9時、起床。
トースト、サラダ、紅茶の朝食。
朝食の写真は撮ったつもりで撮っていなかった。朝食をとりながらパラパラ見ていた雑誌の写真は撮っていたのに。
10時に家を出て、大学へ。
11時に卒業生のHさん(論系ゼミ3期生、2013年卒)が研究室にやってくる。
最近、職場でチームリーダーに昇格したそうだ。頑張ってるね。
しばらく話をしてから、昼食をとりに「たかはし」へ行く。
私は肉豆腐定食を注文。他にも肉豆腐定食を注文していた客が何人かいた。寒い日によく出るメニューだ。
Hさんはお刺身定食を注文したが、私より少し早く食べ終わった。女性は食事の速度の個人差がとても大きいが、Hさんは早い方だ。職場での昼食もそそくさと食べているそうだ。
食後のコーヒーはHさんの希望で「カフェゴト―」で。彼女でこれでグランドスラム(蒲田の「まやんち」と「phono kafe」、神楽坂の「SKIPA」、そして早稲田の「カフェ・ゴトー」)を達成した。
チーズケーキとチョコレートケーキをハーフ&ハーフで。飲み物は私は紅茶、Hさんはカフェオレ。
手前のチーズケーキを食べ終えてから、奥のチョコレートケーキを食べた。Hさんも同様だった。これは男性に多い食べ方である(女性は交互に食べて、最後の一口は自分のより好きな方というパターンが多い)。
「一日が過ぎてゆくのは遅くて、一週間も遅いけれど、一年は早いです」とHさんは言った。この3月で卒業=就職してから丸3年になる。「一日は早くて、一週間も早くて、一年も早いです」という卒業生が多いから、へぇ、そうなんだと思った。
Hさんは「カフェゴト―」に来たのは初めてで、落ち着いた空間を見わたしながら、「ここは時間がゆったりと過ぎていきますね」と言った。うん、カフェという空間はそういうところです。
お店の方が気を利かせてくれて、ツーショットを撮ってくださった。
店を出て、駅前の横断歩道のところで、Hさんと別れて、研究室に戻る。
ちょっと用事があって戸山図書館へ。用事を済ませて、ドイツ文学の棚のそばを通ったときにたまたま目についた一冊の本を手に取った。
マルキット・ハーン『ひとりぼっちの欲望』(三修社、1997年)。
たぶん最近「孤独」について考えているので、「ひとりぼっち」という言葉に反応したのだろう。訳者が同僚の松永美穂先生であることも手に取った理由かもしれない。
短篇集だ。最初に置かれた「エナメルのコート」の書き出しをその場で読んでみる。
「エナメルのコートをカフェにお忘れになりましたよ、と知らない男性の声が電話から聞こえた。
私のエナメルのコートですか。でも忘れてなんて、そこに掛かっていましたもの、ちょっとお待ち下さいね。わたしはタンスに走り、戸を開けてみる、コートは掛かっていた。私の黒い、きれいな、ぴかぴか光るエナメルのコート。襟は大きく、肩パットがついている。超ミニ丈。ウェスト強調裁断、幅広ベルトによる大きなカーブのライン。強い女性のための目立つ一着。
誤解です、なにかの間違いでしょう、私のエナメルのコートはありますもの! どうしてわたしに電話したんですか? 電話番号はどこで調べたんですか? どうして私のことを知っているんですか?」
引きこまれる書き出しだ。借り出して、研究室で続きを詠んだ。
夕方まで雑用。
蒲田駅の改札の前の「ザクザク」でスティック・シュークリームを2本を買って帰る。
夕食は鱈の野菜あんかけ。
テレビで天気予報士が「大寒波」という言葉を使っている。そうか、そんなに寒いのか。
2時、就寝。