」

暑い夏はこれからですよーーー!

犬とハモニカ/江國香織

2015-06-19 | 読書
空港の国際線到着ロビーを舞台に、渦のように生まれるドラマを、
軽やかにすくい取り、「人生の意味を感得させる」、
「偶然のぬくもりが、ながく心に残った」などと激賞された、
川端賞受賞作。
恋の始まりと終わり、その思いがけなさを鮮やかに描く「寝室」など、
美しい文章で、なつかしく色濃い時間を切り取る魅惑の6篇。
(「BOOK」データベースより)

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いやーーー。良質な短編小説でした!!!
何という感性
幸福感の中の孤独や絶望をこれほど見事に表現できるのは
江國さんしかいませんね。

「寝室」は、不倫相手に振られた夜に、自分の家族の新鮮さに
改めて気付くという男の複雑な感情を見事に描ききった一編。
その洗練された言葉の選び方には脱帽。

「アレンテージョ」は、ゲイのカップルがポルトガルに小旅行する
何ていうことのない日常のひとコマですが、もうまるで
ショートフィルムを観ているような美しさ。

++++++
僕は自分が幸福と不幸の区別をつけそこなっていることに気付く。
あるいは、区別に意味などないことに気付く。
++++++
同じものを見る、同じものを食べる、というのは意味のあることだ。
++++++

幸福と不幸は紙一重。
江國さんは、そういう心の機微を抉り出すのがバツグンにうまいんです

「夕顔」だけが・・・
ん?どした?ってカンジでしたが(いわゆる、源氏物語の夕顔、ね。)
付記を読むと、
6人の作家が源氏物語の現代語訳を競作する、という新潮社の
企画で書かれたものが差し込まれていたみたいで、納得。
これはこれで、江國さんっぽくて面白かったけどね(笑



Wonderful Story

2015-06-16 | 読書
伊坂幸太郎・大崎梢・木下半太・横関大・貫井徳郎
当代きっての人気作家5人が「犬」にちなんだペンネームに
改名(!?)して夢の競演。
犬をテーマにした五つの物語が紡ぎ出された…。
昔話でおなじみの犬もいれば(伊坂幸犬郎「イヌゲンソーゴ」)、
地名の由来になった犬もいる(犬崎梢「海に吠える」)。
はたまた、悪者が連れてきた犬もいるし(木下半犬「バター好きのヘミングウェイ」)、
人のために働く盲導犬や(横関犬「パピーウォーカー」)、
やたらと見つめてくる犬も……(貫井ドッグ郎「犬は見ている」)。
個性豊かな犬たちが踊る、前代未聞の小説“ワンソロジー"、ここに登場!
(Amazon内容紹介より)

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もちろん私は犬好きですが、そんなこと関係なくすごく面白かった

全くテイストの違う作家5人が、犬をテーマにしたショートストーリーを
見事に披露!
クスリと笑える伊坂節も良かったし、「海に吠える」は読後の爽快感がハンパない!
貫井さんの「犬は見ている」は、ミステリーというかホラーというか、
さすがの構成で、短編とは思えぬ質の高さ。

どのお話も甲乙付け難い・・・

こういう企画またやって欲しいなぁ♪



我が家の問題/奥田英朗

2015-06-14 | 読書
平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。
両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。
里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。
誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。
(Amazon内容紹介より)

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奥田さんのこの手の小説、好きーーーーー!
すごく面白いけど、誰にでも起こり得る話で心から笑えない。
現実味あふれすぎてて。
もはやノンフィクションの域でしょう

でも人間らしくて、感情を率直に表していて、正直な言葉で紡がれてて
どのストーリーも最後にはちょっとホッとするようなオチ(?笑)で
家族ってこういうものかなーと暖かい気持ちになれる作品です。

「夫とUFO」は、特に良かったな~
夫が突然UFOが見えるなんて大真面目に言い始めたら、私だったら
どうするだろう…(笑
理解しようと懸命に立ち振る舞う妻の姿は、時にバカバカしく、
時に可愛らしく、そして涙ぐましい。
ここまで出来るのが家族なのか。

