●国連安保理決議1718・・・
北朝鮮(2006年10月)の核実験実施発表を受けて採択。北朝鮮に対する初
の制裁決議。同年7月<弾道ミサイル発射>を受けた決議1695と同じく、北
朝鮮に「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動を停止」するよう求め、更
に核兵器や弾道ミサイル計画を完全、検証可能、不可逆的な方法で放棄する
ことを要求。加盟国に対しては、核・ミサイル関連物資や ぜいたく品 の北朝鮮
への輸出禁止などを求めた決議。日本政府は、弾道ミサイルと衛星打ち上げ
の技術は基本的に同一であることから、北朝鮮が「人工衛星」を名目にしても
両決議に違反するとの立場をとっている。
●ミサイル防衛システム・・・
政府は2003年末に導入を決定。04年度からイージス艦へのスタンダード・ミ
サイル3(SM3)の搭載。パトリオット・ミサイル3(PAC3)の配備。地上警戒
管制レーダーの整備を推進。09年度までに約7900億円の予算を費やした。
ミサイル1発の価格は、SM3が<約10億円>、PAC3が<3億~5億円>。
●SM3・・・
イージス艦から発射し、弾道ミサイルを迎撃するミサイル。日米共同開発中の
能力向上型は、推進力と破壊力、標的の識別・追尾能力を改良することで、命
中精度の向上と防護範囲の拡大を図る。防衛省の試算では、開発費用は2
1〜27億ドル、日本側負担が10〜12億ドル。2015年度からの生産開始を
目指す。
●パトリオット・ミサイル(PAC3)・・・
米陸軍が開発した地対空誘導弾。日本は1985年に導入を開始。現在、航空
自衛隊の全24高射隊に27基の発射台を配備。日本以外では、米国、ドイツ、
イスラエル、サウジアラビアが保有。地対空誘導弾パトリオット・ミサイル=PA
C3とは、米国が開発した陸上配備型の最新鋭迎撃ミサイル。大気圏外から高
速で落下してくる弾道ミサイルを直撃して破壊する。日本は2007年度に配
備。イージス艦に搭載し、大気圏外の上層で弾道ミサイルを迎撃するSM3と
セット。日本のミサイル防衛システムの一翼を担う。
●弾道ミサイル・・・
ロケットエンジンで推進し、放物線を描いて飛ぶ兵器(誘導弾)。遠く離れた目
標を攻撃可能。高速のため迎撃は困難。北朝鮮は、米アラスカ州に達すると
みられる長距離弾道ミサイル「テポドン2」、日本を射程に収める中距離弾道ミ
サイル「テポドン1」、「ノドン」などを保有している。米西海岸まで達する「テポド
ン2」改良型も研究しているとされる。
●テポドン・・・
北朝鮮が開発を進める弾道ミサイル。
▲テポドン1号(射程1500キロ以上)テポドン1号は、1998年8月に発射実
験が行われた。弾頭の一部が日本列島を越えて、太平洋に着弾。日本に大き
な衝撃を与えた。北朝鮮が独自に開発したノドン(射程1300キロ)を一段目
に、旧ソ連製のスカッド(射程500―600キロ)を2段目に利用した液体燃料
推進方式のロケットを基礎に、固体燃料推進方式の3段目のロケットで構成さ
れている。
▲テポドン2号(射程3500―8000キロ超)<テポドン1とテポドン2の二種類
がある>テポドン2号は、新型エンジンを1段目に、ノドンを2段目に利用してい
ると推測。北朝鮮は昨年9月の日朝平壌宣言で、2003年以降も弾道ミサイル
発射凍結を約束。発射の場合はこれに抵触する
▲ノドン(射程1300キロ)北朝鮮の中距離弾道ミサイル。旧ソ連のスカッドを
改良。1993年に初めて発射実験が行われた。射程は約1300キロ。200基
程度が配備されている。北朝鮮はノドンよりも射程の長い「テポドン1号」「テポ
ドン2号」も開発済。
●イージス艦・・・
米国で開発された高性能レーダーを装備した護衛艦。イージスはギリシャ神話
に登場する「盾」。航空機や対艦ミサイルによる攻撃から艦隊を守る。日本は1
993年に配備を開始。現在は5隻を保有。弾道ミサイル防衛など、日本の防
空の要。「あたご」は5隻の中でも最新型。従来型より性能は向上。
●護衛艦・・・
一般的には機動部隊や船団を護衛する艦艇。自衛隊では、主要な水上戦闘艦
を護衛艦と呼ぶ。国際的には駆逐艦とフリゲート艦に分類されている。海上自
衛隊は55隻を保有。イージス艦「みょうこう」(基準排水量7250トン)、ヘリ3
機搭載艦「はるな」(同4950トン)。新鋭、大型艦33隻を護衛艦隊に配属。古
型は、沿岸警備を担当する全国5か所の地方隊に配備。「みょうこう」は98年
8月のテポドン発射事件で弾道観測に活躍。新鋭艦の速力は30〜32ノット
(1ノット=時速1.852キロ)。
●日朝平壌宣言・・・
小泉首相と北朝鮮の金正日総書記が、2002年9月17日に平壌で署名した
文書。朝鮮半島の核問題に関連する国際的合意の順守や、核・ミサイルなど
安全保障上の問題解決の必要性を指摘。日朝両国が相互の信頼関係に基づ
き、「国交正常化を早期に実現させる」と明記。
●海上自衛隊・・・
陸上、航空自衛隊とともに、日本の防衛を主たる任務とする約4万5000人の
実力組織。海上幕僚長をトップに、護衛艦隊、潜水艦隊、航空集団で構成。
「自衛艦隊」と、横須賀(神奈川県)、佐世保(長崎県)など全国5か所に地方総
監部を置く「地方隊」から編成。