ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

光/三浦しをん

2015-08-17 | 読書
天災ですべてを失った中学生の信之。
共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。
二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が
姿を現わす。
あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。
(「BOOK」データベースより)

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へー!三浦しをん、こんなのも書くんだー。すごい
うん、とにかく、すごかった。
文庫解説に書いてある言葉を借りると
「この小説はまったくもって容赦がない。」
そう、その通り!全てに容赦なく、恐ろしい物語です。

津波という圧倒的な暴力で、一瞬にして島と家族をなくした子供達。
彼らが負った心の傷は、容赦なくその後の人生を損なっていく。

『暴力はやってくるのではない。帰ってくるのだ。』

返ってくるのではなく、帰ってくる。
暴力は常に自ら孕んでいるもので、それに気付かないふりをして
何食わぬ顔で日常生活を送る恐ろしさ。
信之の絶望的なまでの異常さとはうらはらに、妻と娘と慎ましやかに
穏やかに暮らしている、その姿には本当にゾッとする…

幅の広い作家だわー。三浦しをん、継続しちゃうな




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