静聴雨読

歴史文化を読み解く

「政治的アパシー」と無党派・1

2009-07-23 19:37:39 | 社会斜め読み
「アパシー」ということばがあります。英語で apathy 。手元の英和辞典によると、「無感動。冷淡。無関心。」とあります。
社会心理学や政治学でも、このことばは使われます。社会心理学では、「(他者に対する)無感動。冷淡。無関心。」の意味で使われ、政治学では、「(政治状況に対する)無感動。冷淡。無関心。」の意味で使われます。

政治の場面で「アパシー」が現われる典型は、投票行動における「棄権」でしょう。投票しても、政治状況は何も変わらない、という無力感が国民に染み付いています。

確かに、4年前に、「郵政解散」で当時の小泉首相が獲得した衆議院300議席が、後続の安倍首相・福田首相・麻生首相によって、「ねじれ現象」を解決する「打ち出の小槌」として乱用・悪用され、政権与党の評判は著しく落ちました。

対する野党は、二代続けて党首の「政治と金」問題が発覚して、昔の自民党とどこが違うのか、といぶかられています。

加えて、与野党とも、世襲議員の党首をかかえ、なおかつ、富裕層の党首を抱いています。
これでは、二大政党制に期待するのは無理な話だ、という無力感が国民を覆っていても不思議ではありません。「政治的アパシー」が慢延する素地は十分にあるわけです。 (つづく。2009/7)