民主党と自民党の農政公約・マニフェストが出揃った。どの政党の政権公
約が実現の可能性があるのか、次期衆院選の争点になる。以下に列挙しよ
う。自民党は、減反（生産調整）は堅持する、と公約。民主党は、農地集積は
廃止、と主張する。主な論点を以下に示す。・・・
●米の生産調整（減反）・・・
○自民党・・・維持。水田のフル活用。不公平感の解消。
○民主党・・・選択制。米、大豆、麦などの生産目標達成と所得補償を連結。
●農業所得・・・
○自民党・・・水田フル活用を柱に農業所得を増大。
○民主党・・・農林漁業への所得保障に約１兆４０００億円。
●財源・・・
○自民党・・・補正を含め０９年度農林水産予算３兆６０００億円を確保。来年度
も十分な予算を確保
○民主党・・・予算の無駄遣い見直しなどにより、政権公約で掲げる政策実現
に必要な財源を確保。１次産業全体で１兆４０００億円の所得保障。
●食糧自給率・・・
○自民党・・・おおむね１０年後に５０％に引き上げ。
○民主党・・・１０年後に５０％、２０年後に６０％。
●ＷＴＯ・ＥＰＡ・・・
○自民党・・・農業の多面的機能の尊重を柱とする日本の主張反映を前提に交
渉推進
○民主党・・・農業の多面的機能が果たす役割を軸に、日本の主張を展開し、
交渉を推進。
●農地集積対策・・・
○自民党・・・新たに農地を貸し出す農家に１０アール １万５０００円の補助金を
交付し、農地の面的集積に加速。
○民主党・・・農地集積加速化の対策は廃止し、所得補償の財源に充てる。
●食の安全・安心・・・
○自民党・・・ＪＡＳ法改正し今年から食品の示違反に対する罰則を大幅強化。
○民主党・・・加工食品や外食での原料原産地表示の義務付け拡大。
※：農地集積対策では、自民党は「利用権の緩和で担い手への農地集積を目
指す 改正農地法 との両輪」と位置づけ着実な実施の必要性を強調。
対する民主党は、「借り手の経営が安定しない限り農地集積は進まない」と
主張。
※：同対策の予算規模は３０００億円。その確保にも両党の手法に違いが見ら
れた（詳細は略）。
