ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

夜明けの縁をさ迷う人々/小川洋子

2012-01-27 | 読書
世界の片隅でひっそり生きる、どこか風変わりな人々。
河川敷で逆立ちの練習をする曲芸師、
教授宅の留守を預かる賄い婦、
エレベーターで生まれたE.B.、
放浪の涙売り、
能弁で官能的な足裏を持つ老嬢・・・
彼らの哀しくも愛おしい人生の1コマを手のひらで
そっと掬い取り、そこはかとない恐怖と冴え冴えとした
フェティシズムをたたえる、珠玉のナイン・ストーリーズ。
(文庫裏書より)

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さすがです

9つの短編、どの1編でも読めば必ず「小川洋子」の作品と
分かるような、それでいて新鮮で、そして静かに恐怖が忍び寄る
ような作品達です。

「パラソルチョコレート」が良かったかな
小学生の女の子の”裏側に生きている”おじいちゃん。


「幽霊という意味ですか?」
「それは違う。ワシは生きておる。
 ~中略~
 まぁ、寿命というやつのせいで、こっち側へ移住してきた」


人は誰でもそういう自分を守ってくれるものがあるのかも
しれないネ。

面白かったです!

サイドウェイズ

2012-01-22 | 映画
仕事も私生活も冴えない中年シナリオライターの道雄(小日向文世)は
親友の大介(生瀬勝久)の結婚式に出席するためカリフォルニアを訪れる。
結婚式前の1週間を使って大介と2人、カリフォルニアのワイナリーを
巡る旅に出るが、その途上でかつて思いを寄せていた麻有子(鈴木京香)と
再会し……。
カベルネで知られるワインの産地、カリフォルニア、ナパ・バレーを
舞台に、ダメ男二人の人生が少しずつ動き出していく様子を描く。

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小日向さんって、どんな役でもスッポリとハマるよね
私はワインの知識は無いけど、少しでも分かる人が見ると
楽しい映画かも。
中年男女の思い出青春ストーリーという軽い感じではあるけど
カリフォルニアの景色がキレイで、もちろん、家でワイン飲みながら
DVD見たわけですが、そういうリラックスして見れる
ステキな映画でした。

鈴木京香の、現地での友達役の菊地凛子が、いい味出してたなぁ。
彼女は映画によって全然顔や雰囲気違っていて、良い役者なんだ
なぁ~と思う
この映画ではすごく美人でキュートに見えた(失礼?

相手は世界です!

2012-01-15 | 日記
サンクスで見つけたよ!


『チーズクリームとホイップクリームをチーズスフレで包んだ
 贅沢なチーズケーキです。今回は、このチーズスフレに
 フリコエダムチーズが練り込まれました。是非お試しください。』

はいはい、試したよ、
チョーーー美味しいよっ!

チーズチーズしてなくてね、さらりと交わすカンジだけど
通り過ぎるとしっかり印象に残るような、ニクイ奴です。

ふふふ、たまにはスイーツネタで

塩の街/有川浩

2012-01-14 | 読書
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。
塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。
その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。
世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。
だが・・・「世界とか、救ってみたくない?」
ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。
(文庫裏書より)

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「阪急電車」を読んで以来、ずっと他の作品も読んでみたいと
思っていて、やっと本作。

塩のインベーダーがやってきて人類を滅亡させる、みたいな
発想が面白くて、ストーリーもテンポも良かったのですが、
読み終わると、なんだろう・・・このカンジ
ちょっと違和感を感じていたのですが、その理由が分からなくて
もわもわしてたところ、作者のあとがきを読んで納得!

+++
大人にもライトノベルが欲しいと思って作家になりましたが
このお話は最も純粋にライトノベルだったと思います。
+++

そうか、これ、ライトノベルなのか

昔々、別マで読んだような、ぶっきらぼうな不良が真面目な少女と
甘い恋愛を繰り広げるとか、お互い暴言を吐きつつ実はアツく
結ばれている男の友情とか、そういうくすぐったいカンジ。
み・た・い・な

長編でこういうの、久しぶりだったな。
ちょっと新鮮。面白かったですよ!

