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"It never gets easier, you just go faster."

Madone 7.7 120km走ってインプレ

2014年03月29日 | インプレ
もう2週間も昔のことになってしまいましたが、BEX ISOYAさんよりMadoneを借りてプチロングライドインプレッションを慣行してまいりました。
試乗の前日のこと・・・
小野てんちょ「ニャロメさん、試乗のMadoneは6(先日のDomaneが5グレードだったため、同等グレードの試乗を希望していた)ではなく、トップグレードの7になっちゃいました~^^)。世界最高のロードバイクをお楽しみください。」という営業メールが。
実際ご対面するとおぉぉぉぉ!というルックス。ということで、バイクポルノと題しルックスにのみ絞った記事をお届けいたしました。

さて、試乗はどこに行こうかな~。
しかし、その日は会社にPCを取りに行く用事があり、しかも2時に帰宅せよとの縛りがありました。
結果、宮が瀬に車をデポし、道志道を登って笹子に行くことに。昔から気になっていた林道があるのです。
また、7kg以下のライトウェイト級バイクですから、登りが多いコースを走らなければ・・・という思いもありました。

今回は、120kmライドのレポートをしながら、道中感じたバイクの感覚を(主観的に)インプレしていきたいと思います。
ベンチマークは、当然のことながらDomane 6

まずは先を急いで結論から!

★★★★☆ 4.5/5
PROs
- ロードバイクは見た目が命。マッシブなヘッドチューブと鉛筆のように細いシートステーを眺めながら何杯でもご飯がいけちゃう。
- Aeolus G3ワイドリムディープホイールのもたらす安心感(Madoneには関係ないけど)
- 50km以上で下りを飛ばすとはじめてわかる、ヘッドチューブ周辺の空気の流れ。明らかにスムーズで空気の渦がない。ロングのTTにも向いているのではないか、と思われる。
- BBやヘッドチューブは剛性の塊だが、路面の衝撃は適度に吸収されている。きれいに整備された日本の道路には必要にして不足なし。
- とにかくあほみたいに軽い!ダンシングをしたくなるバイク。ダンシングをしていて楽しいバイク。
- ダイレクトマウントブレーキにより、ブレーキタッチのリニアリティ向上。タッチのフィールは自分の持っているカンパアテナに似ている。制動力はもちろんそれ以上。
- H1ジオメトリーはかなりアグレッシブにハンドル位置を下げられる。

CONs
- リアエンドまでカーボン。倒したら壊れそうなほどほっそいシートステー(←あくまで主観的な心配事)
- 悪路を走りながらペースを上げたいとき、Domaneが恋しくなる。(日本の整備された道路にはMadoneで十分とも思うが、やはり悪路の区間を走っている時には気になる)
- H1ジオメトリーはハンドルを低くしないとスペーサー山盛りになってかなり格好悪い。これは見た目ファクターとしてかなり熟慮を要する。フミもH2と言っているし。同じ180cmのフミが言っているので、かなり参考になります。
- BB下ブレーキのメンテナンス性の悪さ(割り切っているともいえるが)
- 負荷をかけると、BB下ブレーキがホイールとすっている音がした(気のせいかもしれませんが、これについて言及している海外の記事があったので。だがソースを失念した。)

・・・はじめて試乗車に触れたとき、とにかく見た目が格好良くて笑いが止まりませんでした。やはり、ロードバイクにとって見た目は大事です。何年も付き合うわけですから。
そして、実際に乗ってみると、軽くて硬くて反応性がよく、私のような重量級ライダーでも自然に山に足が向いてしまうような気持ちにさせるバイクです。
Domane 5.2のエンデュランスフィットと比べると、見た目と軽さはMadoneの勝利。乗り心地と付加価値はDomaneの勝利。
後は・・・Domane Classic Edition。これの見た目は格好いいんですよ。後は本当に家計との勝負ですw

というわけで、あくまで同じメーカーのDomaneをベンチマークにつかった主観的インプレでございます。御参考の一つにして下さい。それでは、宮が瀬をスタートするところから!

と、その前に、
+++Madoneフレーム剛性の数値データについて+++
一部コミュニティでかなり読まれたらしい、各社フラッグシップの剛性データ比較は、当ブログのこちらの記事をご覧くだしゃい。
Madoneにおいては、H1フィットとH2フィットによって剛性数値が変化しているところが、非常に興味深いですね。

+++本編+++


明け方の気温は-2℃。日蔭のコーナーは雪の染みだしにくわえて融雪剤が膜を作っていて、恐怖。おかげさまで登り並みのペースでしか下りコーナーを攻められず、ゆっくりゆっくり山梨を目指します。
ブレーキング

その日は日蔭コーナーは雪が染みだしていて、その上融雪剤。コーナーでバイクを倒そうなものなら、たちどころに出足払いをくらいかねないスリッピーなコーナーがたくさん。それゆえ、高速からフルブレーキングしてコーナーリングというようなシチュエーションを体験することができませんでした。ブレーキング、高速コーナー追従性能については採点できません。
ただし、ダイレクトマウントのブレーキは必要にして十分。純正のボントレガー製からシマノ製にグレードアップすれば更にリニアなブレーキタッチが得られることは容易に想像できます。


ブレーキがBB後ろに移動した関係で、ブレーキアーチの開放はヘッドチューブにケーブルが内蔵される入り口のところのツマミをひねっておこなうように変更されています。
同じく、フロントブレーキの開放も通常とは逆方向にひねって行います。
ダイレクトマウントですが、これによるエアロ効果はまああまり考えなくていいでしょう。剛性感のフィールと、軽量化を狙っているのだと思います。それにしても、天下のシマノに自社製の規格にあう製品を採用させるTREKの営業力はすごいな。そしてそれに応えることのできるシマノの対応もすばらしい。


