おひるね茶家だより

おひるね茶家は終わっちゃいましたが、もうしばらく「たより」は続けたいと思います。
どうぞおつきあいください。

長ーい小説のこと

2017-08-22 16:27:56 | Weblog
今年も学習院の史料館で、辻邦生の特別展があり、古いお友達の加賀乙彦さんが講演をされた。
申しわけないことながら、オジサンは、加賀さんのものを読んだことがなかった。

とにかく丸善に走って、最初に「高山右近」、つぎに「殉教者」、いずれもキリストの教えに殉ずる姿を淡々と描いて、加賀さんという方はとてもまじめな方と思わせる。小説と思わず、ドキュメントと思い込んでしまいそうだった。こんな言い方はおかしいけれど、辻邦生の語り口とはずいぶん趣を異にすると思う。

さして、ある方に勧められて「永遠の都」に手を出してしまった。文庫本7冊の大長編である。加賀さんはある冊子に、辻邦生の小説は長い、ユリアヌスは原稿用紙何枚、春の戴冠は、樹の声海の声は、フーシェはなどと書いておられるが、この永遠の都はもっと長いのではないだろうか?

6月から読み始めて、ようやく8月の半ばに終わった。この暑さもあって、オジサンの脳みそが正常なのは1日に2~3時間しかないので、読書に充てられるのは精々1日、1時間くらいしかないのである。

さらに、弁解を続けると、オジサンはいわゆるファミリーヒストリーが苦手だ。北さんの「楡家の人々」や辻の「銀杏散りやまず」や「樹の声海の声」など、展開の単調さに負けてしまう。この永遠の都も少しそんな気配もするけれど、かなり大きな起伏もあって、ほかに比べれば読みやすい。

特に、不倫あり、浮気あり、いわゆる一盗二婢三娼(間違えました「妾}です)がいっぱい出てきて、果たしてこれはファミリー物なのか考えてしまう。
それはともかく、日露戦争から太平洋戦争までの人々の心模様、そして何よりも空襲で家々が燃える様子など、私が実体験として知らないことを体験するような思いがして、後半は特に読書のペースが上がったものである。
オジサンの名古屋の家、古渡橋の近くの堀川端にあったのだが、どうやら終戦直前の5月頃の空襲で焼けたようである。もちろん、オジサンは赤ちゃんだった。
さらに、永遠の都にはその後の続編があるとか、さあどうしよう。

と、オジサンの夏休みはこれで一段落?
ごろごろ、グダグダするのも少し飽きてきたようで、おひるね茶家の通って畑を耕し始めた。これから秋の葉物野菜や大根、ジャガイモなどの植え付けが始まる。大汗をかいて頑張っているが、これも1時間が限界である。利尿剤を飲んでいるオジサンでもおしっこがほとんど出ない。

 して、昨日は久しぶりに「煮豚」を作りました。これまで、バラ肉は油が多すぎるし、ロースはパサパサするし、一長一短だったので、今回は肩ロースでチャレンジ、皆さん!大正解でした。とっても美味しいです。ナニが絶賛しています。
オジサンは、煮汁を少しだけ頂いて、中華そばに入れています。とっても美味しいです。
ラーメンにチャーシューはなくてもいい人なのです。

今年も、おひるね茶家の庭には高砂百合がいっぱいです。
ちゃんとお墓参りもしましたよ。