犬は1歳で成人だってよ。

2012-01-09 | 
荒稼ぎのカイくん一家がそう言ってました(笑

さてさて、晴天に恵まれた成人の日、寒いことは寒いけど
風はさほど無く、ちょっと足を伸ばして城南海浜公園まで
散歩がてらお出かけ。

初めて行ったのですが、撮りようによっては南国チック


ドッグランもあり、大興奮


トイプー集団に囲まれ、あれあれ

どれがうちの子かしら。

海を眺めて(つっても東京湾だけど)しばしのんびりした
気持ちになりましたが、
あぁ~あ。明日から本格稼動か・・・
今年もまた働くか。
ふぅ

クリスマス・ストーリー

2012-01-09 | 映画
とあるクリスマス。
ヴュイヤール家では、母ジュノン(カトリーヌ・ドヌーヴ)の
病気をきっかけに、長女エリザベート(アンヌ・コンシニ)、
三男イヴァン(メルヴィル・プポー)ら、子どもたちが
集まっていた。
しかし、絶縁されていた次男アンリ(マチュー・アマルリック)の
登場で、穏やかなクリスマスに波風が立ち始める。

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やはりフランス映画は侮れぬ・・・
豪華キャストの面々だけに、華やかな画ではあるものの
ストーリーは、やはりフランス映画的な

影絵、手紙、カメラ目線の独白、回想・・・等々、様々な要素を織り込み
映画の”画”としては、なかなか面白い展開。
母の難病に適合する骨髄を捜すため、子供達や、孫達が検査を受け、
それに伴って、長年抱えてきた家族の暗い部分が、解きほぐされていき・・・

ラストシーンのエリザベートの言った意味も、いまいち
理解できず

総合的には悪くはないんだけど、ほんわかした題名とは程遠く
やはり難しい映画でした。

傍聞き/長岡弘樹

2012-01-08 | 読書
患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」
娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心動かされる「傍聞き」
女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」
元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」
まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。
表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞!
(文庫裏書より)

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めっけ
この作家、知らなかったけど、すっごく良かった
ミステリの極意は短編にあり!って、まさにこのこと

伏線が巧妙だし、胸にグッとくる人間ドラマだし、
読後感はバツグン

表題作の傍聞き(かたえぎき)とは、
自分が直接聞くと疑ってしまうような怪しい話でも、
それを誰かが他の人に喋っているところを漏れ聞くと
信じてしまう、というやつですね。

ミステリというカテゴリーでは少しもったいないくらいの
傑作珠玉の短編集!というかんじです。
オススメ

寿歌(ほぎうた)

2012-01-07 | 日記
久しぶりの舞台鑑賞。
友達に誘われ、内容も知らないまま「行く行く~!」と
ついていきましたが、ヒジョーーに良かった


核戦争ですべてが廃墟と化した街に、リヤカーを引いた旅芸人の
ゲサクとキョウコがやって来る・・・。
二人の頭上には、まばゆい光を放ちながら核ミサイルが飛び交い、
追いかけてくる低い破裂音が世界の終わりを告げていく・・・。
そこに、どこからともなく、不思議な芸をあやつるナゾの男・ヤスオが
現れた。
出会った三人は、あれやこれやの"エエカゲン"な会話を繰り広げながら
焼き尽くされた滅びの荒野を共に旅することになるのだが・・・・。

3人だけのお芝居で、内容も内容で、何とも前衛的?なのかと思いきや
初演から30余年を経た現在に至るまで、プロアマ問わず上演が
重ねられている、いわば「現代演劇の古典」的な作品なのだそうです。

堤真一、戸田恵梨香、橋本じゅんという実力派3人の演技もさることながら
舞台演出がとても美しく、まるで映画を観ているような感覚に陥りました。
また、1時間ちょっとという短編作品で、余韻を残す終わり方も
すごく良かったな。

いや~。役者さんってスゴイな。
改めて感動

謎解きはディナーの後で/東川篤哉

2012-01-06 | 読書
「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」
令嬢刑事と毒舌執事が難事件に挑戦。
・・・って例のやつです
国立署の新米警部である宝生麗子と、宝生家のお抱え運転手、執事の影山との
ユーモアたっぷり(アホくさい)かけあいで事件を次々解決ってやつです。

あれだけ本のCMが流れ、ドラマにもなり、本当に本屋大賞受賞作なのか!?と
ずっと疑問に思い、どうしても自分で買う勇気が無かったところ、
ふと、同僚のバックから出てきた瞬間を発見
「それ貸して!!」

・・・まぁ、ね。
完全に、予想の範囲内でした。
本屋大賞ってくらいだから、せめてもう一捻り欲しかったかな。
山手線に乗り換えて、会社までの20分の間に一話ずつ。
まさに通勤読書向きの娯楽本でした。