アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

「人間」展示の歴史

2011-11-30 13:48:08 | インポート
フランス・パリ(Paris)のケ・ブランリー美術館(Musee du Quai Branly)で28日より「作られた未開人(the invention of the savage)」展が開幕したというニュースが入りました。
「『人間動物園』、植民地支配の負の歴史を伝える展示会 フランス」(AFPBB News 2011年11月29日 18:20)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2843167/8139713?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics


植民地主義による負の歴史と向き合う展示会。植民地から先住民族を連れさり、「未開」と「文明」のコントラストを示すために「展示」したということは過去blogにも書きましたが、その歴史を展示したとのこと。
(http://pub.ne.jp/ORORON/?search=11138&mode_find=word&keyword=%E4%BA%BA%E9%96%93%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%9C%92)

今回の展示会では先住民族がどのように「扱われた」かを絵画や彫刻、ポスター、書籍など600点で展示。
なかには白人がいかに優秀だったかを示すために用いられた頭蓋骨計測器もあるとか。
形質人類学で用いた道具でしょうか。頭蓋骨の大きさで優劣を調べたという差別的な研究・・・。
見たいですね。

もちろん過去展示の問題点も示しているのでしょう。

同じニュースに、ドイツのハンブルク(Hamburg)で動物園の入口には、たくさんの動物の像と共にアメリカやアフリカ先住民族の像が今もあると書かれていました。動物園と植民地主義の問題も過去に書きました。
また、ある人の調査では1810年から1958年の間に各国の展覧会やサーカス、劇場などで見せ物として先住民族を(「未開人」)を見た人は14億人に上ると推計されると・・・。

アイヌ民族も過去に「展示」されました。
1872年:湯島聖堂博覧会(東京)
1873年:ウィーン万国博(オーストリア)
1903年:第5回内国勧業博覧会(大阪)
1904年:セントルイス万国博(アメリカ)
1907年:東京勧業博覧会(東京)
1910年:日英博覧会(イギリス)
1912年:明治記念拓殖博覧会(東京)
1913年:明治記念拓殖博覧会(大阪)
1914年:東京大正博覧会(東京)
1918年:開道五十年記念北海道博覧会(北海道)
1922年平和記念東京博覧会(東京)

(過去blogも参照  http://pub.ne.jp/ORORON/?entry_id=954230)。

日本でも負の歴史を伝える展示会を考えてほしいですね。
アイヌ政策推進議会がすすめている「民族共生の象徴となる空間」の博物館の1コーナーにどうでしょうか。
以前から考えていたことですが、盗掘といい、研究といい、負の歴史を分かりやすく展示したらいいのです。
人形などでアイヌの目を盗んで墓を掘っている姿や、頭骨や生身の人間を計測している姿など、どうでしょう。



「ノヤ」入稿を終え、発送準備ちゅうです。今しばらく、お待ち下さい。
明日も作業メンバーとノヤ発送。明後日は会合で札幌です。


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