暑い日が続いている。夏休みのオジサンはそのほとんどをうたた寝
と推理小説など軽ーい読書で過ごしているが、時には脳ミソに負担
のかかることもしなければと、辻邦生の「歴史小説集成」を手に取
った。
「安土往還記」を読むのはもう数回目のはずなのに、読んだ瞬間か
らすぐ忘れてしまうオジサンにはまことに新鮮で面白い。これはき
っとオジサンの特技(邦生流に読めば<とくいわざ>)に違いない。
信長が天下統一の過程で、比叡山を焼き尽くし、謀反した荒木一族
は女子供まで残らず処刑する。長島で石山で一向門徒は数か月の兵
糧攻めの末に殺し尽くす。その戦いぶりはまさに鬼畜のごとくであ
る。
戦争とは殺すこと、という理(ことわり)を徹底すれば、それが理
にかなうことと信長は考える。そして、かれは「理にかなう」こと
を何よりも大切にする。
だから、戦場以外では弱いものを救い、貧しいものに施すのも信長
にとって理にかなうことなのである。路傍の足萎えの女を救い、荒
木村重への恩義から謀反に加担しようとして思いとどまった高山一
族は、キリシタンであるにもかかわらず最後まで重用する。
秀吉と並んで、もっとも優秀な武将であり、天下統一の両輪となっ
た明智光秀も、その潔癖さや優しさのためか、とうとう本能寺の変
を起こしてしまう。同時に、自害し、炎に包まれた信長は、近代の
幕を開くという自らの役割を終えて、燃え尽きたようにも見える。
前回、申し上げた戦争とは殺すことということを考えながら、オジ
サンがサラリーマンを終わるころ、「企業は成長しなければ」とい
論理についていくのが苦しくなったことを思い出す。
おひるねのオジサンになって、まことに安気な毎日である。
昨日は、キャベツ・芽キャベツ・クキッコリーの苗を植えた。
芽キャベツの育て方を聞きかじったのでとても楽しみである。
と推理小説など軽ーい読書で過ごしているが、時には脳ミソに負担
のかかることもしなければと、辻邦生の「歴史小説集成」を手に取
った。
「安土往還記」を読むのはもう数回目のはずなのに、読んだ瞬間か
らすぐ忘れてしまうオジサンにはまことに新鮮で面白い。これはき
っとオジサンの特技(邦生流に読めば<とくいわざ>)に違いない。
信長が天下統一の過程で、比叡山を焼き尽くし、謀反した荒木一族
は女子供まで残らず処刑する。長島で石山で一向門徒は数か月の兵
糧攻めの末に殺し尽くす。その戦いぶりはまさに鬼畜のごとくであ
る。
戦争とは殺すこと、という理(ことわり)を徹底すれば、それが理
にかなうことと信長は考える。そして、かれは「理にかなう」こと
を何よりも大切にする。
だから、戦場以外では弱いものを救い、貧しいものに施すのも信長
にとって理にかなうことなのである。路傍の足萎えの女を救い、荒
木村重への恩義から謀反に加担しようとして思いとどまった高山一
族は、キリシタンであるにもかかわらず最後まで重用する。
秀吉と並んで、もっとも優秀な武将であり、天下統一の両輪となっ
た明智光秀も、その潔癖さや優しさのためか、とうとう本能寺の変
を起こしてしまう。同時に、自害し、炎に包まれた信長は、近代の
幕を開くという自らの役割を終えて、燃え尽きたようにも見える。
前回、申し上げた戦争とは殺すことということを考えながら、オジ
サンがサラリーマンを終わるころ、「企業は成長しなければ」とい
論理についていくのが苦しくなったことを思い出す。
おひるねのオジサンになって、まことに安気な毎日である。
昨日は、キャベツ・芽キャベツ・クキッコリーの苗を植えた。
芽キャベツの育て方を聞きかじったのでとても楽しみである。