goo blog サービス終了のお知らせ 
goo

No243「涙そうそう」~伝えたかったありがとうの気持ち~

ぼろぼろ思い切り泣いてもいい。
死んじゃってもう会えない人を思って、
とりかえしのつかない大きな失敗をした自分が悔しく、悲しくて、
今まで我慢していた思いのたけをぶつけて、
人は思い切り泣いたりする。
妻夫木聡、長澤まさみが泣く顔のアップが
切なく、暖かく、優しくて、たまらない。

妻夫木聡は、泣いた顔がよく似合う。
テレビドラマ「ブラックジャックによろしく」では、手術の場から逃げ出してしまい、
一人、病院の隅っこで自分の不甲斐なさに泣く研修医を演じた。
「ジョゼと虎と魚たち」では、恋人ジョゼと別れ、歩いている途中、思わずうずくまって泣き出した。
どれも思い出しただけで、目の奥が熱くなる。

妻夫木聡は、一生懸命が似合う。
自分の店を持つという夢に向かって、元気に明るく、
市場や、居酒屋や、建設現場で働く姿が、実に生き生きしていて
心底うらやましく思った。
とびきり爽やかな笑顔だが、どこかものさびしさも感じさせる。

血のつながらない兄妹の物語。
二人が向き合うシーンがいい。
盆踊りの祭りの裏手で喧嘩する。
長澤まさみがはじめて、自分の思いを兄にぶつける。長回しのカメラが二人の緊迫感を伝える。

監督は、これぞという見せ場では、
長回しで二人を追いかけ、濃密な空気をすくいとる。

最後に流れる「涙そうそう」の歌にすべてが込められている。
人を思う心、守ろうとする心、
あったかくて、やさしい、いたわりの心、感謝する心が
じんわりと込められていて、
涙腺がにじんできた。

長澤が最初に現われるシーン。
フェリーの甲板に立つ彼女の長い手足、すらりとした肢体が輝くようで、
今が旬の女優のオーラが画面いっぱいにひろがる。

満足度 ★★★1/2(星5個で満点)


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« No242「弓」~... No244「チーズ... »
 
コメント(10/1 コメント投稿終了予定)
 
 
 
Unknown (中日優勝おめでとう!)
2006-10-13 10:25:10
ほんの1分ほどのシーンでしたが、海岸で

おばあ(平良とみ)がかおる(長澤まさみ)に訥々と語るセリフが心に響きましたね。

やっぱり、人には天命があるんでしょうね。



親子って、ふとした仕草が似るんだなあ、と

思いませんでした?小泉キョンキョンも、

妻夫木も、長澤も、みーんな泣くときに

鼻をつまんでました…。







即時性の強い「メール」ではなく、タイム

ラグが生じる「手紙」をうまく使った映画

でした。



妻夫木はハマリ役。長澤まさみは、同世代の他の女優にはないオーラがありますね。

存在感が圧倒的で、とても魅力のある女優だと思いました。



沖縄オールロケが奏功。映像も綺麗でした。



なんくるないさー(なんとかなるさ)が口癖になりそう…。なんか語感のいい言葉です。





 
 
 
映画と出会う (パラリン)
2006-10-14 02:43:46
ご来訪ありがとうございます。



海を眺めながらの、平良とみと長澤まさみのシーンはよく覚えています。

観ているときは、

「平良とみさんが言っているなあ」という感じで、みていました。



でも、映画をみわって、何日もたち、「涙そうそう」のメロディが頭の中で何度かリフレインされる中で、やっぱり、あのシーンにつまっているものの重さが思い返されました。そして、やっと私の中で、平良とみさんのセリフでなく、おばあのセリフとして、ちゃんと響いてきた感じがします。



「カオル。我慢しないで、泣いたっていいのさぁ。

悲しい時は、うんと、うんと泣いたっていいさぁ」



映画と出会うのは難しいと思いました。

でも出会えたらうれしい。

なんくるないさーは、困った時の呪文に

唱えようと思います。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。