日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

白バイの“隠れ取締り”は、どう考えてもおかしいと思う件

2012-11-07 | その他あれこれ
前回エントリのテーマ「再発防止」に近しい言葉として、「予防」というものがあります。「予防」とは、読んで字のごとく「予(あらかじ)め防ぐ」ことです。その意味からすれば、「再発防止」は「予防」一部であるとも言えます。「予防」はなぜ必要かと言えば、事故が起きることにより被害を受ける人が出ることを未然に防ぐために他なりません。従い、いかにして事故を起こさせないようにするか、その点こそが「予防」最大のポイントになるのです。

ちょうどある過去のエントリに対して読者の方からコメントを頂戴し、それを上記の観点で考え改めて「おやっ?」と思わされました。白バイの交通取締りです。我が家の近くにも日常的取締りポイントがありまして、見通しの良い直線道路のショッピングモール脇入口前に信号のない横断歩道があり、その横断歩道近くのT字路に隠れて毎度白バイが待機しています。横断歩道を渡る歩行者を優先して車両が一時停止するか否かを見て、歩行者を無視した者を軒並み反則切符切りするわけです。

先の「予防」の観点からしたときに、このやり方はどうなのかと思いせんか。要するに、白バイは隠れて見ていることで、わざわざ車両に横断歩道を渡ろうとしている歩行者を無視して通行するという違反をさせて検挙するというやり方についてです。事故防止と言う「予防」を第一に考えるのなら、自らが見ている目の前でみすみす違反をさせるということ自体がおかしくはないのかと。目の前で事故が起きたらどうするのかと。白バイの行為には、「予(あらかじ)め防ぐ」努力が見られないのです。この場面で本来あるべき「予防」は、白バイは自らの姿を通行車両に大々的に見せることで、交通法規に従ったあるべき運転を促すことであるのではないのでしょうか。

ではなぜ、あるべき「予防」活動をせずにパトロールの白バイがこんな違反行為を容認するような行為をしているのか。これはもう、よく耳にする警察内部の反則金ノルマ制度の弊害以外に考えられません。反則金というものはなくて当たり前、もっと言えば反則金をゼロにすることすなわち違反者をなくすことが、本来警察関係者が共有すべき目標であるはずのなのです。どうしてこんなにおかしなことになってしまっているでしょう。警察がもし「予防」という自己の役割の認識や、反則金は少ないことが「善」であるという正しい理解ができていないのなら、それは猛省すべき問題であると思うのです。

先の取締りポイント、実によく捕まっています。私がこの地に越してきて7年近くになりますが、相も変わらずこの場所で定期的に白バイが隠れています。よほどの反則金ドル箱ポイントなのでしょう。一方でこの場所が重大事故多発地点なのかと言えば、そんな話はついぞ聞いたことがありませんし、事故多発地点であるのならなされるはずの信号機の設置もされていませんから。

警察は我々市民の安全を守ることがそのミッションであるはずです。事故多発地点でなくとも反則金がよく取れるから白バイの潜伏ポイントにしているということ自体に、その業務に携わる白バイ隊員一人ひとりが問題意識を持てるような組織であって欲しいものです。

警察関係の皆さまからの本エントリに関するご見解・ご反論、歓迎いたします。