新十津川町は、奈良県吉野郡十津川郷(現・十津川村)からの移住者が開拓した町です。
移住のきっかけになったのは明治22(1889)年8月の大水害。
その水害で生活の場を失った住民、600戸2,489人がこの地に入ったのが町の始まり。
以来、新十津川町では十津川村を母村(ぼそん)と呼び、両町村は強い絆で結ばれています。
去年の台風12号で大きな被害を受けた十津川村の支援にいち早く名乗りを上げたのも新十津川町でした。
新十津川町はとにかく、十津川村の水害とそれに伴う移住の話がなければ始まりません。
そのあたりの経緯が詳しく展示されています。
これは町外の方よりも町内の小学生あたりにしっかり学んで欲しいことなのでしょう。
展示内容を解説した小学生向けの簡単なガイドが用意してあります(私もいただきました)。
自分の住む町や村のルーツがどこにあるのか、新十津川町ほどはっきりしているところは少ないでしょう。
だからこそ余計に、そういう事実をしっかりと子どもたちに伝えていくことが大切です。
さて館内にはところどころに年表があり、展示内容もその年表に沿って進んでいきます。
こういう見せ方は北海道でしかできませんね。
新十津川町は開拓が始まって120年ほど、これくらいだと主な出来事を年表にしても収まりきる。
博物館では普通は商業や教育といったテーマごとに展示内容を分けていくものですが、
年代を追ってシンプルに解説するのもいいものだなと思いました。
またここでは毎週日曜日、希望すれば収蔵庫を見学できます。
私ももちろん見学してきました。
その感想は、“素晴らしかった”とだけ言っておきましょう。
十津川村から持ってきた品々、開拓以来の歴史を飾ってきた生活道具たち。
私でも博物館の類では初めて見るものがいくつもありました。
*新十津川町開拓記念館
住 所:樺戸郡新十津川町字中央1-1
開館時間:10:00~16:00(金曜日は~13:00)
入 館 料:大人140円、小・中学生70円
休 館 日:毎週月・火曜日、11月~4月