久保の吊り橋は大室山への登山口なんですね。一度挑戦してみたい。撮影のために人様には見せられぬへっぴり腰になっていたのはナイショ。


道志道の駅の手前で、右折します。初めての峠・・・


山伏峠ではなく、初の道坂峠を登って(頂上には雪の回廊ができていました)都留へ抜けます。

ダンシング
軽いです。試乗車は7kg切っていたと思います。それに加えて、ブレーキをBB下に移したことによりシートステーのブリッジ部がなくなっていますから、ダンシング時にバイクを振ったときの軽さが快感。
このバイクはサドルバックとかつけてシートポスト上部の重量を増やしてはイカン!と個人的には思います。
試乗車のギア構成は53/39T-11/25Tで、体重ヘビー級の私はこのようなギア比で獲得標高が120kmで2500mを越えるような山岳コースは普通挑戦しないのですが、今回は一部の激坂を除きこのギア比でも殆ど問題なく走ることができました。
シッティングでも十分登れますが、ダンシングしたくなるバイクです。


この、ブレーキアーチをなくしたシートステーがどこまで軽いフィールに貢献しているかわかりませんが、細かい改良の積み重ねでこの"Spritely"な乗り味を作っているのではないかと思います。


シッティングで登るときは、エアロハンドルのフラットな部分の宿り木に掌をそえるだけ。これがまたよい。
苦しい時にガシッ!と握って手前に引きながら登る走り方には向いていないだろうけど。


道坂峠を登り切り、都留市内へのダウンヒルの開始。前述の通り、日蔭のコーナーはリスクを負わずゆっくり走りましたが、一直線の下りでMadoneの空力性能の良さを痛感しました。


ヘッドチューブ、ポジション

実物を初めて見て真っ先に目に付くのが、圧倒的なボリューム感のヘッドチューブと、端をスパッ!と叩き落とした感のあるカムテール形状のチューブ。これにより、エアロでありながら体積を小さくし、軽量化に成功しています。DHバーをつけてディスクをはいてもTTバイク然となるのではないでしょうか。試乗車のサイズは56で、私の身長が180cmですので、少しスペーサーが山盛りになってしまいました。見た目的にこの煙突屹立状態は悲しいので、H1にするかH2にするか悩みどころ。
低速~中速ではエアロ効果は体感できません。エアロ効果を明らかに感じたのは、道坂峠を下り、都留市外に向け時速50~60kmで高速ダウンヒルをしていた時。いつもとくらべて、ヘッドチューブ周りの空気が非常にスムーズに流れている感じ。体がうける風の抵抗は当然変化しませんが、明らかにヘッドチューブ周りがスムーズにながれ、推進しているフィールがある。カウルでもつけているのではないの?と思うくらいです。まじまじ。




都留を通過して林道の入り口である大幡の町に向かいます。
林道の入り口の近くで勾配20%の悪路の歓迎を受けました。さすがにレギュラークランクでは厳しい。


今日のお目当ては都留の山奥から笹子峠に抜ける黒山田林道


標高700m近くに登り口があります。ここまで来るのも結構なヒルクライム。山が深く、人家少なく、青空と雪の白が眩しい。


なお、山奥には先日の大雪で倒壊した家屋、小屋がたくさんありました。
一抹の不安を覚えながらもメインディッシュの林道の絶景に期待しながら登っていくと、除雪された道路の幅がどんどんどん、狭小になってきます。


残念なお知らせ~
林道開始から1kmもたたないポイントでこれですよ・・・
だったら下に看板出してくれよう


しかたがないので下り返して、都留市大幡と初狩をつなぐ県道712号線へ。この道、あまり面白くないw
しかもすぐに登り切ってしまい拍子抜け。

今日はブルベ富士みちが行われているので、多くのブルベーとすれ違った。この辺りから先頭集団とすれ違い始める。そして、初狩の20号でまさかのりゃうさんとすれ違いwww
下りの20号では、これでもかこれでもかとブルベなみなさんが対向車線から挨拶していただけるので、会釈のしすぎで首がいたくなりました。


藤野を過ぎたところで右に折れ、神奈川練のコースをゆっくりとトレース開始。途中神奈川の最後の秘境、網子集落によってリラックス。ここは本当に神奈川のチベットです。ひとり疲れた足を癒しながらポタポタするには最適の集落。


雛鶴に向かう途中にあります。いいところでっせ。お勧め


公民館の看板の字の向きにも止まってしまった時の流れを感じます。大切にしてほしいな。


ちょうど120km走って試乗を終了。本当は高速ダウンヒルをもっと攻めたかったw
Distance 122.1km
Altitude Gained 2,335m
3,865 kcal

フレーム以外にも、Aeolus G3ホイールそして機械式DuraAceの印象も満点に近い好印象。
正直コンポは電動アルテに心を決めかけていたのですが、機械式Duraの圧倒的スパスパ感とそのルックスに決意は揺らいでおります。

さて、DomaneとMadoneの乗り比べ試乗は終わりました。
結論は、まだでません。
Madoneにするか、Domane Classic Editionにするか・・・(預金通帳をめくる音)(溜息)

最後に、三船さんと山本さんによるバイクラのインプレ記事はこちら。今回書洩らしがあるかもしれないので。ハンドリング、とか反応性とか。