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"It never gets easier, you just go faster."

TTJ Stage 1 渡良瀬 レースレポ 

2014年06月16日 | レース
注:記事の最後に、良い子が真似してはいけないドッキリの手法を記載しました。

TTJ Series #1 Watarase
アルティメット男子登録
結果
23位/62位
30:58.348

Average Speed, 42.42km/h

戦略:20km個人TTの距離感、苦しみには直前の大黒埠頭通いで大分体を慣らすことができた。
大黒埠頭で20kmを3回走り、いずれも記録は下記の通り:
41.3km/h
40.8km/h
41.3km/h
・・・大黒タイム+1=本番タイムの法則により、目標平均速度を42.3kmに。
この目標は現実に即したものであった。

作戦:一周目はわざと遅く入る。鼻歌レベル、とまではいかないが肩の力を抜いてリラックスして走れるレベル。二周目は中盤戦で最もメンタルが要求されるところ。ありとあらゆる呪文、呪詛を駆使し苦痛と仲良くなる。三周目はラストスパート、残り2kmからアゲアゲですっからかんになるまで追い込む。

結果:
Lap 1 7.2km, 10:06, Av 42.5km/h, 175bpm, 267W
Lap 2 7.2km, 10:11, Av 42.1km/h, 183bpm, 278W
Lap 2 7.2km, 10:09, Av 42.3km/h, 183bpm, 278W

戦略、作戦、目標いずれもぴったりはまった。にも関わらず23位という微妙な順位。なんか悔しいのう。競技は相対的なもので、このハイレベルなグループでは、中途半端な結果では向上心は満足しないのだ~。

タイムトライアルは「閾値を越えないように、ギリギリの所をエアロポジションで淡々と踏み続ける」単純な競技であるが、それを達成するために個人の頭の中では様々なストーリーや複数の脳内会議が開催される。

今回は特に三周目の脳内戦略会議で出した結論が賢明(懸命?)な判断であったか、反省したい。

<レースレポ>
スタート台が用意され、いやがおうにも高揚感が高まる。40秒前出走が元オリンピック代表、現日本代表コーチ?の飯島選手。どこまで食らいつけるかわからないが、見えるのであれば人参として目標にしたい(結局一度も視界にとらえることはなく、ぶっちぎられた)。20秒前の選手はDNSのようである。スタート台では係員にサドルを持っていただけるので、慣れない感じで「よっこいしょ」と両足のクリートをはめる。なんか自転車が左に傾いている感じがしたので、すこし調整してもらう。

MCがヘルメットの向こうから「竹芝のジャージです!このチームは名門で、むにゃむにゃむにゃ・・・」と実況しているのが聞こえる。すいません、今年度はチーム登録もしていませんし、実業団の経験も数レースしかないんですけど・・・
チームの面汚しをしない成績を残さないといけませんね~。

スタート!
勢いよくスタート台を降りるものの、あっという間に右コーナー、しかも道がぬれているので、恐る恐るペースを上げていく。とにかく意識してペースをあげすぎないように、マイペース、マイペース。この、「始めちょろちょろ、中ぱっぱ」作戦は、何度も練習してやっと体得できたみたい。特に無理もない負荷である。コースは湖を渡る最初の直角左コーナーまでは、やや向かい風。向かい風区間は40-42kmくらいで淡々と。コース上には先を走っているクラスの選手がたくさん走っているので、抜けるのは気持ちよいが、みなTTバイクなので速度域が高く、左から抜くか右から行くか、それなりに気を使う。みな40km前後で走っているので、相対速度差は2kmくらいでゆ~っくり抜いていく。


一周目はやっぱり上体もリラックスしています。
ただしこのヘルメットと背中の隙間が×ですね~!
①ヘルメットを浅く被る。
②水平かマイナスステムでハンドルを下げる。
を試してみようと思います。

最初の左直角コーナー。前日読んだHorner本、"Reading the Race"のタイムトライアルの章では、「風をよめ、試走は何回もしろ」と書いてあったのが印象的であった。
風に関しては木々の葉や、川、湖のさざなみを見ると情報が得られる。このコースは遊水地であるので、常に左の湖面をチラチラ見ながら風を確認するものの、自分が走っている時は特に大きな変化はなかった。
試走は特に重要!今回は平坦でドライというコンディションだが、コーナーで膨らんでしまうケースが良くあったと聞く。また、混走なのでスピード域の違う選手と一緒にコーナーに入るケースもあったかもしれない。午前中の試走時に、ポイントになるコーナーは(コース上を数回逆走して)ゆっくり、中くらい、そして全開で試してみた。結論としては、50km近くでているのでなければ、上体を起こした空気抵抗エアブレーキ+バイクを傾ける+体重移動+アウトインアウトでぎりぎりコーナーをクリアできることを確認した。
とくにコーナーの出口にカメラマンがいたりしたので、その人にぶつかるイメージでコーナーを脱出するとちょうどよかったw

