ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

敵は自動改札機

2011-08-24 | 日記
会社からの帰宅時、私の前を文庫本を読みながら、だらだら歩いていた
男性をイラっとしながら追い越し、駅の自動改札を出ると、後ろから

「うぐっ」っという呻き声。

振り返ると、私が追い越した男性が、本を読みながら改札を
通ろうとしたところ、チャージが足りなくて、自動改札のパタンという
やつに、腹を直撃されたらしい・・・

絵に描いたような、漫画の噴き出し的セリフに
思わず噴き出してしまった

それにしてもさ、まぁ、自動改札をピコン!と鳴らす人の多いことね。
通勤ラッシュの大混雑の中、自分の前の人がアレをやると、思わず
「チッ」と大きく舌打ちしちゃうよね。

みんな、もっと、色んなことに気を配って、ちゃんとしよう。ね。

マリアビートル/伊坂幸太郎

2011-08-22 | 読書
元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、
東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。
狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。
ツキのない殺し屋「七尾」。
彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが
再びやって来た。『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。
(「BOOK」データベースより)

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うーーーーーーーーーーーーん。
誤解を恐れず言いますと、何だか腑に落ちませんでした。
伊坂特有の、読後の爽快感が、いまいち無かった。

多分、個人的に「王子」がダメなんです。
こういう陰湿で小生意気でずる賢い若造、悪意の塊。
読んでて胸くそ悪くなるのを通り過ぎて、息苦しくなっちゃう。
ロッカーの鍵のこと、蜜柑に言えよ!
そして殺られちゃえよ!と。
(読んでる人じゃないと分からなくてゴメンなさい

すみません、大人げなくて・・・
でも、こういうタイプの小説は、完全なる勧善懲悪でないと

もちろん、スピード感は抜群だし、至る所に隠しアイテムのような
小ネタと、おしゃれな会話がちりばめられているのは流石

トーマスに疎いので、イマイチついていけない部分も多数あったけど
私は檸檬と蜜柑が好きでした~

あまりに伏線張り巡らされすぎてて、1つや2つ、取りこぼしてる
気がする。
ストーリーを追いたい1回目、ネタを全部拾いたい2回目、
会話をもっかい楽しみたい3回目。

さて、と。再読かぁ・・・

チヨ子/宮部みゆき

2011-08-21 | 読書
五年前に使われたきりであちこち古びてしまったピンクのウサギの着ぐるみ。
大学生の「わたし」がアルバイトでそれをかぶって中から外を覗くと、
周囲の人はぬいぐるみやロボットに変わり―(「チヨ子」)。
表題作を含め、超常現象を題材にした珠玉のホラー&ファンタジー五編を収録。
個人短編集に未収録の傑作ばかりを選りすぐり、いきなり文庫化した贅沢な一冊。
(文庫裏書より)

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著者が過去12年の間に発表した中短編5編。
・雪娘
・オモチャ
・チヨ子
・いしまくら
・聖痕

うん、なかなかバラエティに富んでいて良かったです!
ホラーという程ではないけど、まぁ、軽めのファンタジーというか。

表題作の「チヨ子」は気に入りました
ほのぼのとしたカンジが良かった。

「聖痕」はかなり重めの中篇でした。
テーマは神。
~妄信は、ある段階から自立した生き物になる。
 カルトの教祖が往々にして信者たちもろとも破滅するのは、
 そうやって制御不能となった信仰に喰われるからだ~
中篇に無理やりねじ込んできた感はあるけど、
曲がった信仰が暴走していく雰囲気が感じられました。
途中で篠田節子か!?と思うくらいの勢いで

また「理由」くらいのどっしりした長編、書いてくれないかな~。

木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸

2011-08-11 | 読書
舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が
最後の夜を徹し語り合う。初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、
そしてあの男の後姿・・・
共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。
濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。
(文庫裏書より)

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久しぶりの恩田陸。
(まだ懲りてない、チャレンジャーな私)

うん、うん、うん。
結局、そうなんだよね。
真実は読者に委ねられるんだよね

登場人物は、ある男女の2人だけ。
章ごとに男の視点、女の視点、と一人称が入れ替わる。
密室劇を見ているような、臨場感はありました。
「ある男」の死について、男は女が殺したと思っている。
女は男が殺したと思っている。
では、真実は一体何だったのか??
テンポも良く、ぐんぐん話には引き込まれました。

しかーーし。

読み終わってみると、やはり恩田陸でした

さてと、まだまだ挑戦は続く

Fantasy Seller

2011-08-07 | 読書
大好評アンソロジー『Story Seller』の番外編。
全く新しい大人のためのファンタジー小説集。

・畠中恵「太郎君、東へ」
・仁木英之「雷のお届けもの」
・森見登美彦「四畳半世界放浪記」
・堀川アサコ「暗いバス」
・遠田潤子「水鏡の虜」
・紫野貴李「哭く戦艦」
・石野晶「スミス氏の箱庭」
・宇月原晴明「赫夜島」

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普段、SF・ファンタジーモノは殆ど読まないので、
知らない作家ばかりで、何か新しい発見ができるかな~と
挑戦してみました。

うん・・・なるほど
読み応えはあります。
ファンタジーです。「もうひとつの世界」です。

やはり向き不向きがありますな

時代モノ、歴史モノ、拷問モノには全く弱いので、
読み飛ばし気味の作品もありましたが。

「スミス氏の箱庭」は好きだった
学校に住みつく、得体の知れない獣?とお世話係の
心温まるストーリーが良かった。

Story Seller同様、拾い物があるかもよ