民主党の分権調査会は、道路、河川、ダムなど国の直轄事業の地方自
治体負担金を廃止し、約1兆円の地方負担を軽減する地方分権に関する報告
書をまとめた。・・・
― 衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込む方針 ―である。
・・・「霞が関の地方支配を解体し、地域主権を確立する」・・・
と宣言。全国に約1800ある市町村を、最終的に300程度の基礎自治体に再
編する。国や都道府県の権限と財源を大幅に地方に移譲して地方分権を確立
する、としている。政権獲得から5年-10年後に市町村を700-800にする
ことを当面の目標にする、と打ち出した。負担金廃止に関しては、直轄事業の
必要性を検証すると同時に地方交付税を減額しない措置を執る。国の出先機
関を原則廃止し国道、河川など直轄事業の大部分の権限と財源を地方に移管
する。そういう案を22日決めて報告した(報告書にまとめた)。
●国の役割は・・・
1.“外交と治安”
2.“社会保障制度”に限定(根幹部分に限定)
※基礎自治体の権限の規模は、現在は人口<70万人>(政令市と同等の権
限を要件とする)を、<30万人>程度にする仕組みにする。
※中央省庁の紐付き<個別補助金>を全廃し自治体が自由に使える様にす
る。使途を自由に決められる一括交付金とする事にし、財政面でも地方の
自立を目指す、としている。
※財政の健全性を確保する<監査制度>の充実や<議会の機能強化>な
ど、行政の監視を強める制度も盛り込まれている。・・・
この民主党案(報告書)では自民党との政策の違いを鮮明にして新たな地平を
切り拓く事が予感される。自民党政権では巨大な官僚組織の抵抗に合い実現
不可能な政策を民主党案(報告書)では可能性を感じさせる。政権交代で新基
軸を切り拓き政界を刷新してもらいたい、という希望を感じさせる報告書になっ
ている。期待したい。