８時４５分、起床。
トースト（はちみつ＆オリーブオイル）、サラダ＋スクランブルエッグ、牛乳、紅茶の朝食。
キーボードで「とー」を打った段階で予測変換で「トースト（はちみつ＆オリーブオイル）、」、「さら」と打った段階で「サラダ＋スクランブルエッグ、」と表示される。規則正しい生活ということだろう。
朝刊の一面は「一般道自動運転」「総裁選」「衆院選」「密航」。私は自動車を運転しない（免許を持っていない）ので自動車の話題には関心が薄い。「衆院選」には教え子が出そうなので関心が高い。「密航」という言葉には子供の頃から惹かれるものがある。
本日の『おかえりモネ』。いてもたってもいられず気仙沼へ向かうモネ。あの地震のとき地元におらず共通体験としての震災を経験できなかったことがずっと尾を引いているモネ。よい出来事にしろ、よくない出来事にしろ、それを共有することが人々に一体感をもたらすというのはよくあることであるが、それは地域的な出来事に限らない。おそよすべての人生経験についてもいえることである。その結果、たとえば、「出産・育児」を経験したことのない人にはその大変さはわからない、といった切断的な言い方が生まれたりする。たしかに経験は大切だ。個人とは経験の総体であるから。すべての経験を共有する個人というものはいない。いたらそれは他者ではなくクローンと呼ぶべきものである。他者とのコミュニケーションにおいて共有する経験は大いに役に立つ。では、共有されていない経験はコミュニケ―ションの邪魔になるのかというと、そうとは限らない。それを語り、それを理解しようと耳を傾けることを通して（人間の想像力というものを馬鹿にしてはいけない）、コミュニケーションは深まっていくだろう。経験の非共有という亀裂を前にして立ちすくんでしまっていたのがこれまでのモネであったが、今日のモネは意を決したように前に踏み出していた。
昨日のブログを書いてアップする。
１時からオンラインのゼミガイダンス。教員ごとのブレイクアウトルームを設けて、話を聞きたい学生がその間を移動するという方式。開始時点でそれなりの数の学生が来たが、その第一波が引くと、開店休業のような状態になった。たまに学生が入ってきても、他に誰もいないと知って、そそくさと退出するということが何度かあった。ちょうど客のいないカフェに入りにくいのと同じである（と思う）。だから私はなじみのカフェでは、自分がいなくなると誰もいなくなってしまうという状況では、次の客が入ってくるのを待って店を出ることにしているのである。学生がいない時間帯には用意しておいた昼食のおにぎりを食べた。
３０分ほどの休憩の後、３時から現代人間論系の教室会議。来年度の時間割の作成が主な議題である。１時間半ほどで終了。
時間が間に合いそうだったので、近所の耳鼻科に薬を出してもらいに行く。持病の耳鳴りはこの１０日ほど落ち着いた状態にある。
そのまま散歩に出て、駅ビルの本屋で買い物。
『散歩の達人』（蒲田・大森・池上特集号）。表紙はサッカーの元日本代表の丸山桂里奈さん。彼女は大森の出身である。パラパラとページをめくってみたが、比較的新しい店が取り上げられていた。よく取材されている印象。私の馴染みのお店もたくさんとりあげられていてうれしくなる。
岸本尚毅『文豪と俳句』（集英社新書）
漱石や龍之介、それから久保田万太郎なんかの俳句はつとに有名だが、鴎外や太宰の俳句にはなじみがなかった。
米足らで 粥に切り込む 南瓜かな 鴎外
日露戦争の陣中で詠まれた句である。米が足りないので南瓜が粥に入れられている光景を詠んだものである。ユーモラスではあるものの、コメは精兵、南瓜は予備役の比喩で擬人化されている。多数の兵士が死んでいくのを軍医として目の当たりにしながらの句である。
追憶のぜひもなきわれ春の鳥 治
二十代の初めの頃の句だが、すでに晩年を感じさせる。
夕食は秋刀魚の塩焼き、蓮根と挽肉の煮物、サラダ、玉子とオクラの味噌汁、ごはん。
身がずいぶんと太くなってきた。脂ののっているせいで火の回りが早く焦げてしまった。
チャイが秋刀魚の匂いに誘われて何度も食卓に上ろうとするが、その度に下ろされる。
食卓の足にしがみつく。
私の足の指に噛みつく。
「蒲田の秋刀魚」は食べられないのだよ。
食事をしながら『モヤさま２』（録画）を観る。総武線「幕張」の回。京葉線の「海浜幕張」の方ではなく鄙びた方。私は早稲田に来る前の３年間、放送大学に勤めていたので、よく幕張で下車して大学（本部）までの道を歩いた。当時の面影があるようなないようなモヤっとして印象である。
今夜は中秋の名月。深夜にコンビニい行くときに南の空の高い場所にある満月をながめた。
風呂から出て、今日の日記を書く。
１時半、就寝。
