フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月2日(木) 曇り

2023-03-03 14:22:33 | Weblog

8時半、起床。

トースト(はちみつ&オリーブオイル)、目玉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

本日の『舞いあがれ!』。古本屋「デラシネ」によく来ている中学生の女の子が分厚い国語辞典をみながら言った。「こんなにたくさんの言葉、必要? 中学生は「やばい」「かわいい」「きもい」だけでやっていける」と。処世術としてはたしかにそういうことがいえるかもしれない。自分の気持ちにしっくりする言葉をたくさんの言葉の中から探すのは時間がかかる。これは俳句にもいえることで、他の季語でもいいような季語(置き換え可能な季語)ではなく、その句に一番しっくりする季語を見つけるのは時間がかかる。締め切りに追われて作句していると、そこのところが安易になりがちである。

就活の面接で「ガクチカ」を問わなくなってきたということらしいが、本当か? もし本当だとしても、それに代わる新たな定番的な問いがすぐに普及するのだろう。もちろんその問いに対する適切な回答の仕方も。

面接の構造は変わらないんじゃないですか。

昨日のブログを書いてアップしてから、自転車に乗って、税務署に確定申告の書類を出しに行く。

書類を出して、すっきりした気分で、税務署の通りにある和菓子屋「清野」に行ってみる。初めて行く店だが、評判は聞いている。昨年放送されたNHKのドラマ『正直不動産』で山崎努演じる和菓子職人が作っていた生菓子がこの店で提供していたものだそうである。

お店の方(「パン日和あをや」の奥様に雰囲気が似ている)に初めての来店であることを告げ、お試し的に、桜餅、草餅、鶯餅、そして蒲田温泉饅頭を1つずつ買う。お店の方はニッコリされていた。

ちなみに『正直不動産』のスペシャルの制作が決まったらしい。『舞いあがれ!』の娘(福原遥)と父親(高橋克典)が再び共演することになるのかな。

帰宅して、まずは仏壇に供える。

1時に蒲田駅で「スリック」のマダムと待ち合わせ、「寿ゞ喜」へ鰻を食べに行く。昨日、約束したのだ。

小上がりに案内される。部屋の隅にはお雛様が飾られている。

赤重(鰻重の上)と焼き鳥(塩)を注文した。先に焼き鳥が出て来た。後から鰻重を食べることを考えて、たれではなく塩にした。前菜みたいなものだが、ビールとかはなしで(マダムは飲みたかったかもしれない)。

赤重と吸物とサラダと新香。サラダを先に食べる。

お重からはみ出すところが最近の赤重である。以前の赤重は半切れを一枚ごはんを隠すように縦に置いていた。あるいはそのときそのときの鰻のサイズに合わせて、はみ出しタイプと横置きタイプの二通りがあるのかもしれない。私ははみ出しタイプが好みである。

食後のお茶は「テラス・ドルチェ」で。「寿ゞ喜」とは同じサンロード商店街にあり、歩いてすぐである。

鰻重を食べた直後でお腹いっぱいであったが、マダムはプリンも注文した(コーヒーが飲めない彼女は紅茶で)。私もマダムに付き合ってブレンドコーヒーにオムレツ(バナナをスポンジ生地と生クリームで巻いたもの)を注文した。メニューにはシフォンケーキもあって、マダムはいたずらっぽく笑いながら、「シフォンケーキ頼んじゃおうかしら」と言ったが、「それはやめておきましょう」と私は言った。

カフェのマダムと(別の)カフェに行くというのはめったにないことである。そもそもカフェをやっているとそういう時間がない。定休日が二日あってもそのうちの一日は仕込みでカフェにいる。純粋なお休みの一日はあれこれの用事を入れているから、のんびりカフェで過ごすというのは難しい。夕方、カフェを終えてからというと、カフェは夕方で終るところが多いから、結局、行けないのである。一度だけ、マダムを「パン日和あをや」にお連れ下ことがあるが、それは「スリック」の夏季休業中にであった。「スリック」を閉めたらカフェにお付き合いくださいとは以前からお願いしたことなのだが、それが今日、さっそく実現したというわけである。

これからの時間をどう使って何をやるか、マダムの頭の中ではすでに構想が立っているようであるが、ここではまだ書けません。

マダムから「スリック」で使われていたエプロン(複数枚あるうちの一枚)とティーパックをいただいた。私が着たら「ミスター・スリック」になって、ハンドパワーがアップして料理が上手くなるかもしない。

夕方、予約しておいた整骨院へ行く。

その後、「一二三堂」にリーディング・グラス(老眼鏡)を買いに行く。以前ここで買ったのだが、書斎で踏んづけて壊してしまったのである。

ご主人から「『かまにし』の記事読みましたよ」と言われる。

前回のものより度の弱い「+1.00」のものを買う。「一倍」という意味ではないらしい(一倍なら意味がない)。1200円で買えた。ついでに芥川賞受賞作の掲載されている『文藝春秋』3月号を購入。

夕食は豚肉とスナップエンドウと玉子の炒め、シューマイ、トマトのサラダ、玉葱の味噌汁、ごはん。

食事をしながら『プレバト』(追っかけ再生)で観る。俳句春光戦予選リーグが始まった。今日はA組。本命の名人10段の北尾渉を破って春風亭昇吉が一位通過を決めた。

 三月の空に託せるものがない 春風亭昇吉

今回の兼題は「卒業」。空を見上げながら思い描けるような夢が自分にはないということを詠んだ一句。型どおりの卒業式俳句でないところがよい。そういう卒業生、実際には多いと思う。青春のリアル。「久しぶりい感動しました」と夏井先生も絶賛していた。

続いて『リヴァーサル・オーケストラ』第8話(録画)を観る。今回はオーボエ奏者の穂刈(平田満)が認知症が進んで施設に入るいことになった妻(宮崎美子)のために吹いた二人の思い出の曲「愛の挨拶」(エドワード・エルガー)が胸にしみた。この曲、たしか『商店街のピアニスト』の中でも弾かれていたと思う。

ドラマを観ながら、「清野」の和菓子を食べる。私が写真を撮る前に妻が桜餅(道明寺)をかじってしまって、実際より小さく写っている。

風呂から出て『桑田佳祐のやさしい夜遊び』をタイムフリーで聴きながら、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。

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