アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

アイヌ語地名研究大会

2008-07-20 05:59:32 | インポート
18日はアイヌ民族委員会・アイヌ民族情報センター合同委員会が札幌であり、一泊で行って来ました。
委員会前に欲張って、北海道大学のアイヌ・先住民研究センターをお訪ねしました。
山崎さんに案内していただき、過去の参加できなかったいくつかのセンター講演ビデオを見せていただきました。
最近の講演はほぼ、パワーポイントを使ってのものなので、録音テープだけでは分かりにくいのですが、
こうしてDVDで撮っておくと助かりますね。
いつかはホームページで閲覧できるようになれば助かります。

今回は時間もなく、6月に開催したハワイ先住民族の伝統的な踊りを紹介して頂いた講演を見せていただき感動。
最後にみんなで手をつないで歌ったメロディーは讃美歌でした。
台湾の場合はキリスト教が原住民族(ユエンツーミンツー)の解放の力になっていますが、
ハワイや他国の場合も調べてみようと思います。

19日は「第12回アイヌ語地名研究大会」の一部に参加してきました。
はじめての参加でしたので興味深々でしたが、大変おもしろかった!
研究者の平 隆一さんは「松浦武四郎文献における空知の『アイヌ古道』-石狩川右岸」を講演。
淡々とリズミカルに語りる内容がうなずくことばかり。文献調べも大変細やかな内容でしたし、
ご自分おひとりで現地の調査にも頻繁に出て行かれているご様子。
すでに藪に囲まれたアイヌ民族の人びとが使っていたとされる「古道」を確認されているのですね。
「なにぶん、わたくしひとりでの行動なのでこれ以上行くと熊にあうのもいやなのでここでやめました」と、
命がけ調査に驚きと感銘!
研究もして、調査もしてという姿勢を見習いたいと反省。早速、アイヌ語地名データーベースの本を読みたくなりました

研究方法としての帰納法も分かりやすく、納得いくものでした。
さらに、ある文献比較をしつつ現地に赴きながら、その場所には明らかにアイヌ民族の人たちが住んでいたという証明をされ、
「先住権が主張できる!」といわれたことにも感動。
このようなかたちで権利回復の働きに連なることが出来るのですね。

石狩川右岸の調査ですので、わたしの住んでいる留萌周辺のことが述べられていました。
留萌の南にある増毛町信砂川をさかのぼって行なわれていた「信砂越え」は、
なんと、増毛と石狩川を結ぶものだけではなく、はるか虻田方面やオホーツク海を結ぶ道につながっているというのです。
アイヌ民族はきわめて広範囲な流通を川筋を使ってしていたのですね。

今日は美馬牛の礼拝の奉仕をし、その後、合唱劇「カネト」観賞。
今晩は旭川にて教師会で泊まり、翌朝は旭川アイヌ民族フィールド・ワークのお手伝い。
火曜日からはアイヌ奨学金の委員会で東京出張。
このチャンスに東京のアイヌ民族の皆さんとお会いできればと願っています。
木曜日に帰宅しますので、また報告はその後にさせて戴きます。



おいしいサクランボ。
今年は冷害で例年の半分だといいます。


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