本当にステキな作品ですー。



長女たち/篠田節子

2015-06-13 | 読書
親が老いたとき。頼りされるのはもはや嫁でも長男でもない。
無責任な次女、他人事の兄弟…追いつめられた長女の行く末は?
痴呆が始まった母のせいで恋人と別れ、仕事も辞めた直美。
父を孤独死させた悔恨から抜け出せない頼子。
糖尿病の母に腎臓を差し出すべきか悩む慧子…当てにするための長女と
慈しむための他の兄妹。
それでも長女は、親の呪縛から逃れられない。
親の変容と介護に振り回される女たちの苦悩と、失われない希望を描く連作小説。
(「BOOK」データベースより)

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久しぶりの篠田節子~。
一時期すごくハマって読んでたのに、最近あんまり読んでなかったな。

おもしろ…というか、重かった
作品としてはやっぱり良かったです。

自分が長女だから特に感情移入できて、首ぶんぶん肯きまくりながら
読みましたが(笑
長女って生まれながらに色々なものを背負わされてるよね。
「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」って言葉の暴力、子供ながらに
よく悔しい思いをしましたが…
2番目以降に生まれた人は、我慢しなくていいのかね??

人生の分岐点で、その「我慢」スイッチがたびたび作動し、現時点に
辿り着いてるわけだけど、これもまた人生でしょう。
運命は、受け入れるしかないのです、って小説?コワイ、コワイ


☆☆

キャプテンサンダーボルト/阿部和重&伊坂幸太郎

2015-06-11 | 読書
人生に大逆転はあるのか?
小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。
二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、
それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。
東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、
公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。
すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは――
現代を代表する人気作家ふたりが、自らの持てる着想、技術を
すべて詰め込んだエンターテイメント大作。
(Amazon内容紹介より)

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2人の作家が、交互に章を書いていくという合作なんだけど、
そんなの全然感じさせない文体・ストーリー展開で、途中から
忘れて読んでました。

殺し屋がね、怖いんよ(笑
どこまでも不死身なターミネーターみたいなのが
ずんずん追っかけてきてね。

映画化狙ってるでしょー!って感じのエンターテインメント性抜群の
テンポ良い面白い作品でした。
いろいろ突飛な部分もあるけど、そこは眼をつぶって
愉快痛快であれば、いいんです。
なぜならエンターテイメントだから!


☆☆

お久しぶーりーね

2015-06-05 | 
いやー、あれから三ヶ月余り・・・
長く苦しい毎日でしたが、あっという間だったという気もします。
前回の記事を書いた3日後から、がらっと生活が一変してしまいました。
つまりは、これ↓


妹分(ヨークシャーテリア・♀)が家族に加わったというワケなんですが、
こんな写真が撮れるようになるまでは、想像を絶するような日々で。。

超寂しがり屋のめいために、いつかはもう1ぴき…と思っていて
今回思い切ったんだけど、多頭飼いはそんなに甘くなかった

姉犬
・仔犬が来て3日でハンガーストライキを起こし激やせ。
・結果、脱水症状を起こし緊急入院。
・ストレス性の急性胃腸炎(泣
・毎日の点滴生活で朝晩の送り迎え。
妹犬
・姉の急病により、来て一週間で一旦ブリーダーに戻す。
・一週間後、再度お迎えしたが、夜鳴きがひどい。
・とにかく寝ない!(1、2時間おきに起こされ、まともに睡眠がとれない)
・ブリーダーからお迎えした時から風邪のような症状でゴハンも食べない。
 (後にケンネルコフと判明し、その後2ヶ月間の病院通いと投薬)

日々降りかかる災難・・・
2匹を代わるがわる連れて毎日のように病院通い。(診察券とか要らない。顔パス
は完全に赤ちゃん返りし、家中に粗相をするわ、今まで以上に
私からピッタリ離れないわで…

性格も、お姉ちゃんは超のんびり屋さんなのに対し、妹は気が強いヤンチャ娘。
当然といえば当然、2ぴきは心通わず・・・

それでもまぁ、三ヶ月くらい経って、ようやく少し落ち着いてきました。た?(笑
ごく稀にですが、一緒に寝てる姿なんか見ると、ちょっと幸せな気持ちに
なりますかね。


犬も、人間の子供と一緒で、色々な性格や行動パターンがあるんだな~、と
私の方も日々勉強です。
まだまだ先は長いと思うけど、きっと時が解決してくれるでしょう…

本や映画の感想もいっぱい溜まってるんだけど。
書きたいんだけど。
2ぴきが静かに寝てくれている隙を見つけて、ぼちぼちアップしていこうかな。
そのうちまた登場しまーす