静聴雨読

歴史文化を読み解く

ラーメン屋に行こう

2009-07-31 01:00:00 | 社会斜め読み
(1)荻窪に行く

東京・荻窪はラーメン屋がしのぎを削る街だ。最近訪れる機会があり、何軒かのラーメン屋で店自慢のラーメンを味わった。その報告をしよう。

[まず] 「春木屋」。
狭い店内は、昔ながらのラーメン屋らしく、薄汚い。カウンターの内側の厨房に二人、客席側に二人の体制。
ラーメン一杯800円。強気な値段だ。
かつおだしのスープは意外に濃厚。だが、舌先にツンとくるのは何だ? ひょっとしてだしを煮過ぎたのか?
具は厚さ1mm・4cm四方のチャーシュー1枚、メンマ、それにのり1枚。ねぎは嫌いなので、除いてもらった。

コスト・パフォーマンスが悪い。チャーシューメン1300円など論外だ。店の薄汚なさは、値段に反映して(つまり、安くして)こそ許されるのだが、ここではそれが期待できない。チャーシューを厚く・大きくしてほしい。

[次に] 「丸福食堂」。
同じく、狭い店内のカウンターの内側、二人だけで仕切っている。マスターとおかみさんは仲がいい。
ラーメン一杯630円。チャーシューメン930円。リーズナブルだ。
かつおだしのスープがなかなかいける。
具は厚さ1mm・5cm四方のチャーシュー2枚、メンマ。シンプルだ。
値段とチャーシューで「春木屋」に優っている。

[最後に] 「ちゃぶ屋」。
テレビなどに取り上げられている、新興勢力らしい。
店内はきれいで、薄暗い。
ラーメン一杯680円。チャーシューメンの値段は忘れた。
ラーメンを食べた。とんこつスープの甘い味になじめなかった。これは趣味の領域だが。
チャーシュー(1枚)が原型をとどめないほど、煮崩れていた。
黒いものが入っていて、わかめかと思ったら、焦がしねぎのようだ。

[総評] 3軒に共通するのは、麺の量が少ないことだ。160gくらいではないか。
ある店で食べ終わって、腹ごなしに1時間ほど散歩すれば、次の店でまたラーメンを味わえる、というわけだ。
また、麺はいずれも細麺。私の好みからはずれる。

具がシンプルなのはいいことだ。チャーシューとメンマ、それだけで十分だ。余談だが、のりはラーメンには邪道だ。スープにひたしたら、パリパリとしたのり特有の食感が失われてしまう。

平日の昼休み時で、「春木屋」の行列10人、「丸福食堂」の行列3人、「ちゃぶ屋」の行列なし。

[結論] 再び食べてみたいのは、「丸福食堂」。 (2008/6)

(2)有名店2軒

その1。

東京・池袋の「大勝軒」は足の不自由なおやじの営むラーメン屋で、各地に暖簾分けした姉妹店がある。東京・早稲田、横浜、相模原など。
店の売りは「つけ麺」で、その麺のボリューム(300gあるのではないだろうか)と、とんこつと魚介類をブレンドしたスープで人気がある。

姉妹店のひとつのある店で、「つけ麺」を注文した時のこと。私は長ねぎが苦手なので抜いてくれるよう頼んだ。そうしたら、煮卵をサービスとしてつけてくれた。なにやら申し訳ない気がした。煮卵は特に好物というわけではないが、その気持ちがうれしい。
以後は「煮卵も結構です」と断るようにしている。

その2。

東京・港区にある「二郎」はいつの間にか出店攻勢をかけていて、近々小岩店もオープンするという。朝11時前にもう待ち行列ができている。ちょうど、朝食を抜いていたので、並んでみることにした。

600円の「ぶた入りラーメン」を注文した。どんなものが出てくるか楽しみだ。さて、出てきたのは、大量の太・平麺、山盛りのキャベツともやし、分厚い(焼豚というより)煮豚がたくさん、ギトギトのとんこつスープだった。(長ねぎはなかった。また、にんにくは入れるかどうか聞いてくれる。)

若者に人気のあるのはこのボリュ-ムも与っているのだろうが、私は食べ切るのに難儀した。1年間はラーメンを食べる気がしないほどの圧迫感だ。
どんぶりの表側にもギトギトのスープが付着していて、手が汚れるのに難儀した。
難儀の二連発である。  (2006/10)