ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

木暮荘物語/三浦しをん

2016-04-05 | 読書
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年。空き室あります!
安譜請ですが、人肌のぬくもりと、心地よいつながりがあるアパートです。
うまい、深い、面白い。三拍子揃った会心作。
(「BOOK」データベースより)

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半年前から付き合い始めた彼との穏やかな繭の生活に、突然3年前に
姿を消した恋人の並木が戻ってきて、奇妙な3人の生活が始まる
『シンプリーヘブン』
老いらくの快楽を切望し、大家の木暮さんがあの手この手を尽くす『心身』
駅でとあることがきっかけで知り合った、トリマーの美禰とヤクザの男の
切ない関係を描く『柱の実り』
繭の勤め先である花屋の女主人、佐伯さんが夫の浮気に悩む『黒い飲み物』
床の覗き穴から階下の女子大生の生活を覗くことが生き甲斐のサラリーマン
神崎の日常『穴』
そして、覗かれていることを承知で飄々と生きる光子の、暗い過去と
女性の苦悩を描く『ピース』
全編に亘って不思議な影を落とす、謎の女性ニジコが、並木を部屋に
居候させる『嘘の味』

以上7編からなる連作短編集です。
もちろん、言うことなし!に面白かったです
ユーモアがあり、笑いと涙と切なさと心強さ?と。

『柱の実り』が一番良かった!!
なんつーの、純愛よ。ヤクザとの大人のジュン・アイ!
やっぱり犬好きに悪い人はおらんのよ!
心に闇を抱えている者同士が見える、駅の柱に生える謎のキノコ…
本当に、しをんさんのユーモア感覚、参ります!

そして『ピース』はマジで泣いたわーーー
中三で子供が産めない病気だと分かり、ヤケになって刹那的に生きる光子。
遊び友達の、生まれたばかりの赤ん坊を突然預かる事となり…。
こんな短編なのに、もうこれは角ちゃんの「八日目の蝉」と同等の重み!
しをんさん、すごすぎるわ。もう、やめてー




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2 コメント

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うんうん。 (ゆき)
2016-04-05 22:56:38
私も「ピース」は泣いた。
八日目の蝉、私も思い浮かべてたよ。
そうだよね、短編なのに重くて深いです、素晴らしいです。
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泣くよね。 (ペンギン)
2016-04-06 17:49:26
これは短編が持つ力を超えてるよね!
しをんは、すごいのだぁ!
そして、光子は本当に良い子だ…
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