菅内閣の政治主導が果たして思惑通り機能するか、幾つかの疑問点を検
討してみよう。
□成立が懸念される法案――
●国家公務員法改正案・・・
○内閣人事局が幹部人事を一元管理する
○次官の部長への<降格>、部長の次官への<昇格>を可能にする
○天下り根絶の<監視組織>を新設する
※これに対し官僚の立ち位置は「人事ローテーションが崩れる、ゴマすり官僚
が増えるのでは?・・・」、「どうせ降格人事なんて出来っこない、自民党、みんな
の党より遣り易い云々・・・」と嘯く。
●地域主権改革関連法案・・・
○国と地方の協議の場の法制化
○「義務付け・枠付け」の一部廃止
○将来は、ひも付き補助金を“一括交付金”に、出先機関を地方移管に
※政務三役は官僚に洗脳されて「補助金に国の関与は必要?」、「出先機関も
必要?」と真顔。これに対して官僚は「政務三役を取り込め!と大号令?」と嘯
く。 地方首長は「今国会で絶対成立を! 我々は、キャッシュ・ディスペンシャ
ー(現金自動支払機)じゃない」と鼻息が荒く息巻く。
□成立が見送り公算の法案――
●政治主導確立法案・国会法改正案
○副大臣等の政府入り議員を15人増員
○官僚答弁禁止で国会審議活性化
○国家戦略室を局に格上げ
※政治家は「僕らの政府入り案が水泡に帰する・・・」と深刻顔。官僚は「副大臣
が増えても負担が増えるだけ、成立見送りで助かった?」と嘯く。 さて、菅政
権、これ等の懸念材料を、どう収拾するのか?菅内閣の手腕の見せ処である
が“閣僚が官僚をどう使いこなせるか”が問題である。菅首相は、「官僚の知識
や経験を十分生かしながら政策を進めていく」と言うが、「脱官僚依存」から「政
治主導」を 本物 にするかが第一のステップである。昨日、公表された新成長
戦略(10年後の2020年までの)の“21国家戦略プロジェクト”と<消費税増
税10%>については次回、開陳する。