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社会で防げ子供の薬の誤飲 包装見直しの検討始まる 効果的な啓発課題に 「医療新世紀」

2016年09月28日 11時59分42秒 | 行政
社会で防げ子供の薬の誤飲 包装見直しの検討始まる 効果的な啓発課題に 「医療新世紀」
2016年9月27日 (火)配信共同通信社

 乳幼児の医薬品誤飲事故が後を絶たない。予防の基本は保護者が注意することだが、従来のような啓発だけでは限界があるとして、子どもが開封しにくい工夫をした「チャイルドレジスタンス(CR)」と呼ばれる包装容器導入に向け、関係団体が検討を始めた。専門家は「誤飲の実態を広く知らせ、社会全体で防ごうとの意識を今から育てるべきだ」と指摘する。

▽減らない事故
 「中毒110番」で誤飲の相談を全国から受ける日本中毒情報センターには、子ども(5歳以下)の医薬品誤飲の情報が年に8千件以上寄せられる。医師が処方する医療用医薬品の誤飲が増加傾向。何でも口に運び、大人のまねもする1~2歳の事故が7割程度を占め、降圧剤や向精神薬の誤飲では少量でも重症化の事例がある。
 厚生労働省などは「医薬品は子どもの手が届かない所に保管を」などの注意喚起を繰り返してきたが、誤飲は減っていない。2011年には東京都が、子ども向け水薬で、ふたを押し下げながら回さないと開かないといった仕様のCR容器の普及を求める提言をまとめた。だが目立った進展にはつながらなかった。
 昨年12月、消費者庁の消費者安全調査委員会がCR包装容器導入の本格的な検討を厚労省に求める報告書を公表し、事態は動いた。同委は医薬品を封入する包装シートの見本を使って開封実験まで行い、子どもは開けにくいが高齢者には使用困難でない包装容器を実現できる可能性はあると結論付けた。
 ▽意義を知れば
 子どもの誤飲防止策を研究してきた国立成育医療研究センター(東京)の石川洋一(いしかわ・よういち)薬剤部長は「CR包装容器の製造自体は難しくないが、保護者はもちろん社会全体がCRは必要だと認識しないと普及は難しい」と話す。
 理由の一つは、大人でも慣れるまでは多少の開けにくさなどを感じることだ。石川さんは、CR包装の薬が登場しても「使いにくい」などと不評で、その後につながらなかった例を幾つも見ている。一方で、東京都の保護者調査ではCR支持者が大半。「誤飲が多発しており、事故を防ぐ目的の容器だと知れば、使ってもいいと考える人が多い」と石川さんは話す。
 CRはコスト増にもなる。厚労省研究班の代表として薬の包装容器の見直し策を検討した土屋文人(つちや・ふみと)・日本病院薬剤師会副会長(国際医療福祉大特任教授)は、薬の製造段階で包装を変えるほかに「薬局での調剤の機会を活用する道も考えられる」と指摘する。
 例えば、家に乳幼児がいるなど必要な人だけに、薬の包装シートにCR化シートを貼るなど「個別に安全策をプラスする方法は、費用負担の面からも理解を得やすいのでは」と土屋さんは言う。
 ▽具体的な情報を
 製薬会社でつくる日本製薬団体連合会は、厚労省の要請を受け、安全性委員会でこの問題の検討を8月に開始。同委の千葉昌人(ちば・まさと)副委員長は「検討がある程度進んだ段階で、薬剤師会などの専門家団体と連携し、対策を考えていきたい」と話す。
 何らかの見直しが行われるまでは家庭での対策が重要。だがその啓発にも課題がある。
 親向けに子どもの病気の啓発活動をしている「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」の阿真京子(あま・きょうこ)代表(42)は「『注意しよう』などの漠然としたメッセージでは親の心に響かない」と指摘する。
 どういう状況で誤飲が起きたか、防げたのはどんな場合か。具体的で詳細な情報が有効だ。阿真さんによると、誤飲した子どもの親は自責の念が強く「親同士が集まる場でも体験を積極的には語らない」。共有されにくい情報をいかに集め、効果的に伝えるかが問われている。(共同=吉本明美)
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白い巨塔の中に犯人はまだいる。点滴に泡、看護師気づく 活性剤の作用か 横浜・入院患者死亡

