フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月12日(木) 晴れ

2015-02-13 13:58:27 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ(ゆで卵、トマト、レタス)、紅茶の朝食。

昼前に家を出て、大学へ。

キャンパスの入口で卒業生(論系ゼミ2期生)のNさんと待ち合わせる。なぜ門のところなのかというと、今日は文化構想学部の入試で、関係者以外はキャンパスに入れないからである。私も普段であれば試験監督の仕事があるのだが、今年は研究休暇中ということで、入試業務は免除されているのである。他方、Nさんはウェディング関連の仕事のため、平日が休日なのである。

Nさんはホットヨガの教室の帰りとかで、リュックサックにスニーカーという軽快な姿で、受験生のようである。「頑張ります!」

「たかはし」に食事に行く。二人とも刺身定食を注文したが、私は寒鰤、Nさんは鮪と鯛をチョイス。

肉豆腐を単品で注文してシェアして食べる。刺身+肉豆腐という組み合わせは相性がいい。

大隈講堂の前で写真を撮る。いよいよ受験生のようである。

食後のコーヒーは、腹ごなしに神楽坂まで歩いて、「トンボロ」で。

香りと酸味のAブレンドを注文。

バナナのパウンドケーキとコーヒーゼリーを注文。

平岡家の三男(「夜トンボロ」店長)のハーレーさんとおしゃべりをしていて、店員のダルビッシュ君は今年こそ大学を卒業できるんしょうね、さあ、どうでしょう、楽観できませんね、と話しているところへ、噂をすればなんとやらで、ダルビッシュ君が「こんにちは」と姿を現した。「卒業の方は大丈夫?」と聞いたら、自信満々の表情で「はい、大丈夫です」と言った。

前回、Nさんが研究室に来たとき、拙著『日常生活の探究』(左右社)をさしあげるのを忘れてしまった。今日話をしていてそのことに気付いたので、帰りがけにもう一度キャンパスの入口まで来てもらって、研究室から本を持って来てお渡しした。春学期、これをテキストに使った新しい講義「現代人のライフスタイル」がスタートするが、火曜日の3限の科目だから平日が休みのNさんは聴きに来るかもしれない。

卒業して丸3年。そろそろ職場の配置に変化がありそうな時期で、Nさん自身、変化を望んでいるところがある。元来がまじめで、ひたむきな人だから、停滞することがきらいなのである。たぶん次の3年というのが、彼女の人生にとっては大きな意味をもつだろうと思う。頑張ってくださいね。

研究室で夕方まで雑用。

6時に大学を出て、サントリーホールへワセオケ(早稲田大学交響楽団)の定期演奏会を聴きに行く。ゼミ4年生のYさんとIさんがワセオケの団員で、チケットをいただいたのである。

本日の演奏曲は次の4曲。

R.シュトラウス 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」

ダヴィッド「トロンボーンと管弦楽のための小協奏曲」

R.シュトラウス 楽劇「サロメ」より7つのヴェイルの踊り

石井眞木 日本太鼓とオーケストラのための「モノプリズム」

アンコール曲は、「荒城の月」と「八木節」

とてもいい演奏会だった。個々の作品の演奏もさりながら、全体の構成が見事だと思った。

「ツァラトゥストラはかく語りき」はこれまで何度かワセオケの演奏会で聴いた。主題も楽曲もスケールの大きなもので、交響楽団の得意とする曲の1つなのだろう。「トロンボーンと管弦楽のための小協奏曲」は珍しいトロンボーン協奏曲である。トロンボーンの音色は人々をのんびりさせるところと、人々を鼓舞するところの両面を備えているが、この曲はそうしたトロンボーンの二面性をうまく表現するとともに、吹奏楽器の魅力を再認識させてくれた。「サロメ」もフルオーケストラの曲であるが、「ツァラトゥストラ」の超人的雰囲気に対して、女性の内奥にあるエロスが噴煙をあげるきわめて人間的な雰囲気の曲である。「モノプリズム」は和太鼓を中心に据えることで、音楽の三大要素である旋律、和音、拍子のうちの拍子を前面に押し出した曲である。私の席は前から9列目だったが、和太鼓の振動が体中にビンビンと伝わってきた。打楽器というものの根源的で呪術的な特徴がいかんなく表現されていた。アンコール曲の一曲目「荒城の月」では、「モノプリズム」では後方に退いていた旋律が、吹奏楽器と弦楽器によって前面に押し出された。心にしみわたる旋律。でも、これで終わったのではしんみりとした気分になってしまう。そこで二番目の(最後の)アンコール曲「八木節」では、本日登場したすべての楽器が総出で、にぎやかに、祝祭的な演奏が繰り広げられた。これから出発するヨーロッパ演奏旅行の聴衆たちを意識した構成で、彼らの喝采が目に見えるようである。

一ヶ月の演奏旅行はコンディションの維持が大変だろうと思うが、頑張ってください。帰りの電車の中からYさん、Iさんに「ブラボー!」のメールを送った。肩と背中の筋肉が少々こわばっているのは、演奏を聴きながら、思わず力が入っていたためではないかと思う。

蒲田に着いてから「吉野家」で夕食をとる。

ロース豚丼十勝仕立てを初めて注文した(+けんちん汁)。

10時半、帰宅。

かるかんとコーヒーで一服。