見せかけの合意より実質が伴った共同声明が、沖縄県民の悲願・宿願だ
った。結果は、雲隠れして五里霧中になった。失望が全身を覆った。肩すかし
である。具体策は、ワーキング・グループに委ねられたが県内のたらい回しが
危惧される。米国の識者や米紙は一斉に報じた。“チェンジ”を標榜しキーワー
ドにしたオバマ大統領と鳩山首相である。ならば新政権では、<合意の見直し
>もあって然るべきである・・・。オバマ大統領は、<辺野古現行案>に柔軟な
姿勢を示し傾斜している。この時点で鳩山首相は、押しの一手で臨むべきであ
る。・・・シーラ・スミス米外交問題評議会上級研究員は、ワシントン・ポストに論
文を寄稿している。“ゲーツ国防長官の県外移設を拒否した発言は、日本国民
に衝撃を与えた”、と異論を唱えている。つまり、<圧力外交で普天間飛行場
移設問題の解決を図ろうとしている>と、断じた。そういう<対日説教外交>に
終止符を打つべきだ、と批判。日米同盟の基軸を基底に普天間基地移設問題
は、長期的視野に立って解決を図るべきだと指摘している。 オバマ・鳩山新
政権は、信頼関係を築く機会にすべきである、とも指摘している ―― オバマ
訪日で ―― 。 米経済誌 ウォール・ストリート・ジァーナル、全国紙USAトゥデ
ー、ニューヨーク・タイムス、ロサンゼルス・タイムズ、ワシントン・ポスト等々は、
沖縄の“県民集会”を航空写真入りで大々的に報じた。<米軍普天間飛行場
の辺野古沖への移設に県民は断固反対している>と。――県民は、県内のた
らい回しだと強く反発している、と――。米国・日本両政府は、沖縄県民の意思
を最大、尊重すべきである、と痛烈に批判している。地元の参院議員 喜納昌
吉氏は、“沖縄県民の所得は、全国で最低であり失業率も高く基地依存は、現
状改善への貢献にはならない”、と指摘している事も紹介している。米の専門
家も「普天間論争を長引かせることは日米両政府にとって大きなリスクが伴
い、パンドラの箱を開けるに等しい」という意見も紹介している。・・・思うに、こう
いう客観的批判や指摘を沖縄県民の意思(心)の表示だと認識しオバマ大統
領や鳩山首相は、謙虚に受け止め早期の県外、国外を実現すべく努めるべき
である。