2016年09月28日 01時01分31秒 | 
事実は小説より奇なり・・・・・・・・・・・・・・・・・

点滴に泡、看護師気づく 活性剤の作用か 横浜・入院患者死亡
その他 2016年9月25日 (日)配信朝日新聞

 横浜市神奈川区の大口病院で、点滴に異物が混入されて入院患者が死亡した事件で、点滴袋の中身が泡立っているのに看護師が気付き、病院が神奈川県警に通報したことがわかった。遺体と点滴から成分が検出された界面活性剤の作用とみられる。袋に目立った穴や傷はなく、県警は混入の方法について調べている。
 県警によると、20日未明に亡くなった八巻(やまき)信雄さん(88)を司法解剖した結果、死因は界面活性剤による中毒死だった。
 界面活性剤は物質を泡立てたり、汚れを落としたりする効果があり、洗剤や漂白剤、医薬品などに広く使われている。毒性のないものもあるが、混入されていたのは、中毒症状を引き起こす種類だったという。
 点滴は医師の指示で薬剤師が用意し、看護師が施す仕組み。院内の薬剤部に保管され、必要に応じて各階のナースステーションに運ばれた後、原則として24時間以内に使うことになっていた。ステーションでは机の上や洗面台の横などに一時置かれていた。複数の在庫が残されており、県警は他にも異物が混入された点滴がないか調べる。
 宿直の女性看護師が八巻さんに栄養剤の点滴を施したのは19日午後10時ごろ。約6時間後に八巻さんの脈拍低下を知らせるアラームが鳴って看護師が異常に気づいた。死亡確認後、点滴の泡立ちに看護師が気づき、「おかしい」と指摘。病院が県警に通報したという。
 院内では18日以降、八巻さんの他に、入院していた80代の男性2人と90代の女性1人が死亡。男性2人は点滴を受けていた。八巻さんと同部屋の人もいたという。県警はこの3人の遺体も司法解剖をして調べている。
 (飯塚直人、奥田薫子)
 ■春から院内トラブル
 「お亡くなりになられた八巻さん、ご遺族には重ねて哀悼の意を表します。病院としては、一日も早い真相究明を願っています」。24日に会見した大口病院の高橋洋一院長は硬い表情で頭を下げた。
 病院の説明によると、事件当時は4階の17人の入院患者に対し、当直の看護師2人が対応していた。20日午前4時ごろ、看護師が八巻さんの心拍数低下にアラームで気づいた。その約1時間前、心拍数や血圧を確認した際には異常はなく、おむつの交換もしていたという。
 院内では4月、4階にあるナースステーションで看護師の服が切り裂かれ、6月にはカルテ数枚が抜き取られてなくなる問題が発覚。カルテはその後、見つかったが、いずれも警察に届けていなかったという。
 8月には4階で勤務する看護師のペットボトル飲料に異物が混入。注射針を刺したような穴があいており、別の職員が口に含むと漂白剤のようなにおいがした。病院はこの問題でも成分を調べるなどしなかったという。
 高橋院長は「病院関係者しか触れることができないところで起きた事件なので、院内で処理しようと考えていた」と話した。
 (天野彩、照屋健)
 ■「告発」市に相次ぐ
 横浜市には、こうした院内のトラブルに関する「告発」が、事情を知る人物から実名のメールで寄せられていた。
 市医療安全課によると、市監査課に7月5日、服の切り裂きとカルテの紛失について、8月12日には飲料への異物の混入についてそれぞれ通報があった。同26日にも職員の人事やシフトなど勤務態勢についてのメールがあったという。
 市は9月2日、病院に対して年に一度の定期立ち入り検査を実施した際、こうした事実を確認。再発防止を求め、警察に相談するように伝えたという。
 事件が起きた20日には、同じ人物から「点滴に漂白剤らしきものが入っていた。今回は警察に通報するようです」という内容のメールがあったという。
 市医療安全課の浜哲夫課長は「事件が起きるまでの対応について、感度が悪かったという指摘があれば仕方がない。ただ、看護師の飲料への異物混入といった情報では、患者の安全が脅かされるとは判断していなかった」と話す。
 (桜井健至、大森浩司)
 ■「穏やかな人」 亡くなった八巻さん
 亡くなった八巻さんの自宅近くに住む女性(87)は、老人会で同じコーラス部に所属。事件を知り、「まさか」と驚いた。女性によると、八巻さんは岩手県出身で、一緒に東北の民謡を歌った。大工だったという八巻さんは、上棟式の時に歌う歌を披露したこともあったという。
 老人会の旅行にもよく参加。「穏やかで、いつも帽子をかぶり、おしゃれだった」と女性は振り返る。コーラス部の男性(72)は「足が悪くなっても練習には熱心に参加していた。普段は寡黙だったが、歌っているときは楽しそうだった」と話した。
 (前田朱莉亜、太田泉生)
 ■事件の経緯(いずれも9月)
<14日> 八巻信雄さんが大口病院に入院
<19日午後10時ごろ> 30代の女性看護師が栄養補給のため八巻さんに点滴を実施
<20日午前3時ごろ> 看護師が八巻さんの脈拍と血圧を調べ、異常がないことを確認
<午前4時ごろ> 看護師がアラームで八巻さんの心拍数低下に気づく
<午前4時55分> 八巻さんの死亡確認。点滴が泡立っていることに看護師が気づく
<午前10時43分> 病院が「亡くなった方の点滴に異物が混入された可能性がある」と神奈川県警神奈川署に通報
<21日> 司法解剖で八巻さんの体内から異物を検出
<23日> 県警が点滴への異物混入による殺人事件と断定し、神奈川署に特別捜査本部を設置
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