最初の直角コーナーを曲がると、遊水地を横断する橋区間。ここが微風の追い風区間で、スピードは45km+になる。毎周この区間でスピードを出すのだけが楽しみであった。二回の橋に微妙なアップダウンがあるので、そこの下りを利用してスピードに乗りその慣性エネルギーで高速巡航できる。

二回目の直角コーナーを左折すると、ゴールまでは後2km。ここは景色も開けておらず、残り距離の標識がかえってモチベーションを奪うが、S/G地点に戻れば大勢の観客がいるので気持ちを奮いたたせることができる。特にTeam ARIの大応援団にはたくさん応援いただきました。あのようなダミ声応援は嬉しいよな~。

一周目:Lap 1 7.2km, 10:06, Av 42.5km/h, 175bpm, 267W
↑同タイムの人のデータを見ると、自分の一周目はとてもスローらしい。

二周目、ここが踏ん張りどころ。
「一周走った後の自分」を妄想しながら苦痛をやり過ごす。
向かい風区間ではどうしてもペースが落ちてしまうが、激しくペースが落ち込むことはない。あまり力を入れて踏みなおすと消耗するので、微妙にパワーを調整しながら踏んでいく。
走行中にほとんどメーターは見ない。情報量が多すぎるから。
平均速度と心拍を視界の端でチラ見する程度。パワーはPowerCalなのでどのみち当てにならない。
心拍は既に180に入っている。これは予想通り。
平均速度は42.5前後。これも予想通り。
やはり橋の手前の向かい風区間がきつい。はやく追い風区間にたどり着きたい。

二周目:Lap 2 7.2km, 10:11, Av 42.1km/h, 183bpm, 278W
↑やはりペースは落ちています。きつくなって、パワーもあがっているけど遅くなるという。

ラスト周回!ここまできたらあと一周ですからリタイヤの心配はありませんw


Team ARI応援団の前は舌ベロベロで通過します。きっついきっつい。
一周目のリラックスした感じはどこへやら、残った筋肉を総動員して風力の壁と戦う感じ。
体重77kgなのに細身に見えてしまうのはなぜなんだろう?

橋に至る向かい風区間で、後ろからゴゥゴゥいやな音が聞こえてきました。
そう、最終走者グループたちが追いついてきたのです。こちらは最終周で42キロペース、最終グループは44-45キロで走ってくるわけですからそりゃ追いつかれるわな。

まず最初のゴゥゴゥは高岡さん。
ゆっくり抜かれて、そのあと5mくらい間をあけて人参にさせて頂きました。

次に、白赤基調のジャージの選手に、ものすごい「スロー」スピードで抜かれました。
ゼッケンを見ると・・・あれ?2410番台?
初めて同じ時間帯の選手に抜かれました。これはK納選手かな?彼も同じ三周目ということで、かなり疲れている印象。
スプリント一踏みで追いつかなくもないですが、そんなことをすると後がどうなるかわかったものではないので、結局ゴールまで視界の中にとらえつつも、抜き返すことはできませんでした。

次のグワングワンはポールさん。
ドカーンと異次元のスピードで抜かれました。さすがに後ろにつくのはためらわれる速度域。

コーナーを曲がって、橋区間に入ります。残り4km、アベは42.3-4でいい感じです。自社比ではよい記録が期待できます。
しかし、ここで左脚が攣りました。大黒埠頭でも20km TTをすると毎回最終周回で脚は攣っていたので、全力を出しているバロメーターでもありますが、やはり痙攣は困ります。
ギアを軽くして、ケイデンスを高くして初期痙攣が収束するのを待ちます。

リアディレーラーはクラリスちゃんなので、路面のちょっとした凸凹を拾って勝手に重いギアに変速するたびに「んぐぅ!」となります。

そして背後からまた気配が・・・
次のドウドウドウは全日本チャンプの大場さん。
見送ります。送り出しw

そして残り2km!
メーターを見ると相変わらずの心拍180台。100m先に先ほど自分を追い抜いた選手。手を伸ばせば届きそう。
どこからスパートをかけるか・・・
そしてここで最終走者の藤田選手に抜かれるw クライマーなのに速いなぁ。

「スパートするぞ~」
「スパートしなくちゃ~」
「スパートしないさいよ~」
と念じているうちに体が反応せず残り300mになってしまった。
あわてて腰をあげてスプリント!
何やってんだか・・・

残り2kmであれば、心拍がいくつであろうと、足が攣っていようと、ゴールラインを越えればぶっ倒れてよいわけなので、遮二無二全力出すべきなんですが、怖気づいてしまいました・・・

<エピローグ~極悪ドッキリカメラ~>

ゴールして、ゴール地点に向かう選手用のコースではなく、周回コース上でぜぇぜぇはぁっはっつしていると、コース上にいたりゃうさんが、
「ニャロさ~ん!何やってんの!もう一周あるよーっ!」
「えっ!ええええ!三周走ったよ。」
この時、瞬間最大で心拍は200を越えたと思います。酷い悪戯を食らいました・・・・

良い子のみなさんはこのようなドッキリをしてはいけませんよ。