ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

暗いところで待ち合わせ/乙一

2019-08-07 | 読書
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。
駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。
犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。
他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。
奇妙な同棲生活が始まった―。
(「BOOK」データベースより)

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乙一!!まさかこんなものを書いているとは!
失敗したー
10年以上前と思うけど、初めに読んだ彼の作品が全く合わなかったので
(確か「Zoo」だったと思う)
こういうテイストの人なんだな、と苦手レッテルを貼ってその後新作が出ても
手に取ることもなかったが。
反省、反省。好みも変わるし、色んな味付けだってある。

とにかく、これ良かったわーー。
設定が奇想天外なわりに、すごく引き込まれるストーリーで、さらに後半の急展開!
「え?」となってからは夜中まで一気に読まずにはいられなかったよ。

人間関係を作ることが苦手で心や身体に障害を抱える孤独な二人が
緊張状態の中から自分が次第に変わっていくことを感じる。
サスペンス要素はありながら、やはりこの作品は心温まるヒューマンドラマだと
思う。
人の心は脆くて、でも強くあれる。それは独りでは無し得ない。
ミチルが暗闇から抜け出せる光が見える、とても素敵な物語です。



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